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レズビアンが婦人科に入院した話


※長いです

鐘の鳴る丘からこんにちは。丘江です。
このヴィジュアル系の丘からお送りシリーズもそろそろネタが尽きてきそうだなーと思っているので、なにか考えないといけませんね笑。

今回のnoteの題材ですが、5年ほど前の記憶でおぼろげではありますが、婦人科に入院したときのことを残しておこうかなと思い、書きました。参考になるかはわからないのですが、誰かしらの参考になると嬉しいです。
なぜかというと、この手術の際に困ったことや辛いことが多く、参考になればと色々調べていたときにレズビアンの人が婦人科の手術をした記録を知りたいのに、出てくるのはレズビアン婦人科もののアダルトビデオの情報ばかりだったからです。私はヘテロ女性ですら行きたくない婦人科に、さらに自分の性志向がいかに一般女性と違っているかを思い知らされる、また異性愛を前提に診察をされたり治療をされる、そんな可能性の恐怖に向き合おうと思ったのになんでや。(レズビアンに興奮する方は全然悪くないです。実際にそれをレズビアンに直接告げるのはぜったいダメですが、性癖は多種多様なので非難しているわけではありません、ただし犯罪行為を実行したり実際に人権を侵害するのはだめです)FTMやFTXの方にもなんとなく参考になるかもしれないので気軽に読んでいただけると嬉しいです。


私について
当時20代前半
レズビアン
男性経験なし
男性器を彷彿とさせるものを関わらせての性行為に生理的嫌悪感あり
会社員
家族の中で姉にのみカミングアウト済み



経緯


さて、私が手術することになった経緯としては、生理痛がひどすぎる、しかもただでさえ酷いのに年々ひどくなっているので病院に行ったら見つかった、というシンプルなものです。
しかも、私はレズビアンということもあり婦人科(私には【産】というのは余程の努力をしないかぎりほぼ不可能なので、産婦人科というのはつらいので今回はこう呼びます)がとりわけ敷居が高く思えて、しかも生理痛はみんな酷いのを我慢しているから自分もおかしくないのだと思いこんでいたため、どんなに倒れるほど酷くても婦人科にいけという周りのすすめも聞かず過ごしており、病気がどんどん進行していたのです。
そんな私が婦人科に行こうと思ったのは、「ピルを飲んだら生理痛が軽くなったよ!」という話を聞いたからです。それまで性教育ではピル=避妊としか教えられておらず、男性との性行為に恐怖や違和感を感じる私にとっては全く縁のないものだと思っていました。ですがピルは薬局で買えるものではありません。婦人科に行かなければならず、しかしもうこんなにひどい生理痛に付き合っていられないので、仕方なく婦人科に行くことにしました。

手術した病気について

見つかった病気は子宮内膜症と、卵巣に古い血がたまる卵巣チョコレート嚢腫、子宮筋腫、さらに子宮内膜症が進行し、子宮の筋肉に入り込んで激痛を引き起こす子宮腺筋症という病気でした。
卵巣チョコレート嚢腫は小さければピルを飲んで経過をまったりするのですが、私の場合は9センチになっていたため、いつ卵管が捻転したり卵巣嚢腫が破裂するかわからない状態だったそうです。お医者様のお話によると、卵巣嚢腫が7センチ以上ある方は誰もが捻転と破裂の危険性が高いため、おおかた手術することになってしまうと言われました。

最初の診察
まず、最初に婦人科に行ったとき、問診票にある「性交渉経験の有無」というのに悩みました。同性同士でのみ経験ありの場合はどうしたらいいんだろうと思いましたが、おそらくこれはきっと内診等で膣に器具を入れる際に気を使われるのだろうと考え、最初はなしに丸をつけました。

