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【一日一文】後白河法皇「心の澄むものは、霞花園夜半の月、秋の野辺、上下も分かぬは恋の道、岩間を漏り来る滝の水」

7月22日
後白河法皇が編纂した歌謡集から、一文をご紹介します。

後白河法皇は平安後期の法皇。
「鎌倉殿の13人」に登場していたことは記憶にも新しいですね。

親王時代に今様(当時の流行歌)を好み、歌集「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」を編纂しました。


遊びをせんとや生れけむ、戯れ(たわぶれ)せんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さへこそ動かる(ゆるがれる)れ。



心の澄むものは、霞(かすみ)花園夜半(よわ)の月、秋の野辺、上下も分かぬは恋の道、岩間を漏り来る滝の水。



風に靡く(なびく)もの、松の梢の高き枝、竹の梢とか、海に帆かけて走る船、空には浮雲(うきくも)野辺には花薄(はなすすき)。

「梁塵秘抄」より抜粋


口伝えで残された、趣のある歌謡が集められています。

「遊び」には、子供の遊びと、遊女との遊びと、二つの意味が類推されますね。

ありありと目に浮かぶ四季の光景に、気持ちも安らぎます。紫式部や清少納言の生きた平安の時代から、自然の移ろいは変わらないのです。

後に兼好法師が記した「徒然草」の世界観と、どことなく似ています。

それもそのはず。
徒然草第十四段に文責が引用されていました。

梁塵秘抄の郢曲(えいきょく)の言葉こそ、また、あはれなる事は多かめれ。

「徒然草」より抜粋


こんどの休日は、つれづれなるままに遊んでみるのはいかがでしょうか。

心を澄ませ、風になびくものを見いだす一日を暮らすこと!楽しみな一日になりそうです。

みなさまも、良い週末をお過ごしください(^^)



「一日一文」不定期に更新を始めます。
哲学者・木田元(きだ げん)氏編纂の本「一日一文」から、心にとまった先人の言葉をご紹介したいと思います。

ひとつは自身の学びのため。
ひとつはすこしでも豊かな気持を分かち合うため。おつきあいいただけると幸いに思います。

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