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行政保健師から転職するに至るまで

どーも、Ellieです。

行政保健師6年目に突入しましたが、この度7月からヘルスケアベンチャーに転職することになりました。

今回は、皆さんお待ちかね?の転職に至った経緯と今後の抱負について書いてみたいと思います。

なぜ転職?

と思われる方も多いと思います。

行政保健師なんて、安定してて福利厚生もいいし、長く働けば給料も上がっていくなんて最高じゃん!

それも事実だと思います。
ではなぜ、転職するに至ったか、理由は主に3つあります。

  1. コンフォートゾーンからの脱却

  2. 行政での行き詰まり感

  3. 今しかできないことへの挑戦

それぞれについて、解説していこうと思いますが、その前にまず、なぜ私が行政保健師になろうと思ったか、振り返っていこうと思います。

保健師を目指した理由

もともと大学病院で看護師をしてから、オーストラリアにワーキングホリデーで1年間過ごし、帰国後トラベルナースしながら行政保健師に転職した私ですが、保健師になりたいと思った理由は主に3つあります。

  1. 地域保健や予防医療に興味があった

  2. ゆりかごから墓場まで幅広い分野を経験したいと思った

  3. 現場レベルから政策形成までに関わることができる

結論から言うと、もともと目指してたレベルに到達できたか聞かれれば、できていないと思います。
母子保健や政策分野での経験はないので、まだやり残したことはあります。

保健師の仕事は楽しいし、やりがいもあり、やろうと思えば色々工夫したりチャレンジできる仕事だと思ってます。

なので、転職活動をしてはいましたが、決まらなければしばらく続けようとは思ってました。

ではなぜ、それでも転職しようと思ったのか?本題に戻りたいと思います。

コンフォートゾーンからの脱却

はじめは高齢者・障害者福祉の部署にいて、個別から地域支援まで広く関われて結構面白かったのですが、行政5年目で異動となり、案の定、感染症対応の部署配属となりました。

感染症(特にコロナ)は、ひたすら同じことの繰り返し、マニュアル通りに効率よく進めることが求められます。
もちろんその時々によって個別事情に合わせて対応したりもありますが、感染症なので回復すれば終わりです。

健康づくり事業も担っている部署でしたが、コロナでほとんど進められず。
地域に出る機会も少なく、コロナが落ち着くにつれやることも減り、(もちろん思いつく限りの業務改善とかデータ分析、健康教育とかもしたけど)…うーん、つまらないなぁ!?ってなってました。

まぁ担当業務的な部分もあったと思う。やりたいこと全然できず、モチベーションだだ下がり。
いやもちろん、毎日定時で帰れたし楽だったけれども。ワークライフバランス的には最高だった。

でも、あまりにもぬるま湯に浸かりすぎて、ここで私が成長できることは、もうないかもしれない。もっと成長できる環境に行きたい!自分の可能性に挑戦したい!と思うようになりました。

逆に大学院の授業はめっちゃ面白くてワクワクして、世界の広さを知ることができ、もっとワクワクする仕事がしたい!ワークライフバランスじゃなくて、仕事自体が人生でやりたいことだと思えるワーク・イン・ライフを実現したい!と思うようになりました。

その中で、次にやりたいことは何か考えた時に、病院、介護、行政はある程度経験したので、次は企業にチャレンジしたい!と思いました。

幸いなことに、大学院でビジネス関連の授業も多く、マーケティングや組織マネジメント、医薬品・医療機器開発やアントレプレナーシップなどを学ぶことで、ビジネスとはいえどお金儲けだけが目的ではなく、社会が必要としてるニーズをもとに新たなサービスやプロダクトを生み出したり、課題解決に挑戦しているのだと知ることができ、今までビジネスに興味なかったけど、面白いかもしれない!と考え始めました。

(これは最近のツイートだけど↓)


行政での行き詰まり感

もちろん、行政にもうしばらく残って、産育休をとり、母子保健や政策分野の経験をして、保健師として一人前を目指す道もあったと思います。
それはそれで、まだ成長の余地はあるし、それも全然ありだと思ってた。

ただ、その先にあるものを考えた時に、昇任してキャリアアップする道はあったと思いますが、果たして私は行政で管理職をやりたいのか?保健師が配属される課はある程度限られる中で、ずっと同じことをやり続けるのか?と考えると、YESとは言えなかったのが本音です。

昇任したら見える景色も裁量の幅も変わるかもしれない。
でも結局、この組織にいても希望する部署に配属されるとは限らないし、現場の声より上の顔を伺いながら仕事をするのは性格的に向かないなぁと思ってしまいました。

また、行政で一通り経験したとして、そこから転職するとなると、おそらく40代とかになってしまうので、そこからキャリアチェンジをするのはハードルが高くなると思ったのもあります。
早期退職した先輩から、転職するなら30代の方がいいよ!とのアドバイスもあり、今のうちに新しい世界に飛び込んでおけば、その後のキャリアが広がる気しかしませんでした。

