見出し画像

やっぱりよかった!『コタツがない家』~最終話~

11年半描けないでいる漫画家の悠作は、度々挑むが状況が変わると描けないといい、最終的には”もう漫画家はやめる”とまで宣言。しかし義父から離婚してやって欲しいと打診され、家出して考え抜いたあげく、離婚するまでの事なら描けそうだと再起する。一方、肝心の妻の万里江は別れたくないと断る。しかしながら万里江の同僚はもちろん、息子の順基、離れて暮らす母や義理の兄までも100%離婚に賛成という異例の反応に、どうして別れたくないのかと自信を問いただす。
ほぼ、第9話の1時間でずっとその理由を考えるのだが、さいごの最後、さすがと思わせられる、そしてやはり笑ってしまう珍回答であった。

あなたがダメでクズでだらしなくいてくれたことが、私を輝かせてくれたの。
あなたと思いっ切りぶつかったり、絶望したり怒ったり、たくさん泣いたり笑ったりしたことが全部私のエネルギーだったのよ!
30年後もこうやって、あなたと言い争いしていたいの
ぶつかり合いたいの
それが幸せなことだって、やっと気づいたのよ。

『コタツがない家』万里江が悠作に離婚を拒む理由を話すシーン

決して褒めてない様に思われるのだけど、万里江にはピッタリの悠作への愛情表現であり、あんなぐうたらな夫でも、そこなんだと納得。ウェディング会社社長として仕事と家庭の両立、カッコイイ自分、悠作を1人にするのが心配、、、など色々と離婚したくない理由はあったが、悠作の存在自体が万里江全てのエネルギーなのだと確信するのだ!
正直、3話くらいまで、万里江の寛大すぎるゆるさに、本当にこのままの状況で大丈夫なのかと心配になったし、正直きついかも、と思っていた。でも吉岡さんならいいのかも!?と演者さんへの目線で我慢していたイチ視聴者の私。なにせDr.コトー先生と同一人物に思えなく、演技がうますぎてだらしない感じが悠作としてしか見えなくなっていたのだ。すごい!
しかし回を重ねるうちに、義父にはズバズバ言うし、すがすがしくさえ思えた。まぁ深堀家は全員、歯に衣着せぬ物言い方なんだけど。
万里江は、ひと昔前の”誰の金で生活出来ていられるんだ?”的な家でだけでは優位に立ちたがりな残念な夫のような態度は一切しないし、逆にどんとこい!みんな養ってやる!と心の中だけで思っている格好よささえ感じていた。格差もここまで広がると気持ちがいいし、そういった事に対して、悠作自身も肩身が狭そうな態度も一切なく、プライドとかそもそも全く気にしていないようだ。

まぁそんな理由から、またもや離婚話はなくなってしまった為、悠作もまた描けなく?描かなくなるのだと思った。
意外にも、漫画に対する気持ちは人一倍真面目なところがあるのか、度々の描けない理由もそうしたこだわりもあり、今回の離婚の最終テーマでも描けないからもうお蔵入りとなるところ、、、だったが、
”クリスマスの奇跡”という素敵な最終話のタイトル。
やっぱりやってくれました。
はぁ~(うれし涙)。
達夫ありがとう!
クマさんありがとう!
と。
最後の最後にどうしてこのタイトル『コタツがない家』なのかも、全て回収してくれた!
万里江の父の達夫が職場で仲良しのクマさんの気を引くために、自分の部屋の和室にサウナを置く事で、そんなありえない家がオチとなり、なんと悠作の11年半ぶりの(時は経ち、出版の頃には既に12年になってた。)待望の漫画が完結したのだった。

他の登場人物もキャラが立っていて、
悠作の編集者の土門さん(北村一輝さん)もセクシーな感じを特に出していないのに、他の深堀家のダメ男達と比較してしまうと、ただいるだけで魅力的で、きっと一番まともな男性だったからなのかもしれないが、かなり素敵に見えた。
万里江と同僚の詩織ちゃんの結婚が決まった時には万里江さんに
わたしも”しぶとい家庭を築いていきたいです”
に対して、師島くんが、”しなやかで強い竹の様な家庭ってことじゃないですか?”と言い換える人柄が出る言い回し。
トータル、変人ばかりの話だったけれど心温まった。

我が家にコタツは必要ない。
コタツよりもぬくもり溢れる家族ゲンカが
いつも家の中をポカポカにしてくれるのだからと

『コタツがない家』より

最後に万里江の心境が母の声でのナレーションで終わるのだが、コタツロスになりそうだ。

毎週、コタツストーリーを家族に共有していたので最終回は皆で視聴。
あの歌なに?!コタツ面白かった!サウナはウケる!!深堀家みんなヤバイ奴!!と特に11歳の息子は大爆笑。あの笑いがわかるんだ~。フフフ。


はぁ~、私も店頭に並んだ『コタツがない家』漫画よみたいなぁ。

↑ 20年前のフカボリ悠作の名作『パンくずの都』(笑)

#今年のふり返り のドラマ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?