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完璧じゃなくったっていい。20代で得た「英語」という手札と、やりたいことを全力でやる力。

「フリーランスをしながらどこでも働ける生活をする」

24歳。働き始める前に漠然と思い描いていたことだった。


団体行動は苦手。友達は好きだけど学校は苦手。きっと会社も苦手。自由に生きたい。世界に出たい。

そんな私が20代の目標として掲げたことが、30歳で独立すること。


2019年、29歳を目前にして会社を退職。フリーランスとなった。目下の目標は、ヨーロッパで働いてビザを得ること。「世界中どこでも働ける力」を得ること。この「どこでも」は、ノマドに限らず海外の現地企業も含めて、という意味である。今はまだノマドの段階。一歩を踏み出したばかりだ。まだまだ1年目、2年後3年後どうしているかはわからない。


どのようにフリーランスになったのか? なぜワーホリをしているのか?

を書こうと思ったのだが長くなってしまったので、この記事では私の20代前半のキャリアに焦点をあてることにする。


何が言いたいかというと

1. 英語はチャンスを世界に広げるツールなので手札で持っておけ

2. 人生何が起こるかわからないので、周りは気にせずとりあえず自分がやりたいことをやっておけ

という話である。


お金がない、学力が足りない。それで諦めるのはもったいないものがありすぎるので、色んな可能性を探ってみると、案外解決策はそのへんに落ちている、かもしれない。


学生さん、新卒の方、第二新卒の方の1つの選択肢として、参考になればと思う。


就職する前に持つ「英語を道具として使える」という手札

就職活動でも転職活動でもフリーランスでも、先方の希望と自分の手札がマッチして初めて土俵に乗る。


当時の私は、思い描いていた自分と比較して、持ち札不足と判断した。

大学在学中に、みんなと同じ時期に就職活動をすることを「就活」と定義するのであれば、就活も全くしていない。


「就活」はしない!アメリカの大学に留学する!

これは、大学入学当初から、ことあるごとに親に宣言していたことだ。


幼少期から夢だった「アメリカの大学に進学をする」という選択。英語を道具として使えるようにする、という手札は、自分のキャリアプランとして最低限必須だった。


大学留学においての大きな壁は、お金と英語力。


私にはどっちも足りなかった。TOEFLの最高点は51。(たぶん)

特に、TOEFLの点数が伸びないことは、大学4年間で致命的な悩みだった。(といっても、よくある「血がにじむほどの努力」はしてない)


最終的に取った手段は、安い留学会社を経由して、なるべく奨学金がもらえる大学に留学すること。


ちゃんと「苦労」をしなかったので、以下の長所・短所が残ったまま、大学編入という形でアメリカに赴くことになる。


<Good point>

・そこそこ話せる(コミュニケーション能力は高い方)

・リスニングもそこそこ得意

・現地に行けばできるという無駄な自信に満ち溢れている


<Weak point>

・教科としての英語が苦手。(特に文法が破滅的にできない)

・無駄な自信がある分、日本での英語の勉強を軽視しがち


ちなみに、働き始めてから英語をできるようになるより、大学生までに、もしくは就職を遅らせても働き始める前にできるようになった方が、楽だ。英語という手札があるので、新卒の何もできない時でも役に立つ機会があり、その分チャンスも回ってきやすい。


TOEFLが足りなくてもGPA4.0は取れる。やる気次第では。

結論から言うと、「わからないことは聞く」「積極的な姿勢を見せる」「予習復習はしっかりやる」この3点ができれば、特にTOEFLが低くても引け目に感じることはない。

事実、私は留学生活1年間、全ての教科でA、GPAは4.0だった。1年目だから簡単、ということもあるが。


日本人は前半2つが控えめなことが多い。が、海外ではこの2つがかなり重要だ。


具体的に行ったことは、

・席はなるべく前を取る

・授業中の発言は積極的に(間違えても良い)

・自分はできる人間だと思い込んで周りにもそう見られる努力をする(特にプレゼン)

・わからないことがあったら理解できるまで先生に聞く(ついでに仲良くなる)

・もし留学生の勉強をサポートする制度があれば、積極的に活用する(私の場合、レポートは必ずネイティブチェックをしてもらってから提出していた)

・もし音楽やスポーツで得意なものがあれば、そのクラスを取る(日本人の「得意」なレベルは一般的には相当高いレベルだと思われる。1つでも自信を持てるものがあると、精神的に楽)


成績だけ見るとそこそこ順風満帆な大学編入だったと思う。が、私は1年でアメリカ生活を終えた。


アメリカに行って気づいた日本の良さ。

あれだけ行きたかった留学を1年でやめた理由は「アメリカに行って、初めて日本が好きになった」から。


幼少期から海外に憧れていた。

そもそも、名前が「Elena」。学校にはなじめない。日本になじめない=海外に向いている、と、ずっと感じていたし、周りからも言われていた。


ハリウッド映画が好きだった分、アメリカに相当な憧れを抱き、何も疑わずに決めていた留学だった。他の国には見向きもしなかった。


が、留学前に、日本を知ろう!という軽い気持ちで観た宝塚で、人生が変わる。


正直、初見はみんな同じ顔に見えたし、「ふーん」という感想だった。(もちろんかっこよかったけど)

