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【連作短編】世界の終わり

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【完結】群像劇。― end of the world 01 ― 連作短編小説です。
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#推理小説

世界の終わり #0 -Overview-

— end of the world 01 ― 生物を〈生ける屍・グール〉へ変化させる感染症発生によって封鎖…

世界の終わり #1-3 プレミア

 頷いて返される。ぼくはかぶりを振る。椅子から離した手を太ももにあてて、強く擦っている荒…

世界の終わり #1-4 プレミア

 すぐさま板野の姿が目に飛びこんできた。板野は扉のノブに手をかけて座っていた。ひとりだ。…

世界の終わり #2-5 ギフト

          *  西から移動してきた雲が空を覆い、雨が降りだした。陽が沈んで周囲…

世界の終わり #2-6 ギフト

          *  感染者はグール――屍食鬼と呼ばれているが、実際に人肉を好んで食…

世界の終わり #2-15 ギフト

          *  掛橋は扉の前にいる。ルルカをはじめとする五体のグールが入った、…

世界の終わり #4-6 メタフィクション

「荒木くんの問うた〝企(たくら)み〟についてだが、説明する前に、僕の体験を知ってもらう必要があるから、まずはその話をさせてもらうよ。僕は今回が三度目の九州入りでね。最初は半年ほど前――福岡の東区にある、とある建築物の写真撮影で上陸したんだ。建物のデザインを行った人物が有名なデザイナーだったということもあるが、まぁ、廃墟マニアである自身の欲求を満たすためだけの観光旅行だ。仕事ではなく、趣味。その建物は薬物の研究を行っていた特殊な施設で、屋内外の撮影許可はもらえたものの、研究員が

世界の終わり #4-7 メタフィクション

「さて。話を戻すよ。最初の九州入りは事件のせいで完全に潰れてしまってね。結局、僕は北九州…

世界の終わり #4-9 メタフィクション

「なくなっているって……大事なものなのか?」 「大事、といいますか、はあ、まあ、他人のも…

世界の終わり #4-10 メタフィクション

「…………」  勢いに押されたのか、はたまた散々ついていた悪態は道化を演じていたにすぎな…