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「できなかった」は「できる」に変えられる。時を超えたリベンジも悪くない!

「過去を振り返っても仕方がない、前に進もう」「過去は変えられないんだから気にしても仕方がないよ」こんな言葉をかけられたことありますか?
きっと励ましの言葉としてかけてくれた言葉だと思うのですが、それを聞いたとき私は「そうだよね、過ぎ去ったことだから仕方ないよね」そう思いながらも、どこか納得していない心がありました。

そんなある日、とある会社の日めくりカレンダーをめくった時、次の言葉に出会いました。

「過去と他人は変えられない 未来と自分は変えられる」

これを見たとき、起こったことや、できなかったりやらなかった過去の出来事は変えられないけれど、できなかったという後悔をバネにして、今から起こる未来やどこかくすぶっている自分自身を変えることはできるんだと感じました。

そんな言葉に触発されて、私自身が時を超えたリベンジを行った体験から、未来と自分は変えられると体感したお話を今回はしたいと思います。

イベント企画で失敗。二度と関わりたくない!と思ったのに…

会社員として働いていた時にイベント企画のリーダーの仕事を任されたことがありました。
それまで2年間ほどメンバーとして先輩たちのやり方を見ていたはずなので、できると慢心していました。
しかしメンバーとして携わっていた時は、自分がリーダーになってやるという意識がなかったため、参加はしているけれど自ら旗を振って進める方法は頭に入っていませんでした…。
また、イベントの運営者として責任を持つことを当時の私はとても重苦しく感じていました。
「失敗したら怒られるのではないか」「お客さんがこなくて赤字になったら責められるのではないか」「事故が起こったらどうしよう...」など、イベントでお客さんが喜ぶことではなくリスクだけを考えていたり、自分に火の粉がかかったらどうする?と、自己中心的な考え方をしていたのです。

その結果、イベント自体はなんとか終わったのですが、準備に時間がかかりすぎたり、スケジュールが大幅にずれたり、上司に謝罪に行ってもらうことが発生したり...。
終わったあと、メンバーの疲労感がとても大きく、自分の中でも「二度とイベントの仕事には関わりたくない」「私には向いていない」「やってはいけない人間だ」と思い、自分の殻に閉じこもりました。

しかし時がたち、今はマルシェなどのイベントを企画したり、フィンランド料理の食事会を企画するなど、あの時封印したはずの「イベントやりません・できません」の気持ちはどこへ行ったのかしらという状況になっています。

実は、年月をかけてじわりじわりと「できなかった」という想いにリベンジしたいという気持ちが出てきました。
そして、とても小さな規模から企画をはじめる経験を積んできました。


燃ゆるリベンジ心。何ができなかったのかを整理する

過去の経験から、何ができなかったから失敗したのかな?嫌になったのかな?を掘り起こして考えるところからスタートしました。

まず、企画するイベントの全体像を想像することが苦手だったので、できるだけ意識して当日の様子を妄想することに努めました。

それはつまり、
来たお客さんにどう楽しんでもらいたい?
どんな雰囲気のイベントにしたい?
そうなるためにはどんな人を呼んだり協力してもらう?などです。

お風呂に入っているときなんかがチャンスで、何回もイメージしたり、自分がそのイベントの場で話している言葉なんかも想像してぶつぶつ呟いたり。 
家族には不審に思われていたかもしれませんが、だんだんと楽しくなってきて、もしかして私できちゃうんじゃない?という前向きな気持ちになっていきました。
イメージトレーニングのような感覚です。

「できなかった」を「できる」という思い込みへ変化させる

「できなかった」という記憶を、楽しみながらできるという自信や記憶にチェンジする事にも取り組んでみました。

会社員の時、へたくそだったのがタイムスケジュールの立て方。
過去に任されたイベントは、会場から会場を移動しながら行うものだったのでタイムスケジュールが重要だったのですが、それができなかった。

移動時間と各会場での出し物の時間の組み合わせなど、その組み立てが苦手だったんです。得意な方にお願いするという手もありますが、自分でも時間のイメージができていないと結局はよく分からないことになるのも経験済み。

タイムスケジュールが苦手な私が克服法としてやってみたことは「一人旅」!
え、何の関係があるの?と思われるかもしれませんが、この一人旅は効果的だったのです。

自分の家から、極力ややこしい行き方で目的地まで一人旅をする。
途中下車したり、友人に会うとか特産品を買うなどのミッションを旅の途中にちょこちょこ入れる。
時間をうまく組み立てないと目的の宿にその日のうちにたどり着けないという、ちょっとしたゲーム感覚で予定を組みました。
このミッション型一人旅はクリアするのが目的ではなく、予定を調べて立てるというところがミソなのです。
高速バスや電車だけでなく、ローカルな路線バスの時刻表を調べて時間を組み立てる。
得意な方はチョチョイのチョイで予定を組み立てることができるかもしれませんが、スケジュリングが苦手なものにとっては、かなりの脳トレになります。