診察をしてくださったのは優しそうなおじいちゃん先生でした。なお、この先生に特に自分のセクシャリティは話してはいません。今日はどうされましたか?と聞かれたので生理痛が酷いと伝えたところ「それは年々酷くなっていると感じますか?」と質問されました。すると、「年々酷くなっているということは、内膜症かもしれない」と言われ、エコーで見てみましょうと言われました。ここで、やだなあ〜超音波?そんな大袈裟な!器具突っ込まれるほどのものじゃないよきっと!と一瞬思いましたが、先生は「問診票の1番最後の項目にいいえがついているから、お腹の上から超音波で見ましょうね」と配慮してくださいました。
このとき、性交渉の経験がないのでと声に出すのではなく、問診票の最後の項目という表現で言ってくださったのは本当にありがたいと思いました。私はレズビアンなことを言いませんでしたが心の中では「男性器を膣に挿入しない性交渉は性交渉じゃないの?」とどす黒いものを抱えていましたし、色々な価値観のすり込みで性交渉経験なし=恥ずかしいと思っている女性は多いので、その経験についてわざわざ声に出さないご配慮はきっと色々な方に喜ばれるのではと思いました。

見ていただいた結果、先生の声色が固い印象になったのを覚えています。突然、「丘江さん、これ、手術が必要ですよ」と言われかなり驚きました。え?ピルもらいに来ただけなのに?手術?なんで?とパニックになりそうでした。
先生が4枚の紙芝居のようなものを持ってきて、子宮内膜症であることと、その進行状態について説明をしてくれたのですが、4枚目が、子宮はまるで怒ったナウシカのオームみたいに赤黒い血豆だらけで、繭のようになった卵巣からチョコレートのようなものが溶けだしている図でした。私は思わず「うわー!気持ち悪〜!」と言ってしまいましたが先生が「残念ながら、この4枚目があなたのお腹の中の状態です」と言った瞬間頭が真っ白になりました。
これはできるだけ早く大きな病院で手術をしなければいけない、紹介状を書くので、手術をしてもらいましょうとおっしゃり
紹介状を書き始めました。そこから確か実家から近いところだとここ、とおすすめされて大きな病院にうつることとなりました。このときに、ピルを飲むことで経血の量を抑え、嚢腫の進行を食い止められるので、ピルを処方されたと記憶しています。

2回目の通院

2回目は母が一緒に来てくれるとのことで、母と一緒に行きました。母には私がレズビアンであることは言っていないので、このとき先生には言えませんでした。
この病院は、他の科も沢山あり、隣接していたので色々な人がたくさんおり、特に気に病むことはありませんでした。
初診なので問診票を書かされましたが、また最後の項目は性交渉の有無という表現でした。これはどの行為が性交渉とみなされますか?と質問したかったですが母がいたのでやめました。これ、もしかするとヘテロの女性も付き添い人の隣で書くの恥ずかしいかもしれませんね。さすがに内診のときは付き添いがないので、内診前に付き添い人が席を外すときに質問するということもできるかと思いました。
先生は40代くらいの男性でした。私は女性しか性の対象として見れないため、逆に異性の婦人科医のほうが恥ずかしくないと思いました。前回のように経腹エコーを期待していましたが、性交渉なしなのでお尻からエコー器具を挿入しますと言われました。

もんんんのすごい痛かった!!

私はBLも好きでよく読んだりゲームもするのですが、しばらく大好きなBLの18禁を見たくないなと思いました!
出てくる時もなんかずろぉ…として気持ち悪かったです。器具をぐりぐりされる時にとんでもなく痛いです。先生は私の子宮の様子をこれは痛そうだなあと心底同情している様子でした。このとき筋腫も見つかりました。
結論としてはやはり手術が必要とのことと、手術には2種類あり、
腹腔鏡というお腹に小さな穴をあけて手術する、体に負担が少なく、入院日数が少ない手術
開腹でお腹を切る、入院日数が2週間越えをする手術
だが、腹腔鏡は予定がたくさんはいっているため、空きがでるのが半年後と言われました。
私は、半年間婦人科のことを考えたりするのが嫌だなあと思ったので、リスクが大きいけどすぐに手術ができる開腹手術にしました。
しかし、この病院にすると実家から1番近い手術できる病院とはいえども、実家からわりと遠いため、家族に迷惑をかけると思ったのでダメもとでほかに近い日程で手術できる病院を探してもらったところ、姉の職場から自転車で5分ほどの病院が見つかり、姉に連絡を取ったところ会社の昼休みや帰りに寄れるとのことだったので、紹介状を書いてもらい、手術はその第3の病院ですることにしました。

