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「好き」は息子のエンジンになった

▶︎いよいよ開幕

いつもならお昼前まで寝ている長男が
珍しく8時台に起きてきた。
スーパーサイヤ人みたいな寝ぐせ頭のまま。


「お、珍しいやん。おはよう」

「今日から高校野球やからな」


あー、そういうことか。
三度の飯より好きな高校野球が
今日から始まるのだ。


興味の入口が非常に狭い長男だが
ヒットすれば、尋常ではないほどハマる。
そもそも野球というものに目覚めた
きっかけはこちらのnoteを。

「ありがとう マリオ」


去年は中止されたので、ひどく
残念がっていたが、今年は制限が
ありつつも開催される。


正座をし(すぐ崩していたけど)
襟を正して(スウェットに襟なんか無いけど)
感慨深げにテレビを見る。

▶︎いびつだけど、どこまでも深い愛


出場校はもちろんチェック済み。
「選手名鑑」が大好物なので
出身中学まで知っていたりする。


これがテストに出たら
息子は間違いなく満点が取れる。
宝の持ち腐れとはこの事だ。


試合に勝つと、校歌が流れるが
常連校の校歌が歌えたりする。
ちなみに、自分の高校の校歌は
いつも口パクである。


イントロ・クイズに出たら
息子は間違いなく優勝できる。
宝の持ち腐れとはこの事だ。


ピッチャーの得意球やバッターのクセ。
選手データは頭の中にある。
将来の夢は「高校野球の監督」だった。


実現したら、野村克也さん顔負けの
名伯楽になれるかも知れない。
ちなみに、野球経験は6ヶ月である。
宝の持ち腐れとはこの事だ。


▶︎「好き」が人生をも動かした


息子が、受験する高校を決めた理由は
「甲子園に出場するかもしれないから」だ。
(自分が野球部に入るのではなく
あくまで応援に行きたいと言う)


正直なところ「おいおい、大丈夫?」と
最初は思ってしまった。どんな強豪校でも
必ず出られる保証なんてない。

予定の変更に弱いという特性を持つ以上
万が一、夢が叶わなかった時に
通学のモチベーションを失う可能性がある。


しかし、自分の学力で合格できそうか?
入学したら何を目標にして
そのためにどう行動するのか?

というところまで、
ちゃんと答えを用意していたのだ。


▶︎「好き」の底力

息子を見ていてつくづく思う。
「好き」って、エンジンになるんだなぁ。


ただその人を楽しませるだけじゃなくて
時には、苦手なことを乗り越えさせる
とてつもないパワーを発揮する。


恋愛などは、いい例じゃないだろうか。


現地で朝一の試合を見るためなら
アスファルトにレジャーシートを敷いて
野宿することも厭わない。


夏の甲子園では、日差しを遮る
屋根もなければ日陰もないが
炎天下で夕方まで観戦し続ける
集中力がある。


いくらなんでも、できっこないだろ。
そんな「冷静なオトナの判断」を
息子は楽々超えてきた。


それも、私の想像のはるか斜め上から。
息子の限界を決めていたのは
他ならぬ私だったのかもしれない。


実際、息子の高校は地区予選で敗れた。
あと1勝で甲子園出場だったけど。


でも、本人は淡々としていた。
「打撃はいい線いってたけど
相手ピッチャーが一枚上やったな」

何なん?
息子、オトナやん♡


拍子抜けするくらい
あっさりとクールに
現実を受け止めていた。


あとは、この溢れんばかりの熱い想いを
分かち合える友だちができたら…
私たち夫婦には温度が高すぎて
いつものぼせてしまうのだ(笑)


球春到来。

コミュニケーション下手だけれど
手に入れた強力なエンジンで
今度は、とびきりアツい仲間を
見つけてくれないかしらん。


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