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デザインってなんだろう。

はじめまして。デザイナーの空色亮諦です。
これまで、お一人でなさっている小さなビジネスから
上場企業のグローバルイベントのアートディレクションまで
色々なお仕事に関わってきました。

デザイナーを10年ほどやっていると、
「デザインってなんだろう」と考える機会が何度もあります。
今回は、この大きなテーマを自分なりの解釈でお伝えしてみたいと思います。

私は、デザインを受け手の立場から逆算し、「もの」や「こと」を作ること。と捉えています。


ものすごく単純な答えのようですが、実は誤解されがちな「デザイン」という言葉。大御所デザイナーの方々の作風をみて、デザインって自分の世界観を表現することなのだと、私も勘違いしていました。

しかし、実際に近くで著名なデザイナーのお仕事への姿勢を見てみると、この「受け手」からの逆算という姿勢がしっかりと浸透しているのです。
当然のことのようですが、驚きました。

私がデザイナーの個性と思っていたものは、「受け手の立場に立つ」という姿勢で仕事をした結果、振り返った時に現れているものに過ぎなかったのですね。

そこで、私自身デザインをしっかりと自分の中で定義しなおしていくべきだということで、『受け手の立場から逆算し、「もの」や「こと」を作ること。』と捉えるようにしています。

食品のパッケージであれば、スーパーを訪れた方が思わずよだれが出てしまうようなものを考え、美術館のロゴマークであれば、アートを楽しむために訪れた人が気持ちよく見てもらえるようにすっきりと洗練された印象にする、受け手の立場に立って考える思いやりの姿勢こそ、デザインの原点ではないでしょうか。

そう考えると、日常にはデザインが溢れています。
横断歩道や信号も、道を歩く人みんなが同じ認識ができるように
色や形が設計されています。

これがデザイナーの好みで幅や色が変えられてしまったら、事故やクレームが乱発してしまう。社会と摩擦を起こしてしまうわけですね。

もっと広く言えば、相手がこういうふうに受け取ってくれるだろうと客観的に考え、行動し、具体化していくということ全てがデザインではないでしょうか。

例えば通勤中、道に落ちているゴミを「この道を歩く人が気持ちよく思ってもらえるように」と拾うことだって、立派なランドスケープデザインです。
人がたくさん歩いている駅の中で、周りの方々に道を譲りながら、ゆっくり端を歩くこともアクションデザインですよね。
もちろん、こうして皆様に届くようにと文章を書くことも。

今、世の中にも色々な意味で使われる「デザイン」という言葉が乱発しています。改めてその本当の意味を考え、社会で活かすことが必要ではないかなと考えています。


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