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主にゲームに関することを書いています。 ヘッダー画像はhttps://www.britishmuseum.org/collection/object/Y_EA10016-1 © The Trustees of the British Museum

マガジン

  • ゲームデザイナーインタビュー:Matt Leacock

  • ボードゲームにおけるクラウドファンディング

    海外ボードゲームクラウドファンディングのこれまでについてまとめたものです

最近の記事

テーブルトップゲームの世界市場ってどのくらいなの?

Warhammerに関連してテーブルトップゲーム(アナログゲーム・非電源ゲームと似たような概念と思って下さい)の世界市場の規模の話が出ていましたが、実際その辺どうなの?という話。元記事は取り下げられてしまったようなのでどのような話かちょっと確認できないのですが。 省エネ短めかつあんまり具体性のない概算だけの記事です。ちょっとした参考までに。 ちゃんとした数字を調べるのは難しいよね 日本のボードゲームの市場も具体的な数字はよくわからないというレベルだし、世界市場を見ようとす

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    • キクラデス・レジェンダリーエディションについて(Cyclades Legendary Edition)

      2009年に発売されたCycladesの新版であるCyclades Legendary Editionについて、デザイナーの一人であるBruno Cathala氏による解説の翻訳。元の文章はこちら(https://www.brunocathala.com/cyclades-legendary-edition/)。基本的に英文を元に訳していますが一部仏文も参照しています。 先週2月16日に、Open Sesame Gamesが、2023年Q2にKickstarterでCycl

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      • ボードゲームにおけるクラウドファンディング(4):2022年を振り返る

        以前の記事 KICKSTARTER 2010-2020・2021年の動向・2022年とこれから  に続くシリーズ記事ですよ。2022年の結果についてのニュースが出てきたので簡単にまとめておく。 KickStarterの失速 2014年以降順調に額を増やしてきたKickStarterのテーブルトップゲーム部門ですが、8年目にして前年割れ。2021年の2億70000万ドルから10%強減らして2億3640万ドルはほぼ2020年と同額となります。一方で成立史たプロジェクト数は前年

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        • 誰がリプレイアビリティを殺したのか?

          それは私、とゲーマーが言った。 はじめに “リプレイアビリティ/Replayability”というのはなかなかに曖昧な概念で、元々の英語はre-play-abilityで複数回ー遊ぶー能力であるから“複数回遊べるだけの能力”程度の意味であろう。近年のボードゲームコミュニティでは、概ね特定のゲームが「何度も飽きずに楽しんで遊べるかどうか」を表す言葉として使われている。“リプレイアビリティが高い”ゲームは何度遊んでも楽しめるし、“リプレイアビリティが低い”ゲームは数回遊んだら

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        テーブルトップゲームの世界市場ってどのくらいなの?

        • キクラデス・レジェンダリーエディションについて(Cyclades Legendary Edition)

        • ボードゲームにおけるクラウドファンディング(4):2022年を振り返る

        • 誰がリプレイアビリティを殺したのか?

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        • ゲームデザイナーインタビュー:Matt Leacock
          4本
        • ボードゲームにおけるクラウドファンディング
          4本

        記事

          How interactive is the interaction?

          Title image by Freepik, with modification. プレイヤー間の相互作用/インタラクションはマルチプレイヤーゲームの華です。インタラクションの低いゲームをマルチプレイヤー・ソリテア/多人数ソロゲームと揶揄する風潮もありましたが、最近はマルチプレイヤー・ソリテアという言葉も必ずしも悪い意味ではなく、ひとつのジャンルとして受け入れられるようになってきたように思います。というか2010年代半ばからは積極的にインタラクションを抑えたゲームを志向す

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          How interactive is the interaction?

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          AIとボードゲーム 2022年末

          AIとボードゲームに興味のある皆様にはとても興味深い論文がこの1ヶ月の間に立て続けに2本Science誌で発表されました。 一本は「人間の上位プレイヤーレベルで『ディプロマシー/Diplomacy』をプレイすることができるAIを開発した」という論文。開発したのはFacebookが出資しているMeta AIのチーム。 そしてもう一本は「既存のプログラムに圧勝し、人間の上位プレイヤーレベルで『ストラテゴ/Stratego』をプレイすることができるAIを開発した」と言う論文。こ

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          AIとボードゲーム 2022年末

          HEAT: Pedal to the Metalのデザイナーダイアリーが面白い

          Days of Wonderの新作"HEAT: Pedal to the Metal"のデザイナーダイアリーが公開されたのですが(DoWの商品ページ内にもPDFがあります)、これが大変に面白いのでお勧めです。 で終わりなんですが、まあ英語の記事だしまだ出ていないゲームだし軽く紹介しておこうかと。埋もれさせるには勿体ない記事なので。なお今回は著作権者に許諾を得たわけではないので引用で認められる範囲内に留めた紹介となります。興味がある方は是非全文をご一読ください。 まずは『HE

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          HEAT: Pedal to the Metalのデザイナーダイアリーが面白い

          これからのデジタル版ボードゲームの権利を考える

          というMatthew Dunstan氏のTweetを見た。今更言うまでもないことではあるが、Matthew Dunstan氏は2013年にDoWのRelic Runners (2013)でデビューしたゲームデザイナーで、初期の作品としてはElysium (2015)やCosta Rica (2016)、最近の作品ではSpy Connection (2021)やMy Shelfie (2022), The Guild of Merchant Explorers (2022)あた

