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厨二病はアングラ感や陰謀論に惹かれるものである

最近漠然と「なんかアングラ感ほしいよなぁ」と厨二病めいたことを考えている自分がいる。それは自分自身の正体不明の人生の虚しさやつまらなさのような物とは違う何かがどこかにあるのではないだろうかという幻想にも似たものだ。

アングラ感ってなんだよと言えば2ちゃんねる「初カキコどもコピペ」にある「尊敬する人物アドルフ・ヒトラー、ただし虐殺行為はNO」な人が電子の砂漠で深夜にグロ画像見てる感であり、学校のPC開いて2chを紹介してwelcome to undegroundと紹介している感だ。


とにかく薄暗く怪しい雰囲気で行われる"ヤバイ奴らの集会所"のような雰囲気である。ネットにアングラサイトのようなヤバイ場所があって、向こうにいるやつらは革命を企画している危険人物なんじゃないかっていう怪しげな雰囲気だ。2ちゃんねらーが全員コアなオタクで社会不適合者の危険人物に思えていた頃の幻想でもある。


自分は未だに深夜に夜更かししてコーヒーを飲みながらネットに入り浸っていたあの時代の情熱をいまだに追い求めているのかもしれないし、逆に言えばそこにしか求めるものがないようにもなったのだろう。

何もないつまらないただの平凡な人生と、どこかにあるだろうと信じていたヤバイ世界という幻想の比較が自分を苦しめているのかもしれない。

「世の中はなぜワクワクしないのか」そんなあまりにも曖昧過ぎる疑問だけがただ自分を駆り立てる。


日本のどこかに新進気鋭の凄い頭脳集団やエリート集団がいて、そういう地下組織、秘密結社のような革命勢力が政府転覆や超大国の破壊を狙っているとか、そんなのないんだろうなという疑問を厨二病だった少年はいずれ抱くことになる、そして現実を知ることになる。

ラノベの世界でしかない 、そんなワクワクする奴なんていない。皆常識の範囲内や普通の範囲内で収まってるんだよと諦めるようになるし、もちろん自分もその典型的な一人になっていく。

どこにでもいるような常識人ばかりで、みんな凄いことや変なこと、過激なことなんて考えてないんだよということに気付く。一見すると革命勢力みたいなのもファッションでやってる馬鹿っぽい連中しかいないということに冷める。そして世の中つまらねぇとしか思わなくなる。

自分が能動的にやらないと面白くないし受け身の人任せでは何も始まらない、そう思いながらも世の中は現実に忙しく冷めてる人しかいないんだと言うことに気付くようになる、そんな元厨二病人間、あるいは現役厨二病がどこかにくすぶっているのではないか。


革命とは冷めた人間をも熱くさせるものだ。

今の自分が冷めきった現実の中でかろうじて何らかの情熱を見出そうとすればそれは政権の獲得とか、革命とかそういうあまりにも果てしない壮大なことになる。突拍子もなく現実離れしたことを考えることはきっと現実逃避でもある。三国志に興味を持って三國無双を始めたニートが唐突に軍師目指そうとするとかそういう現実離れしたものだ。


自分がそこに参加したり当事者にならなかったとしてもどこかにフリーメイソンイルミナティみたいな怪しい秘密結社がいないのかなと期待してコンビニ本の陰謀論にわくわくしている人はいないだろうか。古くは仮面ライダーのショッカーのような典型的な秘密結社がある。

深夜のコンビニで買った怪しいムック本みたいなものに書いてある陰謀論やオカルト話に昂揚感を覚えるのならば厨二病だ、しかしそういう深夜の心霊番組を見るときのような怪しい雰囲気に誰もが惹かれたことがあるのではないかと自分は思う。


本当はフリーメイソンは普通の慈善団体で日本で噂されているような怪しい物でもなければ、イルミナティなんて陰謀を企てるような組織ではない、というのが最近の通説でもはやそんな怪しいものもなくなってきている。

新興宗教も激減したり衰退して怪しい集会を行わなくなってきている。不謹慎だがオウムが活動していた時、もっと遡ればナチスが街の選挙活動などを見ていたら不気味な雰囲気をリアルに感じられたのかもしれないと過去に思いを馳せる。

どこかにやばい奴らがいてやばいことをしようとしていて、そのうち何かが起こるのではないかという幻想のような期待のような感覚。正義の組織も悪の組織がいなければ目標がなくなる。


ただこう言った情熱は言ってみればただの厨二病的心理に過ぎない。

自分が陰謀組織や秘密結社に憧れるのも、修学旅行のホテルという普段とは違う雰囲気の中で見たテレビ番組で都市伝説特集をやっていてその番組でフリーメイソンを知ったからであり、未だにその憧憬を引きずっているに過ぎない。

その部屋には自分と他に男のオタク仲間がいて食い入るようにその怪しげな世界を見つめていたことが懐かしい。

「アングラ革命組織すげぇ、かっけぇ!」と馬鹿みたいに見ていた。

ネットのアングラ感に妙なこだわりがあるのも、自分が多感な厨二病時代だったからワクワクしただけで今思えばただの思い出補正に近い。いざ今更コードギアスやデスノートを見て当時のようなエネルギーが沸くかといえば疑問だ。

大学時代もまだ10代だった初期に、新機動戦記ガンダムWを見たときは自分も「ヒイロやデュオのように地球連合や秘密結社OZを打倒したい」という情熱があった。暇な大学時代の深夜にほぼ1,2日でデスノートを見終わったスピード感はもうない。

夜更かしも中学時代だからそわそわ感があっていけないことをしているスリルがあったからで、今は朝起きて夜は寝るという極めて規則的な生活状態になっている。早く寝ろと言われたり、周りが規則正しい生活をしているから反発して夜更かしをしたくなるのだ。


70年代にに深夜のラジオがはやってアングラ解放区だったというサブカル論を聞いたことがあるが、そういうワクワク感が昔からあるものなのだろう。


今の自分がこの頃またナチスにはまっているのも"あの頃の情熱"を思い起こせるからかもしれない。情熱を失った今、熱くなっていた時代のものを見ると少しばかりその時の情熱を取り戻せる。自分の中では定期的にナチスブームがやってくる。小学校の歴史漫画や教科書で見たときの好奇心が今も続いているのだろう。

「戦車にティーガーとかパンターと名付けるヒトラーの厨二センスすげぇ、アイツ歴史上のリアル厨二だろ」と思いロシアの大地で壮大な陸戦を行ったことに憧れがある。そしてそのヒトラー自身プロイセンのフリードリヒ2世が壮大な陸戦を行ったことに憧れを持つ厨二病だった。ルフトバッフェ、すなわちドイツ空軍がイギリスに侵攻したこともロマンを感じさせる。

全共闘世代や学生運動世代が、当時の学生運動や赤軍テロの特集を見て血気盛んだったころの情熱を想起したりむしろ未だにそのころの世代が中心になっていることとも似ている。

何かに逆らってる感は若いときの情熱を維持するための最大の妙薬だ。


いや、もはや自分の場合厨二病ですらないのかもしれない。

小学校の頃行っちゃいけない校区外に補助輪なしで乗れるようになった自転車で行くとか、作っちゃいけない場所に秘密基地作ってそこでお菓子食べるとか、そういうことにワクワクするような子供的な心理なのだろう。

パナウェーブ研究所というものがあって白装束で何か怪しいことをしていたというのはこういう秘密結社研究を調べると出てくるのだが、おそらく彼らは子供の頃秘密基地作ってたようなワクワクをそこに求めていたのではないかとも思う。


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