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誰にお願いされたわけでもない公演

世の中にはエンターテイメントなものが溢れているじゃないですか?もはや、携帯だけでもさまざまなエンタメに触れることができるし、なんかわざわざアンダーグランドなマニアックなものを、探して、限られた場所、時間にしか見れない、聴けないものを感じて楽しむなんてことしなくても(まあ、その「マニアックなものをわざわざ探す」という行為を楽しむ、という考え方の人もいるとは思いますが。)とてもレベルの高いコンテンツは世の中に溢れている。

そんな中、もちろん仕事として音楽を人前で演奏するということ自体は何ら問題ないのですが、自分のレーベルがインディレーベルというのもあり、いわゆるアマチュアの公演の企画をすることが多いいのですよね。そうなると、そもそも必要とされているところに音楽を提供する企画と違って、その公演がなくても誰も困らないところに無理やり演奏の機会を作るのですよ。よく聞く、アングラ劇団が団員みんなでチケット売り捌いて友人知人をかき集めて何とか公演を開催する。みたいな。

もちろんそういうところからファンが増えていき、大きな劇団になるということもあるでしょうし、まあ今回は作品の中身や、それによって魅了される人々、とかそういう話じゃなくて、、、、

「誰にお願いされたわけでもない公演」

これなんですよ、これ。自分も2024年2月23日のお昼に渋谷7thFloorにてELEKIBASSのワンマン(単独公演)を企画しました。通常、ワンマンというと、作品をリリースした記念とか(通称:レコ発)、活動何周年!、とかツアーファイナル公演、とかなんか旗印みたいなものが必要じゃないですか(厳密に必要かどうかはまた別の話ですが)、何というか大義名分ですよね、いわゆる。うん、ある方がいい、大義名分。祝い事みたいなもんだ、一応参加しやすいもん。「誕生日おめでとう!」とか「活動20周年おめでとう」とかね。

で、今回それがないんですよ、、、じゃあ何でやるのかい?っつーとですね、、
新曲を作りたかったんですよね。そう新曲を。
「勝手に作れよ、知らんし」
と自分でも思うんですが、3曲ほどふんわり固めたい新曲があったのですが、いつまで経ってもかたまらずに時間だけが過ぎていく、これは人前に披露する機会を作って無理やりにでも完成に持っていかなきゃ物事進まないぞーと思ったのです。
そう、完全に自分の都合なんですよ。

最初に触れてた、「誰にお願いされたわけでもない新曲」を作るために、「誰にお願いされたわけでもない公演」を開催するのです。

ええ、なかなかお客さんのことを全く考えていない理由ですよね。自分のため、そう完全に自分のためなんです。さらに新曲に関していうと、、

個人的によくMCとかで「次の曲は新曲です。」とか言って「わー、きゃー!」なんて声が上がる場面を見かけますが、僕は「新曲」と聞くと練習不足(か、どうかはわからんが、自分に関してはそこは頑張れ)でまだまだ演奏もアレンジも固まりきれていない、しかもほぼ全員が初めて聞く曲という感じで、あまりテンションあがったことがないんですよ、新曲だよ?、すでにリリースされてて、その中でも自分の聴きたい曲の方が嬉しくない?何で新曲でわーってなるの?おかしくない?

とか思っている人間なんで、尚更、

「誰にお願いされたわけでもない新曲」を作るために、「誰にお願いされたわけでもない公演」で、「特に自分がお客さんだったらテンションあがるわけでもない新曲」を披露するんですよ。

もう、おかしくないですか?、それ、やる意味あります?

でもね、、、、

やるしかないんですよ。不思議なんですよね。本当に不思議なんですが、「次の曲、新曲です」と言われて聴いて、その曲がよかった時って、なんか「一番最初に発見したの俺だぞ」感も相まってか、なんかその先にこのバンドに未知の体験を感じさせてくれるんじゃないか?なんてワクワクが起こったりするんですよね。

「誰にお願いされたわけじゃない」ってそんなこと言ったら世の中、大半のものが誰かにお願いされたものではないものの方が実は多くて、椅子取りゲームみたいにいろんなものがあなたの有限な時間や興味を奪っているわけですから(この文章を読んでいる人がいれば、その時間、興味を僕が少しだけ奪ったということになる)、「お願いされてやる公演」ではなく「自分がやりたい公演」あなたの心の椅子(時間なのか興味なのか)を取らせてくださいという公演とも考えられるわけですよ。

さらに、単独公演はリハーサルの時間も、客入れ、客だしも含めて全てに余裕があり、そのバンドをゆっくりと楽しめる公演で、少しでも興味があるバンドなら、もちろん大義名分なんてなくても全然嬉しい。特に90分ぐらいのボリュームの公演は集中力も拘束時間もあわせて、その日に他のこともできるし、とてもいいんですよ。

これは要は、、

「少しでもELEKIBASSに興味がある人に優しい」、「あなたの人生に新しいワクワクを与えてくれるかもしれない新曲を披露」する、「何よりもELEKIBASS本人が望んだ」公演

という、ことなんですよね。

あら?物は言いよう。笑

だけど、本当に思うんですがこんな世の中ですから(どんな?)、やんなきゃただただ埋もれていくだけだと思うんですよ、埋もれたっていいし、とっくに埋もれているんだけど、それでも、自分はここにいるぞ、自分の音楽はここだ、ここにある、と叫び続けるしかないのかなと。

まあ偉そうに改めて書くことでもありませんが、単独公演に向けての所信表明
ということで。なんか自分の優秀じゃないところも含めて愛せるようになってきた気がしていて、そんなELEKIBASSのお昼のワンマン、本当にお気軽に遊びに来てくださいませ。もはや音楽シーンが、とかプロとはなんぞ?とか、そういうのじゃなく、ああ、この人ってこういう人なのね、というのが見ている人に届けば嬉しいです。




2024/02/23 (金・祝)渋谷7thFloor
「ELEKIBASS TOKYOTOWN LIVE 2024」

Open 12:30
Start 13:00

Adv.3,500+1drink
Day.4,000+1drink

LIVE:ELEKIBASS

【メンバー】
坂本陽一 (Vocal, Guitars)
亀田”JP”淳平 (Guitars)
三沢マサノリ (Keyboards)
高宮博史 (Bass)
菅田典幸 (Drums)
入江拓也 (Saxophones)
並木万実 (Trombone)
中村竜(Guitars,Percussion, Vocal)

【チケット】
プレイガイド:ZAIKO:https://waikikirecord.zaiko.io/buy/1w8R:xSY:da0e3

メール予約(waikikirecord@gmail.com
【*イベント名、お名前、枚数、を記載くださいませ】
入場順:プレイガイド(zaiko)>メール予約(先着順)




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