Eliphas

万年中二病

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最近の記事

スタンプラリー地獄

私はJTCを甘く見ていた。 これまでの経歴、ほとんどが設立10年以内のベンチャー企業だったのだが、昨秋の転職により明治創業のThe JTCな会社に入った。 福利厚生が手厚く、無学習のまま年季だけで役職に就きましたという無能など皆無であり、当初はなかなか良い会社に入れたと思っていたのだが… なんだ、この承認スタンプラリー地獄…。 ほんのわずかな修正を入れるのにも資料を作成してスタンプラリー開始。 とにかくチェックチェックチェック…で実作業時間よりも資料を作成する時間の方が

    • 真面目そうに見える人

      一時期、前職の経理の女性から、給与が大変低く非常に辛いという相談を受けていた事があった。(社内で割と異端であった事と中途入社の時期が近いためだろう) 具体的な金額には言及しなかったが、業務内容を考えるとそこまで低くはなかったはず(中央値前後)で、しかも前職よりはアップしているという話も聞いており、納得が行かないほどではなかったと思う。 にも関わらず、ある時給湯室で咽び泣き始めたのでなかなか驚いた事がある。 彼女が給与の事で傷心していたのには理由があり、周囲の仕事をしない管理

      • 優秀な人材より無能な人材が選ばれる理由

        前職の会社は、上から下まで普通の人だらけで、専務にしろ取締役にしろ、ただの社畜無能社員が何かの間違いで役員になってしまったという風情だったのだが、ある時同僚に「いくらなんでももっとマシなのが本体に居るだろうに、何故あんなのを役員に据えているのか?」と話したところ、「本当に人材不足で他に任せられる人がいないらしい」と返ってきた。 本体には数千人の従業員がおり、いくら評判の悪いブラック企業といえども、名前だけはあるのだから彼らより優秀な者などそれなりにいるはずだ。 果たして本体

        • ダニング=クルーガー曲線という都合の良いグラフ

          ダニング=クルーガー効果という、ネットではかなり有名な認知バイアスがある。 ひと言で言えば、バカほど自信満々という話だ。 このグラフは頻繁にSNS(というか旧twitter)を利用している人ならば、きっとどこかで見かけた事があるのではないだろうか。 これを見て、あるある…と感じた人はきっと少数ではないだろう。 私もそう思った一人だ。 だが、これは偽りのグラフらしい。 そもそもダニングとクルーガーが行った実験というのはこのようなものではない。 実際の実験内容というのは、こう

        スタンプラリー地獄

          例のnoteの話

          ここ数日、大変市井を賑わせているあるnoteの記事を読んだのだが、これが結構面白かった。 読み進めれば読み進めるほど、もどかしいような苦しいような気分にさせられるのだが、非常に興味を唆られる内容だ。 かいつまんで書くと、ラニーノーズというバンドにハマった当時18~19歳の青年が、メンバー(※男性)にガチ恋するのだが、一方でその活動内容に疑義を持ち、SNSのDMで当人に苦情を送ったり批判的なコメントを繰り返したりして、他のファンからもガチ恋相手からも嫌われいき、ついにブロッ

          例のnoteの話

          賢いのが良い事だとは限らない

          私は零細ベンチャー企業歴が長いのだが、前前職は割と知名度の高い会社ではあり、名物社長として度々脚光を浴びている人が経営していたため、大変凄いのだろうとある種の夢を見ていた。 フタを開けてみれば、こんなに頭の悪い社長は見たことがない…と驚愕するような経営戦略ゼロの感性丸出し型経営だったのだが。 多分、社長は軽度アスペルガー障害の人だったと思う。 そのため、呆れるほど人から利用され続けており、口車に乗ってバカ高いコンサルを付けられたり、明らかに不当な物件を契約させられていた

          賢いのが良い事だとは限らない

          セクシー田中さん

          セクシー田中さんというドラマがあり、観た事はないのだがまあひどい出来だったらしい。 脚本家と揉めた結果、原作者が自殺してしまい、今もまだ揉めているようなのだが、なんとなく興味が湧いたので途中まで読んでみた。 適当にあらすじを書くと「とりわけ不幸な訳ではないが、生きづらさを抱えた男女が『田中さん』というOL兼ベリーダンサーと出会った事で転機が訪れる」という内容になる。 この田中さんというのは、優秀だが大変地味な独身OLという設定であり、昔から洒落っ気もなく、日々PCと向き合

          セクシー田中さん

          井の中の不幸な蛙と幸福な蛙

          10年ぐらい前まで、人は知識があればあるほど、世の中をより解像度高く見る事が出来、より幸せに近付けるものだと信じていたのだが、どうもそうではなかったらしい。 ただ、井の中の蛙であっても幸せになれるケースとなれないケースがあり、前職で見聞きした事というのはまさしくそれだったと思う。 非常にわかりやすい例なので何度もネタとして擦ってしまうが、前職のお局というのはまさしく不幸な蛙だった。 卒業後就職した会社にそのまま20数年在籍し、名目だけながらも一応役職を与えられ、平均的な日本