第3の病院

手術を担当するお医者様にかかる必要があるため、入院前に何回かこの病院に行きました。お産が有名だったらしく、幸せそうな妊婦さんがたくさんおり、実はこの人たちは私が欲しくても手に入らないものを2つも持っているんだなあと、羨ましくなり、そんな嫉妬してしまう自分も嫌だなあと思いつらい気持ちになりました。
最初の受診は付き添いがいなかったため、「この性交渉は具体的に何が当てはまりますか?」と聞いてみたところ、内診の有無を決めるため、男性器の挿入を基本的に指すけれど、粘膜と性器の接触で病気が感染するため、挿入以外に性行為と思われるものが思い浮かんだら念の為聞きたいと言われました。男性器の挿入はなし、と濁した書き方をしましたが、女医さんだったためなんとなく気まずくてレズビアンとは言えませんでした。
MRIも取るようにと言われたのでここで取りましたが、ここで子宮腺筋症が見つかりました。MRI、閉所恐怖症の方には辛いのだろうなと思いました。ただ、見つかっても卵巣嚢腫と筋腫はとることが出来るが子宮腺筋症を治すには子宮を摘出するしかないと言われました。私としては子宮摘出でも全く良かったのですが、先生が子供を産むためにも残さないと…という方針でしたし、ここで子宮を取ると親へのカミングアウトもしないと説得ができないと思い、子宮と卵巣がないと更年期障害が起きるから、と自分に言い聞かせて残すことにしました。

病院を3箇所受診して辛かったこと

やはり性交渉の有無という設問は1番困りました。私にとってのセックスが頭ごなしに否定されている感じがしましたし、お前は普通の恋愛をしていないんだぞ、というのを突きつけられているようで辛かったです。
また、妊娠の予定や結婚の予定についての話も辛かったです。私は、よほどの努力をしないと子供を授かることはできませんし、愛する人ができたとしても、100パーセントその人と私の遺伝子を混ぜ合わた子供が生まれてくる事はありません。ですが、自分が男性といつか結婚して子供を産むこと前提に話をすすめられるのがつたかったですし、自分が悩んでいるセクシャリティについて目を背けたいのに突きつけられているような感覚を味わいました。
ですが、正直このふたつについてはお医者様もエスパーでは無いので、察することは不可能です。ですので、色々婦人科医の方のブログやYouTubeを見て思いましたが、事前に自分にとって不安なことなどをまとめて書いておき、問診票と一緒にお渡しすることであらかじめこういった不快な思いは回避できるのではと思います。

あとはやはり、幸せそうな妊婦さんがたくさんいる中に1人放り込まれるのは辛かったです。私ですらこんなに辛いのに、自身の体が女性だと思い知らされるFTMの方、FTXの方はもっと辛いだろうなあと思いました。妊婦さんや付き添いの旦那さんをみて、私なんかこんなに辛い生理痛に耐えて病気にまでなったのになんのメリットもなく結婚もできずに孫を親に見せられずに死んでいくんだなあととにかく羨ましい気持ちと絶望を覚えましたし、せっかく人が幸せそうなのに、汚い感情を持ってしまう自分もいやで、この病院で受診をするときは、必ずカッターを持っていってトイレでリストカットしてから行っているほど当時は辛かったです。妊婦さんは全然悪くないです!未来の日本国民の仲間が生まれるのは喜ばしいことです。ですが性犯罪の被害にあった人や、不妊治療をしている人、セクシャルマイノリティ、がんの人、中絶をするひとなど色々な人がいる、生と死、喜びと絶望、光と闇の科なので、待合室に配慮があるといいと思いました。


