見出し画像

エルサルバドルでできること① 火山ハイキング~からのVolcano Bond

先日、エルサルバドル西部に位置するIzalco火山へハイキングへ行きました⛰

(↓見えてる山に登ります)

画像5

「ハイキング」というと聞こえはいいですが、要は「急勾配の岩場をひたすら歩く」というアクティビティ。転ばないように必死で良い写真がないのですが、以下ご参照。
(↓まず下り)

画像7

(↓イザルコ火山の麓に到着)

画像6

(↓苦行が続く)

画像8

(↓一面の火山岩をひたすら進む)

画像9

(↓頂上から見える景色は格別です!)

画像10

エルサルバドルの火山ハイキング

エルサルバドルの国土は中米7か国でも最も小さく、九州の半分程度しかありませんが、火山・ビーチ・湖などの大自然がぎゅっと凝縮しています。

その中でも火山はエルサルバドルの地形を象徴する特徴の一つ。
狭い国土の中に100以上の火山があり、そのうち活火山は20以上
エルサルバドルの国旗をよーく見ると、そこにも山が(中央アメリカ連邦を形成していた5か国にちなんで5つの山が描かれています)。

画像11

そんな自然資源を余すことなく堪能できる火山ハイキングは、エルサルバドルに来たら是非やるべきことのひとつ!

ただし、エルサルバドルで火山ハイキングをする際は、治安や安全を考慮し、エルサルバドル政府の観光機構により派遣された警察及びガイドを同行させることが必要となってくるそう(過去にはハイカーを狙った強盗が多発していたようですが、近年ではあまり発生していないとのこと)。

ハイキングコースごとに集合時間(1日1~2度なので要時間厳守)が決まっており、必ずグループで行動する必要があります。

数あるハイキングコースの中でも、メジャーなコースを以下に貼っておくので、エルサルバドルに来る際は是非登ってみてください。(登頂難易度は筆者の主観に基づくデスクトップリサーチによるものである点お含みおきを!)

1.Santa Ana Volcano (サンタアナ火山)

画像1

登頂難易度:中
エルサルバドルで最も高い山。海抜約2,381メートル。そこまで難しい山ではないそうですが、知り合いはめちゃくちゃしんどかったと。心も体もしっかり準備していった方がいいと思います。最後の噴火は2005年。頂上には魔女のスープのような火山湖が。

2.Izalco Volcano (イザルコ火山)

画像2

登頂難易度:高
海抜約1,950メートル。Izalcoは現地の言語、ナウアット語で“黒曜石(=火山岩を使った宝石)の場所”という意味で、その名の通りIzalcoを上る道のりはごつごつした黒い火山岩で埋め尽くされている。Izalcoはエルサルバドルの最初の郵便切手にも描かれています⛰

3.San Salvador Volcano(サンサルバドル火山)

画像3

登頂難易度:低
海抜約1,867メートル。サンサルバドル火山の噴火口は「El Boquerón:大きな口」と呼ばれています。最後の噴火は1917年ですが、しばらく噴火していないので怖い。サンサルバドル市内を見下ろすようにそびえ立っている。

4.Conchagua Volcano (コンチャグア火山)

画像4

登頂難易度:中
海抜約1,242メートル。エルサルバドルの最東部、La Union県にありサンサルバドルからは190キロ程と遠い。エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアの3国の諸島を眺めることができるキャンプサイトがある。

火山熱とビットコイン

エルサルバドルで火山といえば、ビットコイン関連でも話題になっています。

今年の11月、エルサルバドルのブケレ大統領は「2022年に、世界で初の試みとなる10億米ドル相当のビットコイン建債券(10年債、クーポンレート6.5%)を発行する」と公表。そして調達資金の半分を、Conchagua火山付近での建設が予定されている地熱発電所の建設に充てると発言していることから、同債券は「Volcano Bond=火山債券」と呼ばれています。そしてこの地熱発電は、ブケレ政権イチオシの”Bit Coin City”建設のために必要な電力に利用する計画だそうです。

この”Bit Coin City”関連の政策に関する詳しい情報はエルサルバドル政府からは未だ公表されていませんが、国際メディアやIMF、世銀といった国際機関は総じて辛辣にエルサルバドル政府を批判しています。

一人当たり国民所得平均(GNI per capita)が約4,000米ドル程である国で何千億円もの予算を費やし、リスクが高いビットコインにエルサルバドルの人々のお金を使うべきではない!というのが一般的な論調です。

更に、エルサルバドルは現在では火山熱を利用した地熱発電所が2つあり、国全体の約21%の電力を生産していますが、国内消費電力のうち約22%を輸入に頼っている国でもあり、電気料金は決して安くはありません。

画像13

本来ならば、新しく建設される地熱発電所を通じて生産される電力は、国民のために使われるべき。こうした事情もあり、エルサルバドル政府のビットコイン関連の政策は非難の的となっています。

個人的には、一般的には暗号資産の需要は今後も更に大きくなっていくと思いますが、エルサルバドル政府に関しては、「国家予算使ってすべきこと他にあるでしょ」というのが今の状況です。

現時点で、全国民が満足のいく教育、保健、医療等の公共サービスを享受できる状態にあるとは言えません。
投資家目線からすると、オーソドックスな金融政策とかけ離れた政策は、大企業や大口投資家の敬遠材料でしかなく、本来ならば優先させるべきインフラ分野等への投資が阻まれることになります。
そしてビットコインがコケた場合、しわ寄せはエルサルバドルの国民が背負うことになりますが、国家の大統領って、こうした「最悪の状況」を1ミリたりとも国民に想像させてはいけない立場のはず。
いち外国人としては、こうした状況は実験的な事象として捉えられますが、自分がもしエルサルバドル人だったら・・。

最後に。冒頭のハイキングについてきた野良犬くん。中米には、「Cadejo(カデホ)」と呼ばれる犬にまつわる伝説があり、白Cadejoは人々を守ってくれ、黒Cadejoは人々に危害を加えると言い伝えられています。私が今回怪我なくハイキングを終えられたのはこの子のおかげ?若干茶色いですが。

画像12


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?