まあそもそも、飽きやすい性格なので、ずっと同じところにいるのが向かなかったのもあるかもしれません。
行政だと異動があるのでいけるかなと思ったけど、異動して新しいことは覚えるけど、行政という枠は変わらないし、違う部署でもなんとなくこうすればいいみたいのが想像できてしまったので、ゼロベースではないというか。

あと結局は行政はいかにやるべきことを確実にやるかが求められていて、新しいことや変革は好まれない傾向にあります。
新卒でもベテランでも、一定の水準で業務をこなすことが求められ(もちろん役割の違いはあれど)、異動の希望も必ずしも叶うわけでもなく、せっかく大学院で勉強しても、私の価値はここでは発揮されないかもしれないと思ったのもあります(いくら頑張ってA評価もらっても、給料さほど上がらないしねぇ)。

大学院で学んだことをもっとガツガツ実践したかったけど、ここじゃ時間かかりそうやな・・・というのも本音。
これはななさんにグラレコしてもらったやつ↓

もう一つは、ロールモデル問題。
行政で働いていて、上司たちを見ていても、この人かっこいい!この人みたいになりたい!みたいな人って、あんまり出会えなくて。
大学院で出会ったビジネスパーソンは、話も上手で頭がキレるかっこよい人が多く、こんな人になりたい!と思える人が圧倒的に多かった。

ちなみに次の転職先の上司も、女性だけどバリバリ活躍してるかっこよい人で、そんな人の下で働けたら、私ももっと成長できるんじゃないかと、ちょっとワクワクしてます。

今しかできないことへの挑戦

もう一つは、時代の変化です。

社会全体としてデジタル化が進む中、保健医療分野では最近までなかなか進まない現状がありました。
しかしここ最近、ビッグデータやAIを活用した第4次産業革命の時代となり、医療への実装も期待され、デジタルヘルスが注目されてきています。

(詳しくは、加藤先生の本がおススメ↓)


医師や医療関係者が立ち上げてるベンチャーなどがある一方、ビジネスサイドでごりごりやってきた人が参入してきてる様子も見られます。
それ自体が悪いこととは思いませんが、これまで病院や介護施設、自治体で現場を見て、課題を感じてきた者として、デジタル化を進める上で、現場を置き去りにしないサービスを作っていく必要があると感じています。

使える人だけが使うものではなく、誰もが使いやすい、誰も置き去りにしないデジタルトランスフォーメーションを進めていくには、保健師の視点が重要だと思っています。

また、公衆衛生を学んできた者として、エビデンスに基づいた社会実装を進めていきたい、というのもあります。
ちゃんと効果検証して、行動変容に効果があるものを創っていきたい。そのためにはどうしたらいいか考え続けていけるのは、めっちゃ楽しそう!と思ってます。

もちろんビジネスなので、綺麗事だけではやっていけないことも重々承知していますが、現場が必要とするサービスを作ることが結果的に売り上げにも繋がると思っています。
この時代に、時代の流れを読みながら、サービスを創る側として、今までの経験を活かしてより多くの人の健康に関わっていきたい。必要とされる、喜ばれるサービスを創っていけたらと思います。
私にしか出来ないこと、私だから出来ることに挑戦していきたいです。


最後に

ゆるゆる転職活動を始めてから内定を頂くまで、1年弱くらいの期間、転職するべきか、今はやめといた方がいいのか、わりとずーっと悩んでいました↓

求人情報をみるのは、相場感を知るには良かったし、リクルーターに話を聞いたりしながら、面白そうだと思った求人に応募したりしてました。

何度も面接を繰り返す中で、自分のやりたいことが少しずつ見えてきて、現在企業で働いている看護職の方々と話して壁打ちしてもらったりする中で、固まっていった感じもあります。
(この3人には、本当にお世話になりました↓)

結果的に、一番面白そうでワクワクした企業とポジションに内定を頂けて、ちゃんと求められていている成果が出せるかなど今後のことは不安もあるけど、精一杯頑張りたいと思っています。

保健師としてのポジションではないけれど、保健師としての視点は忘れずに、より広い視点で公衆衛生の向上に貢献できる無敵人材を目指していこうと思います。

とはいえ、医療や保健の最前線で頑張っている看護職の皆さんは素晴らしいと思いますし、絶対に必要な存在です。そこでの専門性を発揮するのも専門職の強みだと思いますし、結局は適材適所で価値を発揮できるのが一番だと思います。

なので、色々書きましたが、決して行政サゲをしたいわけではなく、全国には素晴らしい保健師さんがたくさんいることも知ってるし、行政の中で活躍できるのは純粋にすごいなと思ってます。

みんなそれぞれが輝ける場所を見つけられたらいいなと思いますし、私がこれから進む道も、現場の皆さんをサポートしつつ、これから更に看護職の活躍が期待される分野になると思うので、今後誰かの道しるべになれば嬉しいです。

だいぶ長くなってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
なかなか筆が進まない私ですが、今後もぼちぼち、新たな環境での挑戦のことも共有できたらと思いますので、よろしくお願いします。