入院したときの持ち物


ここからは入院したときのことについて書いていきます。
私は色々と下調べして以下のものを持っていきました。
・前開きのワンピース型パジャマ
・ルームフレングランス
・キャラクターもののタオル
・カナル型イヤホン
・ぬいぐるみ
・携帯ゲーム機(ポケモン、モンハン)
・お風呂セット
・ランチバッグ
・ふりかけセット
前開きのパジャマについては、洗濯のことがあるため何枚か持っていきました。なぜ前開きかというと傷口を診察してもらうのに便利なためです。またワンピースなのはズボンのゴムが傷口の邪魔になるかと考えたためです。あと個人的に少しでも面白いほうがいいので、形から入ってガチ感を出すため浴衣型のパジャマを持っていきサイドテールの髪型でメイとサツキのお母さんスタイルに挑戦してみました。
タオルやルームフレグランスなどは少しでも家の状態に近づけてリラックスするためです。入院したのは団体部屋だったのですが、カーテンの仕切りからもれない程度に枕にタオルを巻いたものにフレグランスをつけていました。あと暇つぶしに持っていったモンハンとポケモンはかなり役に立ちました。
カナル型イヤホンは、隣のベッドの方がクチャラーだったのでご飯中や、同室の人のお見舞いがデイルームでなくベッドで始まってしまったときにとても役にたちました。
あとはランチバッグは病院内をうろうろするのに使いました。リハビリで歩かされるので、貴重品を念の為入れていました。(ベッドに金庫はあるのですが、鍵を無くしそうで怖かったため財布を持ち歩きました)
ふりかけは、白米に飽きることがないように用意しましたが、なかなか楽しく食事ができたので持って行って良かったです。

手術のときの記憶

入院してから2日目で手術でした。
手術前に腸内を綺麗にするため2回ほど浣腸をされ、さらに陰毛を剃られます。看護師さんに浣腸と剃毛をされるのは恥ずかしくて死ぬかと思いました笑。
しかも浣腸がものすごくつらくてすぐにお腹が痛くてまた死ぬかと思いました。夕方に麻酔科の先生が来てくれて、麻酔についての説明をしてくれました。手術は全身麻酔なので、それについての説明と、手術後は硬膜外麻酔というので過ごすことと、チューブが繋がりっぱなしで傷が痛くなったらボタンを押せば麻酔が出てくることを伝えられました。
手術当日はあのカラカラカラーっていう台に乗るのかと思いきや手術室まで自力で歩かされます。手術室に行く前に全裸オンケープアンドシャンプーハットみたいな格好にされます。なんか人がいっぱいいるなあと思いましたが、私があまりにも婦人科疾患のデパートなので医大の生徒たちの研修になったそうでした。
手術台にも自分で乗った気がしますが、何故か宇多田ヒカルが流れていました。私はDIR EN GREYの304号室、白死の桜をかけてほしいなーと思ってランプを見つめていました。硬膜外麻酔を入れる時に謎ケープが剥がされ料理されるエビになった気分でした。硬膜外麻酔入れるのがめちゃくちゃ痛かったのでもうやりたくないです。
その後なんとか入れたら全身麻酔をかけるのですが行きますよーから三秒後くらいで落ちたと思います。そして体感時間3秒くらいで手術が終わっていました。モンハンで捕獲された気分でした。
手術が終わってすぐに意識が戻ったら取ったものをみせてくれる約束をしていたのですが、なかなか意識が戻らず、付き添いの姉が見せてもらったそうです。ちなみの私は意識が戻らないあいだうわ言でずっと「FC岐阜がニンジニアスタジアムで勝って残留する」と言っていたらしいです。