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          これからのデジタル版ボードゲームの権利を考える

          あとがき(のようなもの):海外ボードゲームに関する同人活動あれこれ

          先日公開した「海外ボードゲームに関する同人活動あれこれ」について予想以上の反応をいただき、ありがたく思うとともに補足が必要なのでは、と思った次第。前回以上にまとまりのないものになると思うのでお気楽にどうぞ。 注:ポジショントークですといっても別に特段の利益関係があるわけでもないのですが、私は私なりにボードゲームコミュニティに対する意見を持っていて、そうした立ち位置からの言説なので当然意識的あるいは無意識的なバイアスがあるだろう、という程度の意味です。それを言ったら人間の発言

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          あとがき(のようなもの):海外ボードゲームに関する同人活動あれこれ

          海外ボードゲームに関する同人活動あれこれ

          最近同人活動や二次創作に関する話題をいくつか見かけたので、海外ボードゲームに関して同人的な活動をする際に気をつけるべきこと(というよりもむしろ個人的に気をつけていること)をいくつか書いておく。特に“海外”・“ボードゲーム”に限らない部分もあると思うが、私自身の経験がある分野に絞って書いている。もっとも私は法律の専門家ではないので、内容の詳細については保証しかねるので悪しからずご了承いただきたい。 最も大きな問題は著作権周りになるが、国によって異なる上に著作権自体が法律と実態

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          海外ボードゲームに関する同人活動あれこれ

          ボードゲーム新作情報いろいろ

          海外ボードゲームレビューの大御所、Dice Towerの夏企画の一環として、各社からの新作紹介動画の内容が充実していたので覚書。各社の新作発表も、昔はEssen Spielに集中していたのが、GenCon合わせのアナウンスが増えたり、こうしたYouTube経由での発表が増えたりと、多様になってきたな、という印象です。本編動画はこちら。 1時間半ありますが、各社ごとに区切ってあるので目当てのところだけ見るのも簡単なのでお勧め。デザイナーが直接紹介してくれるのが見れたりするのも

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          ボードゲーム新作情報いろいろ

          ソーラーパンク・マニフェスト:日本語ver.1.0

          ソーラーパンクというジャンルがある。あるいはソーラーパンクというジャンルが作られようとしている。サイバーパンク・ムーブメントから派生した数ある“~パンク”サブジャンルの一つであるが、再生可能エネルギーに重点をおいた環境志向の、維持可能な社会を希求するものである。英語版Wikipediaによると、ソーラーパンクという言葉が生まれたのは2008年で、2010年代に様々な形で作品が生み出され、2019年にはソーラーパンクというジャンルを確立すべくソーラーパンク・マニフェストが発表さ

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          ソーラーパンク・マニフェスト:日本語ver.1.0

          ゲームバランス試論

          「このゲームはバランスが悪い」 ボードゲームを遊んでいれば、こうした発言を何度か耳にしたことがあるのではないだろうか。あるいは自分で言ったことがあるかもしれない。もしかしら頻繁に使っているかも。かくいう私もしばしば言ってしまう。「このゲーム、バランス悪いよね」 ゲームバランスというのは便利な言葉だ。理想的な展開(がどのようなものかはさておき)に辿り着けなかった場合は、とりあえず「バランスが悪い」と言っておけば問題ない。システム側にまったく責任がないということは原理的にありえ

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          ゲームバランス試論

          ボードゲームにおけるクラウドファンディング(3):2022年とこれから

          (1)(2)でこれまでのボードゲーム・クラウドファンディングの状況を眺めてきたが、今回は2022年の現状とこれからについて見てみたい。などと持って回った書き方をする必要はなくて、今回はKICKSTARTERとGamefoundについての話である。 (最後に追記しました 2022/6/25) KICKSTARTERへの批判 クラウドファンディングによってホビーボードゲームの資金を調達する、という方法が生まれてから10年以上経ち、クラウドファンディング、というかKICKSTA

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          ボードゲームにおけるクラウドファンディング(3):2022年とこれから

          ネビュラ賞とTRPG

          ネビュラ賞(The Nebula Awards)といえば、アメリカSFファンタジー作家協会(SFWA)が主催するSF・ファンタジー作品を対象とする作品賞であり、ファン投票をベースとするヒューゴー賞と並んでもっとも有名なSF・ファンタジー賞であると言える。元々小説の長さに従ってノベル(長編)・ノベラ(中長編)・ノベレット(中編)・ショートストーリー(短編)の4部門があったが、2018年から新たにゲームライティング部門(Best Game Writing)が設定され、2019年か

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          ネビュラ賞とTRPG

          ボードゲームにおけるクラウドファンディング(2):2021年の動向

          前回はKICKSTARTERの2010-2020年を眺めたが、今回は2021年のボードゲームの状況を概観してからクラウドファンディングについて考えてみたい。 北米ボードゲーム業界の2021年 おなじみICv2のレポートから見てみよう。基本的に北米市場を対象にした数字となる。 ホビーゲーム業界全体としては27億ドルで前年比で30%以上の伸び。この10年間毎年1割程度の伸びを示していたが、さらなる成長を見せた。内訳ではコレクタブルカードゲームが13.5億ドル(前年比約50%増

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          ボードゲームにおけるクラウドファンディング(2):2021年の動向