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【一日一文】鈴木大拙「東洋では霊性的美の欠けたものを、ほんとうの美とは見ないのである」

7月12日
仏教哲学者・鈴木大拙の一文をご紹介します。

日本の禅(ZEN)についての著作を、英語で記したことで知られています。2020年、コロナ禍において生誕150年を迎え、注目を浴びたことは記憶に新しいですね。

現代においても、鈴木大拙の残した言葉は心のみちしるべとなっています。

東洋では霊性的美の欠けたものを、ほんとうの美とは見ないのである。霊性的生活から遊離した美は、ただそれだけのことで、それ以上には何の意味も持たない。

茶人は、床の間に、何もおかずに、まだ開きもせぬ一枝の花をそのまま、何の飾りもない花瓶の中に入れて、壁にかけておく。この蕾に、天地未だに分かれざるとき、いわゆる神が「光あれ」といった、そのままの光の影がうつって見える、といったら、今日の東洋の人々は、これを肯う(うべなう)か、どうか。

「新編 東洋的な見方」より


スティーブ・ジョブスが禅に傾倒したことは有名なお話。世界的なリーダーたちが、禅や瞑想に関心を持つきっかけとなったのが、鈴木大拙の記した著作でした。

のちの「マインドフルネス」のベースになったことは、想像にかたくありません。

宗教色はなく、「本当にしたいこと」への気づきをもたらしてくれます。
ただただ、自分の中へと下りていくこと。

今日だけは過去にも未来にも行かず、「いま」を感じ取りたいと思います。

(追記)

本当はいろいろ執筆してみようと思ったのですが、言葉が出てきませんでした。来年にパスしますね。

「霊性的美のある生活」こころに留めておきますね。




「一日一文」不定期に更新を始めます。
哲学者・木田元(きだ げん)氏編纂の本「一日一文」から、心にとまった先人の言葉をご紹介したいと思います。

ひとつは自身の学びのため。
ひとつはすこしでも豊かな気持を分かち合うため。

解釈というにはあまりにも程遠く、どこまで先人の英知にあやかれるのか、つづってみるチャレンジ。
頭を垂れる姿勢を忘れずに!おつきあいいただけるとさいわいです。

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