手術後について


手術後目を覚ましたときめちゃくちゃお腹が痛くて生理痛がひどいときみたいでパニックになって泣いていました。あとめちゃくちゃ気持ち悪い。翌日までごはんが食べられないどころか水も飲んではいけませんでした。手術直後の夜を越すのが本当につらく、腹痛と吐き気がずっと襲ってくるし、血栓症防止のためにふくらはぎのマッサージャーをつけられていてそれがとにかく気持ち悪いしなんかもう殺してくれって感じでした。尿管をつけられていたのですが自分で力まなくても勝手に尿が出ていったのでそれはよかったです。トイレ以外で自発的に括約筋を使って排泄するのって嫌だったので…水を飲みたくても飲んではいけないのですが、口に含んで吐き出すことは許されていたので、1時間に1回くらいナースコールをしてうがいさせてもらいました。夜が明けるまで時間の経過がわからないのが怖いので、ずっとiPhoneとイヤホンを使って音楽を聴いていました。人生で1番辛く長く感じた夜でした。


入院生活前半


腸閉塞になっていないかのチェックで、毎日看護師さんにおならが出ているか聞かれます。すごい光景ですね。
手術の翌日に姉が来てくれました。食事は最初は白湯でめちゃくちゃおいしくないと聞いていたのですが私はココアとコーンスープでしたが、ものすごく気持ち悪くてココアを飲んだ瞬間戻しました。幸いスーパー袋があったのでよかったのですが、エチケット袋を持ってくればよかったなあと思います。手術後の夜がつらすぎてメンタルがかなりやられていたため、なぜかココアに申し訳ないことをしたと号泣していました。ココアに申し訳ないってなんだ。手術前に姉に差し入れは何がいいか聞かれたので刀剣乱舞のモブおじ攻めならなんでもいいよ!と言っていたのですが、このとき姉に「やっぱりモブおじ攻めが読めるメンタルじゃないからオールキャラギャグ本をくれ」と訴えました。姉めっちゃ笑ってました。
一日目の昼頃に尿管を抜かれましたが痛くて絶叫しました。看護師さんは「男性が尿管抜くのはもっと痛いのよ」と言っていて、男性は偉いなあと思いました。傷口については時々鈍痛が襲ってくるのでボタンを押して麻酔を注入します。
まだ手術から一日しか経っていないのに腸閉塞防止のためにもう歩かされます。開腹手術のあとは体力が落ちるので、時間を見つけてたくさん歩くように指導がありました。
夜はお粥でした。料理が苦手ななか自炊をしているため、人が作ってくれるものならなんでも美味しくありがたく感じるので美味しかったです。
手術から2日目の昼に姉が来たので、髪の毛を洗ってもらいました。美容院のシャンプー台過去ただし顔面が下みたいな場所があるので、そこで洗ってもらいます。完全に犬の気分です。3日ほど頭を洗っていないので嬉しかったです。交渉すれば翌日でもシャンプー台を利用できるかもしれません。この日夕方に会社のオタクの先輩たちが来たのですが話が面白すぎて傷口が開くかと思いました。

手術からの入院生活中盤


手術から3日くらいでお風呂が解禁になったので仕事終わりに来た姉に手伝ってもらいました。傷口が医療用ホチキスで止まっているときいてグロ注意だったらどうしようと恐怖しましたが、たくさんテープが貼られているので見なくてすみました。また、お腹に1文字傷があるため、排泄行為等で腹筋に力を入れたら痛いのではと思いましたが大丈夫でした。腸閉塞の有無を見るために毎日お通じについて報告するのが少し恥ずかしかったです。
ありがたいことに友達がガンガンお見舞いに来てくれたので退屈せずに過ごせました。バンギャは当時はまだあったSHOXXやら、腐女子は商業BLやら同人誌をもってきてくれたり、レイヤーはアクセサリーを作ってもってきてくれたり、サークルの先輩はハンドクリームを持ってきてくれたりしました。ありがてえ……私はなぜか体力があったらしく、あまり体力が落ちずに普通に出歩けていましたので、元気な時は病院の入口まで迎えに行ってシャバの空気おいしい!って言ってたりしました。
食事には制限がないので、お母さんや叔母さんがケーキやチョコレートを買ってきてくれたり、また一日おきに売店にパン屋さんが焼きたてパンを置きに来るので買って食べてました。
4日目くらいになると、毎日お風呂に入れるようになります。また、一日おきくらいに主治医の先生が回診に来てくれます。実物は見れなかったのですが、取ったものの写真を見せてくれました。そして傷口を湿潤療法でふさぐので、かならずお風呂後にテープを貼るように言われ、テープの貼り方をレクチャーしてもらいました。
特殊なテープなので、退院後もしばらく貼るため、買いだめしました。

