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【爬虫類】【寿命】ボールパイソンの寿命:10年〜30年【ブレブレ】【理由】

閲覧ありがとうございます。
ミルエスカマスと申します。
趣味として爬虫類の飼育から、爬虫類販売店に就職、独立を視野に退職し、現在業界への貢献を考えて模索中です。
このnoteでは、爬虫類飼育という趣味の世界をちょっと変わった視点から書いていきます。


魚類や爬虫類の多くは、インターネットで検索飼い方の多くが出てきます。
しかし、寿命はあまり明記されている事がありません。
雑誌や専門書などにさえ、寿命だけ明記されていない事も多いです。

そして、ようやく調べて出てきた寿命も、書いてある記事によって違ったり、「10年〜30年、長いものは40年以上生きたという記録もある」というかなり大雑把な内容です。

これが、ハムスター等の哺乳類であれば寿命の明記は殆どの書籍にありますし、あまりブレもありません。


ではなぜ、こんなに爬虫類の寿命はブレブレなのでしょうか?

この理由が理解出来れば、飼っている爬虫類の寿命がのばせます。

私的には、寿命をのばすのがただただ良いこととも思いませんが、、

しかし、爬虫類という生き物の本質の部分の一部なので、理解することで飼育の本質の一端が理解できると思います。
できるだけ多くの方に、この事は理解していて欲しいと思っています。

私の語彙力では、その説明の為に随分遠回りな説明を必要とします。

読むのも大変だと思います。読んでも意味不明な部分も出てくるかもしれません。

もし分からない所があれば、コメント欄ででも気軽にご質問くださいませ。


そもそも、寿命とはどうやって決まっているのか

生き物の寿命は、代謝心拍によってある程度決まっています。
ですが、今回のテーマの部分は、【代謝】がメインになります。

代謝とは、体を成長させたり古い細胞を新しくしたりする、生き物が生き物故に絶対に必要な作用の事です。

心拍は、名前の通り心臓の鼓動の事で、血液を体中に循環させるポンプの役割を担っている部分です。

まず、説明がシンプルである心拍の方から説明します。

これは、車のエンジンを想像して貰うのが一番近いです。
車のエンジンの寿命って、おおよそ回転数で決まっています。
その回転数を、走行距離からおよそ予想して車の寿命を予測します。

実は、動物の心臓の鼓動の数は、大きくても小さくても、平均値にはさほど違いはなく、鼓動の早い生き物は寿命が短く、鼓動の遅い生き物は寿命が長い傾向にあります。

もちろん、動物の進化の神秘はそう単純なものではありませんが、多くの動物においては、上記のように考えて差し支えありません。


続いて、代謝についてご説明します。

ただ、代謝と言った場合の意味は、生き物の中で起こる化学反応の事なのですが、それが寿命においてどういう要素なのかを理解しなければなりません。

ざっと言えば、車でいうと、車を動かしているエネルギーそのものに変換する作用の事です。
燃料のことではなく、バッテリーのことでもなく、「燃料を、前に進むエネルギーに変換する作用」のことであり、「バッテリーを、ライトをつけるエネルギーに変換する作用」であり、熱エネルギーや電気エネルギーに変換する作用すべてのことです。

動物の代謝の場合、どういった事が起こっているかというと、

ご飯を食べる→エネルギーになる、そのエネルギーが巡り巡って身体を動かす、内臓を動かす、身体を成長させる。

こういった流れの、エネルギーを得て、細胞の整備、その細胞に働かせて、生き物が生きている!

という流れが、「代謝」という事です。

私も書いていてよくわからなくなってきています(汗)
こういうことで合っているのか不安にもなってきています!

