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14:カルチャーショック

エピソードその① 指をひくひくさせて俺を手招きした7歳の坊や
 

エピソードその①
侍の国日本からやって来た23歳の成人男性である私に対して、7歳になったばかりの男の子が「Hey! Kenji, come over here!」と手のひらを天井に向けて人差し指を突き出し、それを彼自身の方へピクピクと曲げて呼びました。さらに、私のファーストネームを呼び捨てにし、Pleaseも付けずに命令してきたのです。頭に来ましたね。あとで分ることですが、こんなの北米の常識でした。
 
エピソード①の付録
自分のボスに対して彼のファーストネームを呼び捨てにすることには最後まで抵抗がありました。同僚たちの名前は当たり前のように呼び捨てできたのに。ボスの名前は、Carl Morris。 彼からはいつも「Call me, Carl.」と言われていたのに。苦肉の策として「Carl san」と「さん」付けで呼ぶことにしました。 この方法でだいぶ気が楽になったとともに彼との距離も近づいた。 日本人にはこれが馴染むかな?
 
エピソードその②
1日働いただけで、翌日からプロのような発言をする人がいます。全員がそうとは言いませんが、北米の場合、奥ゆかしさがほぼゼロの人が多いです。とにかく話は上手で、ものの言い方も単刀直入で歯切れがいいのです。その点、日本人だと10年以上の経験者であっても、ちょっとでも問題が発生した時など「まだまだ経験不足で申し訳ありません。」と謝ります(実際、これにも驚かされます)。 そんな人々と同じマーケットや社会で対戦していかなければならない日本人、遠慮はあまりいい結果を生まないよ!  がんばれ!
 
エピソードその③
相手の気づかいを感じてくれないことが多いです。テニスの試合をしているとき、相手があまりにも下手なのでかわいそうだと思い手を抜いた結果、3ゲームのうち1ゲームを失ったことがあります。そうすると彼は鬼の首を取ったかのように「○○○○に勝ったぞ!」と会う人会う人に言いふらしました。スポーツの時の思いやりは絶対にやってはいけないと覚悟しました。商売上ではなおさら。
 
エピソードその④
外堀を埋めて良く論法は厳禁です。日本的な、相手の立場を尊重しながら傷つけないように周りの状況から説明してゆくと、2分後には皆貧乏ゆすりをはじめ、4分後には顔が紅潮してきて、5分後には「What's the point!」と合唱してきます。相手の立場ばかり気にしながらの論法では、彼の国では通じないということです。思いやりをはねのけて相手の心臓めがけて一直線な表現こそ成功の秘訣だと感じました。それを実践することで、会議や商談においてかなりの成績を上げました。 
 
結論
結論から言うと、英語圏では遠慮は百害あって一利なしです!主語+動詞を真っ先に言うことで、単刀直入さが生まれます。これが成功への技でしょうね。従って、主語+動詞でこの世は渡れると日本人の皆さんに伝えてます。
 
但し書き: 聖書には、「俺が俺が」と前へ出るのではなく、後ろの席に奥ゆかしく座っていて、「前へどうぞ」と言われるほうがはるかに賢いと書かれていた箇所があったと思う。しかし、今の欧米人を見ていると、その教えが正しいのかどうか、不確かになってきました。

番外編:
北米で知り合いのカナダ人夫婦とゴルフを午後からしたとき、「何もないけど、我が家で夕食でも一緒にどう? パンケーキとベーコンに目玉焼きぐらいはできるよ。」と誘われた。OKと返事をして彼らの家へ行ったとき、冗談だろうと思っていた朝食メニューそのものが出てきた。有難かったけど驚いた。 日本じゃ、お客様を招待すると必要以上に豪華な料理が出すのにね。


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