手術から1週間半と、退院


このあたりになると今すぐ退院してもいいくらいに体力が戻っていました。小児科にハリーポッターを2冊ずつ借りに行って戻ってくるくらいには重いものも持てましたし、暇すぎて階段のリハビリをするべく8階から1階まで往復するくらい体力が戻っていました。
退院するときは、ずっとノーメイクだったのでメイクしていたら看護師さんに誰やねんwって言われたり楽しく退院出来ました。皆さんいい方で楽しかったです。婦人科の手術ではありましたが、産婦人科のフロアには入院せず、おそらく内科の病棟にいたと思います。病院によっては配慮がない可能性もあるのかと思いますので、入院する際は確認してみてもいいと思います。不妊治療のいっかんで子宮内膜症の手術する方とか結構しんどいと思うので…

退院後の診察


退院後も傷の様子を見たり、術後経過を見るため毎週をつづけて2ヶ月ほどくらいの通院をしました。
このとき、出産する時は帝王切開のみになることを聞かされましたが、あまり関係ないのでふーんそっかー程度に聞き流したと思います。
また、先生におしりからの診察より膣からの診察のほうが絶対痛くないことを力説され、あまりの押しの強さに負けて処女(これの定義も悩みどころではあるが挿入が男性器的な意味では処女)なのに経膣プロープで術後経過をみるはめになりました。以前なら必死に抵抗しましたが、もう既に婦人科通いに疲れていたのでどうでもいいやと思いました。入口のところがちょっと痛いと思うけどそこさえ通過すれば大丈夫と言われましたが、確かにおしりよりマシだったと思います。
この病気になってから、再発のためピルを今でも服用し続けています。

まとめ


長くはなりましたが以上が私の体験談になります。
伝えたいことしては、生理痛がひどいことは普通ではないことと、婦人科に通いつめないと行けなくなる前に検診に行けば婦人科に必要以上に通わなくて済むこと、また、生理をコントロールすることで自分の体が知らない女性のものだと思う辛さが少し減ることです。
私は婦人科はレズビアンにとって恐怖でしかないし、生理痛がひどくてもみんな我慢しているのだから、と頑なにいくのを拒否していたら、強制的に行かざるを得ないところまで悪化していました。ですが、必要最低限で済む回数しか行かなくていいのなら越したことはありません。
また、生理を止める薬もありますし(ディナゲスト)、ピルでも生理をコントロールできます。トランスジェンダーの方は生理が来ることで自分が女体を持っていることを思い知らされるのが辛いとは思いますが、前もってこの日に来ると思う、とか来ない、ということがわかれば、少しでも辛さが減るのではないかと思います。
敷居は高いし、婦人科の先生が理解があるとは決して限りませんが、今は婦人科の先生もLGBTについて理解を深めようとたゆまぬ努力をしていらっしゃることが多いです。なにか少しでもおかしいと思ったことがあれば、苦手な場所に少しでも行かなくてすむように病院にかかって欲しいと思います。

5年ほど前のことなのであまり細かいことを書いておらず、あまり参考にはなりませんが、LBTsの方が婦人科にかかるときの気持ちに少しでも寄り添えると嬉しいです。

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