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いいリズムをもらって走る

砧公園の1.7kmのサイクリングコースが定番のジョギングコース。ここを走っているとたくさんのトップ選手をみかけます。大学ならば駒澤、明治、國學院。朝練で外周を走っているのを見かけるのが東京農大。実業団は旭化成、住友電工、カネボウ。そしてTWOLAPS所属の選手たち。

たまに「こんにちは」と挨拶をかわしているうちに、そのまま一緒に話ながら走ることがあります。こちらはサブ4は無理なくできるけど、サブ3は難しいくらいの市民ランナー。いつも「速いなあ」抜かれてはいるのですが、彼らがペースを落としてくれているとはいえ、それなりのペースで話ながら走ることがなぜかできるのです。それまで1キロ6分ペースでゆっくり走っていたのが「うわっ。1キロ4分15秒に上がっているけど話ながら走りつづけてる」と驚いたことが何度もあります。

遠目に眺めているだけでは気づかなかったのですが、いっしょに走ってみてわかりました。市民ランナーとトップ選手との一番の違いはフォームやストライドよりも「リズム」にあることに。いいリズムとはなにか?それはピッチやストライドや一定のペースを維持することだけでもない。トップ選手と一緒に走って同調することによって、トップ選手の短い接地時間やストライドやピッチ、そして足の回転から腕振りが同期されるような感覚となり、明らかに自分本来以上の力が引き出されます。

自分史上、最高な感覚を味わったのは遠藤日向選手と現役を引退したばかりの井上弘也さんと3人でサイクリングコースを周回したときのこと。現役を引退して走っていなかった井上選手を遠藤選手が家からひっぱり出してジョギングに来たのだそうです。遠藤日向選手のジョギングに付き合うということで、井上選手の足元はなんと「ヴェイパーフライネクスト%」。「久しぶりに走るから、これ履かないとついていけないかな」と笑。5000m日本記録更新を狙う遠藤選手と仁王立ちスタートで1500mを主戦場にした井上選手。明らかにスピードレベルの違う二人と冗談をいいあいながらジョグをしたのですが、いつもの自分では絶対走りつづけることができないオーバーペースなのに、これが全くきつくなかった。一緒に話して走っているうちに遠藤選手の「いいリズム」に同期していき、動きもシンプルになっていくのです。

なるほどなあ。と思いました。これまでペースメーカーとは「一定のタイムで走り続けること」が役割だと思っていたのですが、それだと単なる目安でしかない。ペースメーカーの本質とは一定のタイムで走り続けることではなく、「いいリズム」を与え続けることだと。東京マラソンのレースディレクター早野さんが「うまいペースメーカーは世界中で取り合いなんだよ」と言っていたことを思い出しました。どうやら「うまい=いいリズム」ということなのかもしれません。

さあ、ここからが本題です。11月28日(土)駒沢陸上競技場で行われる1500mのトラック・レース「OTTセンゴ」は、あえて1500mという距離にこだわることにしました。いや、ほんとは5000mでも10000mでもよかったのです。でも、11月末はセンゴをやるのは絶妙なタイミングだと考えたのです。なぜなら、1500mと800mを主戦場とする中距離トップ選手たちは、ここからシーズンオフに入るから。「いまなら中距離トップ選手たちがペースメーカーとしてOTTに参加してくれますかね?」とTWOLAPSの横田真人コーチに相談したところ「中距離のペーサー集めましょう。」とTWOLAPSの選手を中心にたくさんの中距離トップ選手たちがOTTセンゴに集結することになりました。日本選手権1500m優勝の館澤選手のリズムをもらいながらセンゴを走る機会などそうそうありません。

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この集団のように館澤選手のリズムをもらいながらセンゴを走ってみたい方はぜひ、OTTセンゴへ!

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