何事も、詳しくなった方が奥深く味わえるので、楽しい。それを知っていた私は、宝塚を観た後、宝塚ファンの友達に教わりながら、謎の猛勉強をした。


宝塚にハマるのは簡単だ。


好きになる素材(生徒さん)は350-400人、公式の雑誌は2冊、1日中宝塚のことを放映しているCS放送、生徒とほぼ同数の非公式ファンクラブ、ファンのコミュニティ、一方的に恋をできる楽しさ。

というわけで、留学が決まってから観始めたにもかかわらず、1年後の出国のころには一気にディープなファンになっていった。


留学先も、International developmentからTheater Managementが充実している大学に変更。もちろん専攻も変更した。


あれだけ海外に出たかったのに、宝塚に恋したおかげで後ろ髪をひかれながら出国。


半年後、観劇するために一時帰国。(もちろん親には内緒)

一度日本を離れてみた結果、日本の良さもわかった。おいしいごはん。東京という便利でなんでも手に入る土地。大好きな宝塚。日本の友達の大切さ。


そういう事情で、日本から約1万キロのアメリカにいることが耐えられず、アメリカ留学は1年で終了。台湾の大学院の進学準備を進めた。


一応、理性的な理由も記載しておく。

<なぜアメリカの大学から離れたのか?>

・日本の学部を卒業した後で海外の学部に編入するのは、案外物足りない。2-3年は長い

※もし学部卒業→卒業し直し(俗にいう学部ロンダリング)をするのであれば、よほどの覚悟をもっていくことをおすすめする(単位持っていったので、一般教養は半分ほど免除だとしても)

・英語の世界の中でもshow businessはお金と時間の面で厳しいのに、非ネイティブの自分がやっていける自信がなかった

・安い大学(田舎)だったのと免許がなかったので、行きたいところに好きなように行けなかった(東京育ちの都会っ子)

・ピザとハンバーガーが好きじゃななかった(ポテトチップスも興味ない)

・良い点は、そこで得た友人やコミュニティは、人生にとっても大切な友人となること


<なぜ台湾なのか?>

・宝塚が台湾進出を強めていた。台湾の大学院で勉強することで「宝塚を海外に広める」という「やりたいこと」を実現できそうな気がした

・アジアで「東アジアの文化や社会、歴史の比較」を勉強したかった

・英語で学べる大学院の中で、台湾は安い。比較的合格しやすい。奨学金も得やすい(たぶん)

・留学先で仲良くなった子のほとんどは台湾出身だった

・いやぁ。楽しいよね、日本。アジア最高!ご飯最高!


人生初のニート。好きなことを全力でやると世界が変わる。人生が変わる。

9月から台湾の大学院に進学予定だった夏休み、日本に一時帰国したときから人生がかわった。


単なる宝塚ファンから、ファンクラブの運営スタッフへ。マーケ用語っぽく言うと、究極のファンコミュニティのマネージメントである。


人生初の、ニートという選択。


それまでの人生で、ニートなんて経験はもちろんなかったし、選択肢にもなかった。勢いとタイミング。自分の意志でニートを選んだ。


単に「好き」という理由よりも、内部の仕組みに興味があった。また、そのコミュニティの雰囲気や人が好きだった。


細かいことは省くが、約1年間、好きなことを思いっきりやる、というのは、本当に楽しかった。もちろんキャリア的に不安なこともあったが「こんな面白い経験をしてマイナスになるなんて、そんなことある?」くらいの強気な姿勢だった。

その前の留学で、ある程度英語にも慣れていたところも自信の裏付けになっていた。

どんな経験でも、キャリアのプラスになる。

やったことを棚卸して、何が得られたのか、自分は何が好きなのか、向いているのか、やりたくないのか、苦手なのか、分析をすると良い。


ちなみに、今振り返ってみても、このスタッフ経験がキャリアにマイナスになったことは全くない。むしろプラスになっている。


やりたいことがあって、キャリア的に不安だったり「普通のレール」じゃないことに不安を感じている人がいれば、とりあえずはやってみることをおすすめする。


その代わり、取り組むときは全力で。得たものについて棚卸をする。そうしたら、絶対にプラスの経験にしかならない。


[総括]1年の留学と1年のニート生活:英語を話すのを普通にする習慣をつける。やりたいことを全力でやる。

TOEFL 51だったし1年しか留学してなくても、言葉は使っていると慣れて出てくる。英語を使えるようになる手段は、留学だけじゃない。ワーホリでもいい、パートナーを作る、タンデムでもいい。ただ、日常的に使うのを「普通」にするだけ。

私は仕事で英語を使うし、コミュニケーションにもほぼ不自由がない。どこに行っても言語の差でつまづくことはあまりなく、カルチャーショックもあまり受けないのは、海外で生活する上でのアドバンテージになっている。

海外の求人を視野にいれると、チャンスは世界に広がる。


あとは、人生の中で一貫性がなかったとしても、やりたいことはやっておくと良い。その代わり、やるなら全力で。その時の経験は、人生にきっと幅を持たせてくれるはず。他人にわかりづらいレールについては、棚卸を忘れずに。

いつもありがとうございます。今日も素敵な1日が、明日も素敵な1日が…毎日の日々がかけがえのない1日になりますように☆