私達の生活の中で、代謝というワードを使う時は、

「代謝が良すぎて汗をよくかく」
「代謝を上げて痩せやすい身体を作る」
「歳とともに代謝が落ちる」

などの場合によく使う言葉なので、いまいち分かりにくい方は、上記の例文を参考にイメージして頂けたらありがたいです。

前置きが長くなりすぎましたが、代謝はエネルギー変換する作用の事であり、このエネルギー変換は使うほどに機能が下がってきます。
厳密には、代謝によって活性酸素というものが発生し、、、、(省略します。

イメージ的には、バッテリーが、使ううちに充電、発電する機能が下がってくるのと考え方は近いと思います。

代謝機能が劣化することにより、細胞が新しいものに変わる作用も劣化してゆき、身体の機能が低下していきます。それが、いわゆる老化のプロセスになります。

つまり、代謝が高ければ、老化も早い、代謝が低ければ、老化も遅い、つまり、寿命が長くなったり短くなったりします。

正直、この代謝の項は、この上記の「代謝が高ければ老化も早い、低ければ老化も遅い」という部分だけ理解ができれば今回のタイトルのための理解は充分です!

長々と失礼いたしました。

脳内の想定としては、ここまでで全部の説明の半分くらいです。

書いていて気が遠くなってまいりました。

でも、多くの方に理解して頂きたいので、最後までお付き合い頂けたら嬉しいです。


代謝と心拍の基本原理を理解したら、次は寿命が長い動物と短い動物がいる理由

一般的なイメージで、ネズミとゾウではゾウの方が長寿と考えられると思います。

ネズミのような小さい動物には、小さい心臓が搭載されており、その小さい心臓が体に血液を流すため、かなり早いペースで心臓が鼓動します。

ゾウのように大きい動物であれば、大きい心臓が、一発で血液を一気に押し込むので、鼓動のペースがネズミと比べるとかなり遅い。つまり、心拍の観点から、ネズミよりもゾウの方がまず心臓の寿命が長いです。


【いよいよ本題】爬虫類と哺乳類の代謝の違い【おせーよ】

寿命の長い理由、短い理由の本質的な部分を知ったら、
爬虫類の寿命の変動が大きい理由を理解する為にまず「恒温動物」と「変温動物」というものを理解する必要があります。

恒温動物とは哺乳類や鳥類のような、「恒久的な体温を持つ動物」です。
例えば人間だと、暑い日でも寒い日でも、体温はだいたい35〜37度くらいです。これ以上高くても低くても体は異常事態だと思います。

基本的に炭水化物をエネルギーとしながら、常に体温を一定に保つように体が機能しています。

変温動物は、爬虫類、両生類、魚類などが当てはまります。
寒いときには体温が下がり、暑い時には体温が上がります。
20℃の時は体温も限りなく20℃に近づき、40℃の時には体温が限りなく40℃に近づきます。
自分を取り巻く環境に体温が左右されている生き物です。

この二種類の生き物にとって、大きく違う部分の一つに「基礎代謝」というものがあります。

基礎代謝とは、「生命を維持する為に常に必要な代謝」の事です。

恒温動物は、暑い環境でも寒い環境でも、自分の体温を一定に保ち行動することが可能です。そうすることで、過酷な環境の場所でも生活する事が可能になり、生息域を広げる事に成功しました。
しかし、かなり制度の高い体温維持を要求されるため、常にかなり高いレベルでの代謝速度を要求されます。

たとえるならば、エアコンをつけっぱなしにしているような状態です。
部屋の状態を快適に保つ反面、電気代がつねにかかるような環境です。

爬虫類のような変温動物には、部屋にエアコンがついていませんので、そこに電気代はかかりません。
寒ければ温かい場所に、暑ければ涼しい場所に移動、それが限界を超える場合は、土の中や水中にもぐり、休眠状態に入ります。
それでも、変温動物にも生命を維持する為に基礎代謝というものは存在します。身体を成長させるのも、代謝の一部です。しかし、恒温動物と比較するとそれでも圧倒的に低くなります。

ですので、そもそも、同じ大きさで比較した際、恒温動物と変温動物では基礎代謝の違いから、寿命が大きく変わります。

同じ手のひらサイズでも、ハムスター(3-4年)とレオパ(10-20年)では寿命が違うのは、こういった部分になります。

そして、基礎代謝の低い爬虫類においては、【基礎代謝以外の代謝速度】こそが、寿命にブレを産んでいる絶対的な理由です!

