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— DIVE episode B 01 ― 『あなたの罪は水の中に沈め、ただしき教会で願い求めなさい』 【…
〈幽霊屋敷・勝手口〉 * * * 鈴鹿は周囲を見回し、柿本らのいた形跡がどこ…
〈柊シュリ〉 * 庭にでると視界が一気にひらけたこともあってほっとした。 …
〈幽霊屋敷前〉 * * * 幽霊屋敷――前日はそう呼んだ廃屋の前に立ち、スル…
〈柊シュリ〉 * 愛猫の甘えるような鳴き声で目覚めた。 飲酒したわりに普段…
〈幽霊屋敷隣家〉 * * * 「立派な楠(くすのき)ですねえ」 畑の隅に屈ん…
〈柊シュリ〉 * 「ハーイ、ウィルソン」 筒鳥大学東キャンパスの食堂へは、待ちあわせ時間よりも少し早く到着した。 「ハーイ、ウィルソン」 オリバー・ウィルソンは、身長一六〇のわたしと目の高さがほぼ同じで、八の字型の眉と垂れた目が印象的な白人男性だった。出入り口そばのテーブル席に向かいあって座ったウィルソンは、完成して間もないわたしの名刺を受け取るとハイテンションで喜んでくれた。名刺をもらったのははじめてなので大事にします――そういわれてなんだか誇らしくて照れ
〈警固町・路上〉 * * * スルガは顔をあげて歩道を見た。茶色いジャケット…
* * * 『一分は経ったかな。どこからも物音は聞こえず、家鳴りもなし。家の中…
〈柊シュリ〉 * 「もちろん、水を使う必要があったからさ」 スルガさんがモニ…
〈方解町・路上〉 * * * 「ひょっとして、黄山さんですか?」方解町に駐車し…
〈柊シュリ〉 * 調査の一環なんてのは〝表向き〟の口実で、スルガさんは、のみ…
〈鈴鹿亮平〉 * * * スマホを手に取り、メッセージを確認する。 返信は…
〈柊シュリ〉 * 「おかえり」 帰宅したわたしを、父の声が出迎える。 だけれどもすぐにその言葉が、わたしに向けて発したものではなかったと知る。 「なんだ、シュリか」 父はリビングの椅子に座ってネコさんを抱き、前足の爪を切ってあげていた。目があった。父ではなく、ネコさんと。普段は父を避けて逃げ回っているのに、抱えられるとあっさり観念し、微動だにせず大人しく爪を切られている。 「ただいま」 点けているだけのテレビから発されたバラエティ番組の笑い声が中耳に触れ