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夢を見ている

ディズニーランドのことを素敵だなと思える感性のまま親が生んでくれてよかった。
素直に夢の国と言える感性のまま生まれてよかった。
そもそもディズニーランドでなくても、みんなが素敵だと思うものを素敵だと共感することができて本当によかったと思うのだけれども。


ミッキーに、会いたい。
12月某日、日本で一番の漫才師を決める戦いが繰り広げられようとしている中私はひたすらにミッキーを探していた。これは所謂M-1と呼べるだろうか。
ところでミッキーの職業は「映画俳優」だそうだ。人々を楽しませて夢を見させるカリスマ性、確かに頷ける。何事も信じて疑わないような自信に満ち溢れた彼の姿がずっと魅力的だった。会釈とか経験したことあるのかな。


ミッキーが、いない。
入場制限は去年と比べると桁違いに緩和されておりそもそも入園するまでに1時間近くかかった。異常に美味いスパイシーチキンを買うのに20分並んだ。異常だから許せる。
どうやらミッキーに会うのはグリーティング?の予約が必要だったらしい。そのうち書類審査も必要になりそうだ。


夢の国にも夜は来る。
結局ミッキーには会えないままパレードが始まった。彼もさすがに代表として顔を出すのではないか?と期待するもこの国の休日は大混雑で、挙句の果てにはパレードの規制でその場から一歩も動けなくなってしまった。しばらくすると音楽と共に花火が上がった

パシュッ

とおすぎ


視界の半分が人の頭部という珍しい状況になった。
この距離から彼を探すのは困難である。見える筈がないバカじゃねーの。肉眼では見えないのでスマホを望遠鏡代わりにしてみる。


これは犬だな

キャラクターの名前が分からないがこの規模でのパレードで乗り物の1番上に乗っているということは只者ではない。かなり名の知れたキャラクターだろう。おそらく彼はグーフィかドナルドである。次だ。


これは鳥だな

こんなに発光している鳥いるかね??光鳥(ひかりどり)と名付ける。ただこの規模感の中頂上で手を振っている様子は有名キャラクターの5本の指に入るはず。おそらく彼はグーフィかドナルドである。次だ。


あ〜わかんね

我々と同じ容姿をしているので人間のはずだ。
フリフリのプリンセスドレスが綺麗だった。おそらくアナかエルサらへんの姫か。ミッキーが全然いない。自宅療養中?と思い始めたその瞬間


ヒョコッ

アッ!!!!


バッサバッサ

ミッキーだ!!!!!!

多分これはそう。何か布を持っているがなんとなく青色の服のイメージあるしこれ絶対ミッキーだこれ。何の布これ。
やっと出会えたミッキーはもはや「布を持った発光したなにか」であるがそれでもやっぱり嬉しい。もう少しミッキーが踊っている姿を拝みたい。もうちょっとこっちに来て…おや…?



シュシュシュシュ

オワッ!


ドドドドドドドド

ウワーーーーーーー!!!!


ドカーーーーン!

ミッキーーーーーーー!!!!!!!!




結局ミッキーの姿をしっかり拝むことはできなかったがパレードが思いの外良かった。美しい光が幻想的な音楽とともに夜空を彩っていて、その場の全員が夢を見ていた。






人生、変えてくれ

近年のM-1グランプリのキャッチコピーである。
自宅に戻るとすぐにテレビをつけて録画したM-1を見た。全組が本当に面白かった。順位を予想していたが途中で恥ずかしくなってやめた。幸せすぎて脳みそが蕩けてしまって全部どうでも良くなっていた。
今年はM-1史上最多の応募者数のようだ。
ずっとテレビに張り付いていた。漫才師達の夢を見ていた。ずっと耳の奥で血の音が聞こえていた。


喋って夢を見せる漫才師と
踊って夢を見せる映画俳優。
私は黙って夢を見ているだけだった。

また夢を見ていた。
翌朝起きると頭が重かった。寝てる間ずっと頭の上に太陽が昇っている気がしていた。
毎年M-1が終わってからはこうして興奮したまま寝不足のような症状が年明けまで続く。そもそも夢を見ている時点で熟睡には程遠いらしい。

生活習慣、変えてくれ


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