基礎代謝の低い爬虫類が、いつ代謝があがるのか、

・活発に活動している時
・餌を食べている時
・興奮、緊張など、精神的に圧迫されている時

大きくは、こういった場合になります。

ですので、

・温度が高い→体が活動的になる→代謝があがる
・餌を食べる→消化の為に内臓が活発に活動する→代謝があがる
・興奮、緊張する→全身の神経が緊急時にそなえ、活発化する→代謝があがる

といった風に、様々な理由で爬虫類の代謝速度は、大きく変動します。

エアコンは、スイッチをつけた時が一番電気代をくう
自転車は、こぎ初めが一番ペダルが重い

そんなイメージをしていただくと分かりやすいと思います。

このように、爬虫類はシチュエーションに代謝が大きく左右されます。


つまり、飼育している爬虫類の寿命を限界まで伸ばそうとすると、

・生命維持ギリギリまで温度を下げる
・生命維持ギリギリまで食事量を減らす
・感情が揺さぶられないように、極限まで世話の回数を減らす

といった事で、代謝を限りなく少なくする事ができ、寿命が飛躍的に伸びます。

例の一つとして、
亀などは、冬眠する個体としない個体で寿命が劇的に変わります。
これは、冬眠している間の代謝が極限まで落とされ、ある意味代謝という寿命の時間がほぼ止まっている状態にあるからです。

他にも様々な要因があるにはあるのですが、だいたいそんなイメージで考えて問題ないと思います。

しかし、

・温度を下げすぎると生命維持が出来なくなり死亡
・餌を減らしすぎると生命維持が出来なくなり死亡
・世話を減らすと衛生管理や状態管理が出来なくなり死亡

などというリスクが当然でますし、

代謝が下がると、免疫力も当然低下するので、菌やウイルスに対する抵抗力もさがり、病気のリスクも増えます。

なので、寿命を伸ばす事だけを考えるのは、リスクの高すぎる行為となります。現実的ではないですね。

爬虫類では、この代謝構造を逆手に取るような飼育方法もあります。

ブリーダー様などの所で多くある方法ですが、

温度を上げて餌をとにかく大量に食べさせる事によって、代謝速度を著しく上昇させることによって、身体の成長速度を上げる、パワーフィーディングと呼ばれる方法です。

これで、通常飼育するよりもはやく成熟させることにより、普通より早い時期に繁殖用に使えるようになります。


このように、代謝を理解することで、爬虫類は様々な飼育が可能になります。

繁殖の為にペアを用意する場合も、実年齢に差があっても環境で身体の年齢を合わせる事ができたり、

病気の個体を、代謝を上げることで免疫力を自分で増加させて治りを早くしたり、自己治癒力をあげてケガを通常よりはやく治させたりすることも可能です。


私の家では、爬虫類に提供している環境は、ほとんどの飼育者の方よりも基本温度は低く、餌の量も少なめです。

なので、比較的ゆるやかに成長しており、実年齢よりも若々しい個体が多いです。

しかし、これが良いことだと思ってやっているわけではありません。

人間でも、細く長く生きたい人もいれば、太く短く生きたい人もいるように、爬虫類も個体によって与えた環境の得手不得手もあるでしょう。

私が与えた餌よりも、もっと沢山欲しがる個体も沢山います。

長く一緒にいたいというのも、人間のエゴだと考えます。

結局は、「自分が信じる正義」を押し付けているだけではあるのです。


以上です。本当に長い記事になりました!
書くのに2日かかりました!
長すぎて読むのも本当に面倒だと思いますが、ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。

ただ、これを理解して頂くだけで、今後、noteで記事をかく内容は、多くの方に有益な情報になっていくと思います。

それでは、また!


P.S
生き物の生存戦略というものは、今回書いた内容とは比べ物にならないほど繊細かつ緻密に構成されています。
今回の代謝の話も、本来、もっと複雑ですし、自分の知らない事も沢山あります。

「違う!〇〇はこうだ!」とか
「この要素の説明もいるだろ!」とか

是非、沢山の方の意見や思ったことを教えて頂きたいです。
いい所でも駄目な所でも結構です。

是非、コメントをください。
ミルエスカマスでtwitterアカウント等もでますので、そっちでも構いません。

爬虫類の飼育がもっと楽しくなるように、できるだけの事はしていきたいと思っています。宜しくお願い致します!

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