優秀な人材より無能な人材が選ばれる理由

前職の会社は、上から下まで普通の人だらけで、専務にしろ取締役にしろ、ただの社畜無能社員何かの間違いで役員になってしまったという風情だったのだが、ある時同僚に「いくらなんでももっとマシなのが本体に居るだろうに、何故あんなのを役員に据えているのか?」と話したところ、「本当に人材不足で他に任せられる人がいないらしい」と返ってきた。

本体には数千人の従業員がおり、いくら評判の悪いブラック企業といえども、名前だけはあるのだから彼らより優秀な者などそれなりにいるはずだ。
果たして本体もそこまで酷いのか?と疑問に思っていたのだが、最近気付いた事がある。

その会社の創業者は過去に性犯罪で捕まるほどアレな人だったが、上場企業ではないため今でも強い権力を持っており、何故かゴルフや旅行といった自分の娯楽に、毎月のように社員を付き合わせていた。(※社員は自腹)

前職の役員たちも頻繁に会長に付き合っており、度々不在にしているのを見て、とんでもなくアホな会社だと思っていたのだが、よくよく考えてみると、性犯罪の件で会長の周囲から人が去ってしまい、社員の他に誰も付き合ってくれる人が居なかったのだろう。

しかし、それは無能社員たちにとっては好機であり、会長にひたすら付き合い、自らの時間をこれでもかと捧げた結果、分不相応な待遇を得る事になった。
もちろん会長の遊びに付き合うにはそれなりにお金がかかるので、付き合わせるためのお金を与えるべく昇進させたという面もあっただろう。

優秀だが付き合ってくれない社員と、無能だが自らに献身的な社員であれば、孤独を埋めてくれる無能の方が良いに違いない。

だから「他に任せられる人がいなかった」のだ。

なお、前職の役員たちは、いずれもセクハラやパワハラで飛ばされた人ばかりだった。
本体に居座られると問題を起こすので困るのだが、居なくなられても困るので、グループ会社の役員という適当な椅子に座らせたのだろう。
彼らの能力が低い事を承知の上で。

お局が認められなかったのは女性だからという側面も間違いなくあるが、ワークライフバランスを重視するので、そうした付き合いには一切参加しないからだろう。
そもそもたいして優秀ではないのだから、本気で昇進を願うのならば、役員たちのように真の意味で社畜になるべきだったのだ。
それこそが様々なハンデを克服するほぼ唯一の手段だったと思うのだが、仮にその事に気付いたとしても、彼女は自分の時間の切り売りを決してしなかっただろうと思う。

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