ドラえもん 宝島の感想(2/3)

さて、

最初は夢を否定し、現実しか見ることのできないフロックでしたが、仲間を信じ、仲間のために行動するのび太の姿を見て、徐々に打ち解けていきます。

これがまさにのび太の魅力ですよね。人の心を動かし、人のいいところを見つけ、その人の抱える悩みや熱い思いを自然と語らせてしまう、それがのび太の才能だなあと改めて感じました。

ところで、今回の映画で個人的にすごく好きだったのが、のび太としずかちゃんそれぞれの惚気でした(笑)。

しずかちゃんの惚気は、セーラとの会話の中にありましたね。

「男の子ってどうしていつも意味のない意地を張るのかしら」「鼻からカルボナーラ食べるって言ったりするの」

と、はっきりとのび太のこととは言いませんが、誰が聞いてものび太のことですよね。

しずかちゃんにとっては、男の子というと一番にのび太のことが浮かぶんでしょうね。文句を言っているようですが、とても愛のある喋り方です。

一方でのび太の方は、崖の上からとても綺麗な景色を見たときに

「しずかちゃんにも見せてあげたかったなあ」

と呟きます。これもとても素敵なセリフですよね。綺麗な景色を見たときに、やはり好きな人の顔が浮かぶんですね。


ところでのび太のフロックの会話の中で、また親子(家族)のあり方、特に父と息子のあり方について考えさせられます。

実はのび太が家出をした時って、後ろを見て父親が玄関のところまで追いかけて来てくれているか確認しているんですよね。

さらに、「パパと争うなんて、僕だったらいやだから」というセリフからも分かるように、子供は構って欲しい、自分の味方でいてほしいという気持ちが必ずあるんだと思います。

矛盾しているようですが、子供は、親がきちんと自分のことを見てくれているから、親から離れようとしたり、反抗しようとしたりできるんだと思います。

そうじゃない限りは、たくさんの寂しさを抱えているはずです。

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