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同人誌を作るのに参考になった装丁デザインの本9冊

同人誌を作るぞ、と思ったとき私はとりあえず本屋に行きました。もちろん検索すれば情報は色々あるのですが、そもそも「上質紙」とか言われても何のことだか全然わからないのです。

そんなわけで何もわからない状態から、勉強してきた本を紹介します。

同人マンガ 一気に目をひくカバーデザイン

私が初めて買ったデザイン関係の本です。紀伊國屋で色々見て悩んで、これ一冊をとりあえず買えば本は作れそうな気がする、と思って買いました。

一枚のイラストを「表紙」として使うためにはどうするか、についての基本的な事が書かれており、悪くないチョイスだったのではと思います。

一枚のイラストをもとに、デザイナーさんが何パターンか表紙を作成する実例が載っており、同じイラストでも「大人っぽく」「明るく」といったコンセプト次第でこんなに変わるんだ…!と驚きました。

装丁デザインのアイデア!

更にもっと装丁のことをわかりたい、と思い、色々な装丁が網羅的に取り上げられているこの本を買いました。

本書は、イラスト中心、文字中心、写真を使ったもの、など様々な形式別に装丁を紹介しています。

装丁の本は、装丁作家別のものが多いのですが、そもそも「装丁作家が誰か」が全然わからないので、形式面からの分類の方がわかりやすいです。

取り上げられているのは、実用書や小説本が多く、ライトノベルやマンガは少ないため、イラスト中心の装丁を見たい場合にはちょっと物足りないです。ただ、ここまで幅広く色んな装丁を形式別に取り上げた本は今のところ他にないんじゃないかと思います。

造本解剖図鑑

装丁を紹介した本では、必ずしも紙の種類について触れられていないことも多いです。

実際に同人誌を作るとなったら紙を選ばなければなりません。でも、紙の種類がそもそもわかりません。

この本は、制作過程で検討した紙を含め、紙のかなりマニアックな部分を詳しく紹介されており、色々な紙の名前を知ることができます。

めちゃくちゃに凝った本も多く、見ているだけでも楽しいです。

装丁を語る。

多くのハードカバー書籍のデザインをしている有名デザイナーの本です。

ハードカバー版の森博嗣「スカイ・クロラ」シリーズなどが有名かなと思います。(本体には一面に空の写真、そこに透明カバーという斬新な装丁だった)

どのように苦労し、どこを工夫してデザインを作成していったのか一冊ずつ解説されています。小説本が多く、内容を把握したうえでどのようにそれに合った装丁にするかというプロセスを踏んでいるので、作者とのコラボレーションが見ていて楽しいです。

良いコミックデザイン

コミックのデザインに焦点を絞ったブログの書籍化本です。ある程度の分類ごとに、色々と変わったコミックの装丁が紹介されています。

装丁の本、といったときに取り扱われるのは実用書や小説本が多いので、マンガだけをたくさん見ることができるのはありがたいです。(私は小説本の表紙にイラストを使うことが多いので)

カバーを外したときの工夫など、様々な趣向をこらされたコミックについて紹介されています。
コミックは小説より巻数が多い傾向にあるので、その点を活かしたシリーズ的な装丁など見ていて楽しいです。(封神演義愛蔵版など)

同人誌のデザイン

前半は教科書的で、後半は同人誌の実例になっています。前半部分の基礎知識パートの情報は基本的にはネット等で得られるものなので目新しさはあまりないです。

後半は実例編として、同人誌の表紙と加工、紙などの詳細が記載されています。商業流通している本で、同人誌の装丁をたくさん見られるものは少ないのでありがたいです。

取り上げられているのがまさに同人誌なので、実際に自分が同人誌を作る際に同じようなものを選ぶということができます。

月刊MdN

今の少女漫画・BLはめちゃくちゃこの人の影響が大きく、この人らしい感じだとイコール「今っぽい」と言っても過言ではないと思います。川谷さんが手がけたたくさんの装丁を一覧で見ることができます。

特徴は、タイトル文字もイラストのように、画面の構成要素の一部とすること、奥行きを使っていることです。
どちらかといえば紙より電子に適合したデザインで、物理本の装丁とは少し離れるのですが、ざっと見るだけでも「今っぽい装丁」のことがわかります。

Pen

やや古いですが、外国の美しい本の装丁を手軽にたくさん見ることができます。海外の装丁本は、もちろん多数ありますがハードカバーの重たい本が多く、たいてい4~5000円します。雑誌で手軽にぱらぱらとみられるのはありがたいです。

フィッツジェラルドのシリーズものの美しさといったら! 村上春樹の装丁の各国比較なども興味深いです。

本の顔

装丁作家個人の創作物に焦点を合わせ、実例がたくさん掲載されています。

注目すべきは、ボツ案がたくさん掲載されていて、そのうちなぜ採用案に至ったのかというプロセスを見ることができる点です。

どのボツ案もそれぞれ魅力があるのだけど、採用案を見ると「確かにこれだな」と納得させられるものが多いのです。
他のボツ案も素敵なのに、どうして「これだ」と感じるのか……タイトルがはっきり読めるから? 絵自体のインパクトがあるから? と理由を考えていくととても勉強になります。

そんな風に色々探求した結果、自分の同人誌作成をまとめた同人誌も出しました。自分が本作りの課程で知りたかった印刷所や加工、紙の詳細を記載しています。

そんなわけでどんどん手持ちの本は増え、同人誌も含めると更に増殖中なので装丁は沼でした。何かお勧めの本などあれば教えて下さい!

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