善き羊飼いの教会 #4-6 木曜日
〈柊シュリ〉
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訊きたいことがたくさんあって、ありすぎて、なにから尋ねようか迷っているうちに結構な時間が経ってしまった。善き羊飼いの教会こと〈善き羊飼いの信徒〉の深角教会へ向かう緊急車両の後部座席に並んで座る黄山さんを横目で見つつ、このままではいけない、なにも聞けず目的地に到着してしまうのは避けなければと考えて、身体を向け、「……あの」声を発したものの、言葉が続かなくて口ごもってしまう。
「なにが訊きたいの?」と黄山さん。声の調子は明るくて、あたたかみが感じ