          井の中の不幸な蛙と幸福な蛙

          靴磨きの少年たち

          最近の日本株の高騰について、新NISAの影響というのはほぼないらしいが、新NISAをきっかけに投資の世界に入ってきた人の中には、日本株の個別銘柄に目移りしている人もいるようだ。 一応、旧NISA時代からiDeCoとつみたてNISAに満額を入れてはいたのだが、新制度により年間上限40万から年間360万と大きく投資枠が広がったため、とりあえずもうあと数万積み上げるか…などと、新たな銘柄を探すようになった。 私も新NISAの狂乱に躍らされている一人なのだろう。 旧NISAでは当

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          人は「現在」に囚われる

          2007年ぐらいだったか、友人が派遣社員として働いていたのだが、その業界では派遣社員を使うのがメジャーであり、給与も正社員より高いのが慣例だったらしい。 私とは全く業界が違うのでそうした事情は知らなかったのだが「いつまでも派遣で安泰とは思えない。年を取る前に正社員になった方が良い」などと言った時に「お前はまるでわかってない。この業界では40過ぎても余裕で仕事に就けるし、派遣の方が給与も良いんだ」と笑って返された事があった。 しかしそこから1年後ぐらいには景気が悪化し、いつの

          人は「現在」に囚われる

          基本姿勢とアンガーマネジメント

          どうやらコロナに感染したらしく、どこへも行けずヒマになったため、こちらについての後日談も書いておく。 前職のお局だが、いびり倒していた相手がお局のいじめを理由に先月退職をし、ますます立場を悪くしているらしい。 おそらく定年前の「おつかれさま昇進」もこれでなくなった事だろう。 まだ若く、他社へ転職可能な後輩が退職し、いじめを告発されるというのは十分考えられる展開だったはずだが、彼女は何も考えていなかったのだろうか。 キャリアと同じく、その先を考えなかったのだ。思うがままに

          基本姿勢とアンガーマネジメント

          その後のアッパー系コミュ障

          これはまあ、私怨のようなものだが、その後の話を人伝に聞いたので書き留めておく。 しばらく続いたこの人(アッパー系コミュ障)のシリーズだが、案の定、危惧していた通りになったらしい。 彼女は現在、新たなターゲットを見つけ、じゃれ合う振りをして相手をディスるという嫌がらせ行為をしており、ターゲットにされた後輩は「彼女の嫌がらせがエスカレートするようであれば辞めたいと思う」と周囲に漏らしているという。 問題は後輩がその話を上司の誰にも相談しておらず、上司でありながら後輩から全く

          その後のアッパー系コミュ障

          階層の違う人

          私が勝手に「賢いマン」と心の中で呼んでいる人物がいるのだが、この人とは前々職で知り合った。 賢いマンは私が辞表を出した数日後にやってきたのだが、初対面の時に「関東に行けばもっと良い待遇の会社がいくらでもある」と言うので、「まあ、こちらに付き合いの長い友人もいるし、年齢的にも…」などと適当に答えていたところ、「遠方に住んだからって切れる縁なんて、放っておいても切れる」とアッサリ剛速球を放ってきたため、この人なかなかキレ者だな?と感じたのだった。 この人は、週3日は別の仕事をし

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          偏差値45~55の世界で

          自分自身について、しばしば「偏差値45~55の世界に生きている」という話をするのだが、これは自分の能力と周囲の環境の事であり、友人にその話をすると「まあ、そうだろうな」という反応なのだが、相手が同僚の場合は同意しつつもどこか不満げな顔をされる事がある。 おそらく「は?…私はもっと上ですが?」と自身を評価しているのだろうと思うが、もちろんそんな事は全くない。 もしそうなら、君はとっくにこの会社を飛び立っているはずだ……などというと、波風が立つので言わないでいるが。(このテの話を

          偏差値45~55の世界で

          「優秀な20代」が優秀なままでいられない理由

          今でこそそれなりに仕事人間になっていると思うが、社会人になって数年ぐらいは「正社員だろうがバイトだろうが同じ」ものだと考えており、「決まった時間拘束されるが、それを耐えればお金が貰える」という感覚で仕事をしていた。 それが変わったきっかけは、25歳で趣味に近い仕事に就いたためであり、なんの興味もない仕事だったならば、おそらく今でも同じ捉え方をしていたと思う。 ある程度規模のある会社ならば、毎年新卒採用をしていると思うのだが、だいたい毎年、今年は使えないだの〇〇は優秀だのとい

          「優秀な20代」が優秀なままでいられない理由

          靴磨きの少年と新NISA

          今年から新NISAが始まり、わずか1日で三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(通称オルカン)が1000億を集めたとかで随分と活況らしい。 その昔、はじめての人のための3000円投資生活を読んだ時は、敗者逆転のための抜け穴といった風情だったNISAだが、今や16%以上の人が加入しているそうで、似たり寄ったりの解説本も多数出版されるようになった。 イノベーターとアーリーアダプターは合わせて16%ほどとなるため、新NISAの施行によってアーリーマジョリティのラインまで達し

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