Socialiste 選挙分析

ヨーロッパ、カナダ、日本の選挙について政局や政策ではなく、議席数や支持率など数字の観点…

Socialiste 選挙分析

ヨーロッパ、カナダ、日本の選挙について政局や政策ではなく、議席数や支持率など数字の観点から分析していきます。また、選挙に加えて関連する世論調査についても扱っていきます。

最近の記事

左傾化するストックホルム

1.導入ストックホルムはスウェーデンの首都である。ストックホルムは伝統的に右派が強く、「都市部は左派が強い」という欧米の傾向と真っ向から対立している。全国的に社民党など左派政党が圧勝した際も、ストックホルムとその周辺だけは右派が優勢であることもざらにあった。しかし今、そんなストックホルムで変化が起こっている。右派優勢だったはずのストックホルムで左派政党が支持を伸ばしてきているのだ。今回はそんなストックホルムの変化について過去の選挙結果をもとに読み解いていきたい。 2.左傾化

    • 海外の「選挙ブースト」を追う -フィンランド編-

      海外の「選挙ブースト」みらい選挙プロジェクトのはる氏によると、「選挙ブースト」とは「国政選挙の公示から投開票に前後して政党支持率が急上昇する現象」と定義されます。実際、日本の国政選挙の選挙期間中、もしくは選挙直後の政党支持率を見てみると大きな動きが見られることが分かります。私はもともと日本の選挙に興味を持つ前から特に欧州を中心とした海外の選挙の方に興味を持っていて、約2年前から欧州各国とカナダの政党支持率の動きを追い続けています。私が初めて「選挙ブースト」という単語を知った時

      • 立憲民主党 選挙区地図 (2019年2月時点)

        立憲民主党と立憲会派所属の無所属の選挙区について当選可能性別に色分けした地図を公開します。色分けについては以下のようになっています。 濃い青: ほぼ確実に選挙区当選できる選挙区 青: 選挙区当選が期待できる選挙区 薄い青: 接戦が予想される選挙区 赤: 選挙区当選が厳しい選挙区 濃い赤: 選挙区当選がほぼ不可能な選挙区 この地図から分かることは ・どこ選挙区に立憲候補、あるいは立憲会派の無所属候補がいるのか ・立憲候補の選挙区当選の見込み です。 なお、これらの地図は20

        • 混沌としたスウェーデン政治

          スウェーデンでは今年9月9日に総選挙が実施されました。総選挙の結果、社民党が議席を減らしながらも第一党を死守した一方で極右政党のスウェーデン民主党が躍進しました。ところが、総選挙から3か月以上たった今も連立協議が続いており、次期首相が誰になるか、どの政党とどの政党が連立を組むかもまだ決まっていません。連立協議に時間がかかるのは比例制を導入している多党制の国ではよくあることですが、小選挙区制の日本に住んでいると理解するのが難しいかもしれません。そこで、今回は一体スウェーデンで何

        左傾化するストックホルム

          最強の社民王国 マルタ

          ヨーロッパ政治において極右の台頭と並んでよく言われるのが「社民の衰退」です。ドイツSPD、フランス社会党、イタリア民主党、オランダ労働党などがその例です。これらの政党はいずれも直近の選挙で大きく議席を減らしました。以下にこれらの政党の前々回の選挙における得票率と前回(つまり直近)の選挙における得票率を示しました。 ドイツSPD 2013年 25.7% → 2017年 20.5% フランス社会党 2012年 29.4% → 2017年 9.5% イタリア民主党 2013

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