あと、一人旅というところも結構大切。集団旅なら時間を間違えると迷惑かけてしまうかもという不安な心理が働くので、失敗しても自分の範囲内で責任を取れるという安心感もあり、時間を組み立てる練習にはとっても役に立ちました。

小さな規模から挑戦して大きく育てる

スケジューリングと少し仲良しになってきてからは、まずはとっても小さな規模のマルシェを企画してみました。

自分のお店1軒だけでもいいので、知り合いのお店の軒先で出店させてもらい、お客さんにきてもらう、楽しんでもらうという経験を積みました。

そこから少しずつ、お店の数や規模を大きくしてみる、別の仕事(地域情報発信のライターなど)で知り合いになった方の協力を得てみる、仕事仲間が紹介してくれた場所や人とタッグを組んでみるなど、ステップを踏んで今までの経験を生かして取り組んでみました。

苦手だと感じているところだけ頑張っても疲れてしまうので、逆に得意としていること、好きなことも取り入れます。
私の場合だとSNSをつかった情報発信やイベント告知などを楽しんで行うということ。
好きなことと苦手なことをミックスすると、不安な心が中和されるような気がしています。

何度も押し寄せる波・責任や不安との対峙

イベント企画で一番ネックになった私の心の中の動きは「不安な心」と折り合いをつけることでした。

規模が大きくなるにつれ、やりたいと思っていても一人ではできません。

企画メンバーと役割分担して取り組むことや、出店してくれるお店さんを集うタスクが出てきます。
その時に毎回「誰かに役割をお願いしてもいいのかな?」「嫌がられるんじゃないかな?離れていかれたらどうしよう」という疑心暗鬼な気持ちが出てきたり。
また、「お客さんが集まらなくて出店者さんに迷惑をかけてしまったら?」などの不安に押しつぶされそうになってしまいます。これは会社員の頃と同じ心配です。

この気持ちの解消には第三者の力を借りました。
「何が不安?」「何が怖いと感じている?」「お願いするとどんなことが起こると思っている?」など、生まれた不安に対してひとつひとつ質問してもらい、自分の心に向き合って対処していく。

少し時間がかかる方法かもしれませんが、思い込みで怖いと感じているときは「見えないおばけ」に対して「怖いよ~トイレなんか行けないよ~」と心配している5歳の娘と同じような状態。
でも、電気をつけて「ほらいないよ、大丈夫だよ」と認識させ、安心させて行動させてあげることが大切なのだと知りました。

お願いをしてみて「いいよ」と受けてもらえることもあれば、「今は忙しいからごめんね」と断られることもある。
その時断られたとして、そこでおしまいではなく別の機会に一緒にできることもあるかもしれない。
引き受けてくれた方は一緒になって作り上げてくれる。仲間なんだと信じることができる。
感謝と気持ちの切り替えを、不安と向き合うことで学ぶことができました。

自分の中に現れる気持ちの認知と行動の積み重ねによって、イベントができ上がっていったとき、やっと長年感じていた「できなかった後悔」に決着がついた気がしています。

とはいっても、失敗したらどうしようと不安に陥りがちな「癖」を持っているので、そこが出てきたら不安を見なかったことにして怖がるのではなく、解消する方法を探ってみる。

ひとつひとつ解消法を見つけて考えながら思い描いた方向へ舵をきることが、今後もイベント企画に限らず、自分らしい生き方をデザインするのに大切なことだと感じています。

過去は変えられないけれど未来を描くことはできる

さて、ここまで来るのにトータル15年ほどかかりました。

いちどは「もうイベントなんかには一生関わらない」と、私にはできないことなんだと想い封印したこと。
封印してもう自分が「それでいい」と思えていたら、何の問題もなかったと思います。

けれど、自分の中でどこか消化不良で時々うずいてくる。
ほんとに「今のままでいいの?」と、自分の心の声が聞こえてくるのでもやもやしている。

そんな想いがあるときは、今すぐでなくてもいいと思います。
小さくても経験値を積んで、一緒に取り組む人はもちろん、自分自身も「えいやっ」と信じてみてリベンジしてみる。
その経験は、未来と自分を変えることにつながり、その後の生き方を助けてくれるチャレンジになるかもしれません。

さて、リベンジが果たせたと感じている私は、次はもっと来てくれた人や関わってくれた方をハッピーにできるように、自分に向き合ったり立ち上がるような気持ちに繋がる取り組みをジャンジャン生み出せる未来を描いてみます。

Text by pieni(ピエニ)(丹波フィンランド大使)


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