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豊かな人生を歩むために、「ヘルスリテラシー」を読んでみた

最近、読んでよかった本の紹介。

「ヘルスリテラシー :健康教育の新しいキーワード」

気になった部分などについて書いていきたい。


概要

この本は、ヘルスリテラシー(健康リテラシー)の重要性を探求し、健康教育の新しい視点を提供してくれる本。

ヘルスリテラシーの定義

英語の「health」と「literacy」を組み合わせた造語である。

プロセスは「健康情報の入手、理解、評価、意思決定、行動」の流れ。

問題解決まで含む定義もあるとのこと。

結構難易度高いなこれ。これが出来ると言える人は少ないのではないだろうか。特に後半部分。正しく評価→意思決定→実践していくことは簡単ではない。

海外との比較

この本では、評価方法の説明がほとんどであり、海外と比べると、日本のヘルスリテラシーは低いという事実のみ理解できた。

調べてみると、世界的に見ても日本のヘルスリテラシーは低いことがわかった。

健康情報

ヘルスリテラシーは情報の入手が重要であり、主役の一翼を担っている。日本の調査の中で、健康リスクの情報を信頼できるか判断するのは難しいという結果がある。

米国国立医学図書館では、「MedlinePlus」という健康情報を豊富に収集したサイトが存在する。

他にもアメリカ厚生省(HHS)が健康情報サイトもある。信頼できる情報源へのアクセスが容易であり、正しい情報を基に判断するのが日本に比べて容易に見える。

日本で探すと「e-ヘルスネット」という厚労省のサイトが見つかった。参考文献などが明確に記載された良質な情報提供がなされている。知名度はなさそうだが、広報されているのかな。初めて見た。今度は調べたい時に見てみようと思う。

豊かな人生への健康教育

生きる目的といえる「豊かな人生」とリテラシーの関係性はどのようなものになるか。

豊かな人生への健康教育として、図が貼られていた。非常に良い整理がされているが、個人的に気になった部分をオレンジで追加してみた。

「豊かな人生への健康教育」を基に作成

より高いレベルのモチベーションを保つために必要なものって何かを考えると、アイデンティティが重要だと思う。

それぞれ異なったアイデンティティを持ち、それによってどのようにモチベーションを持てるかが変わってくる。画一的な支援だけでは、より高いレベルのモチベーションを持つことは難しい。

アイデンティティはどのように形成されるか。その一つが家族やコミュニティである。親の教育や関わり方により子どものアイデンティティ形成が異なってくる。

結局、長い時間をかけながら教育をして、高いヘルスリテラシーをもてる仕組みづくりが必要になる。

だが、現代はフェイクニュースも多く、正しくない情報を信じてしまう人も多い。

それについては支援の仕方で解決できるのではないだろうか。

どのように支援者が関わるか?という部分である。国などの行政から情報提供するのみでは足りない。間違った情報を正しいと信じている人に正しい情報をぶつけてもその人の考えが強化されるだけである。

そのためには、コミュニティナースなどのコミュニティに根差した、正しいリテラシーを持った人間が支援者として関わることが重要な解決策になると考えられる。

最近は、行政でも似た取り組みが多くあると聞いた。これらが浸透することで支援が効果的に届くのではないだろうか。

おわりに

この本が書かれたのが2016年。少し時間が経っているが、最新のヘルスリテラシー研究はどうなっているのか気になる。

2022年には「ナッジ×ヘルスリテラシー」の本が出ているので次はこの本を読んでみたい。

論文や記事も結構見つかったので、時間ある時にもう少し整理してまとめたい。

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