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#OTTセンゴ トラックレース映像を考える

スポーツのライブ配信が「流行ってる」。観客がいれられなくなったがゆえに、ライブ配信で楽しんでもらおう。そういう考えだと思う。日本陸連からもライブ配信についてのアンケートがはじまった。

視聴者からすれば「全部ライブ配信すればいいじゃないか?」と思うかもしれないが、このコロナ禍においては、ライブ配信は、労力やかけたコストのわりに、視聴者はそんなに増えない傾向がある。なぜなら、ライブ配信を求めるのは、もともと日本中どんな会場にも脚を運んでいたコアなファンであって、ライブ配信が本来ターゲットにするのは、もう少しライトなファンであるからだ。平日の日中に行われる大会をチェックするようなのは、コア中のコアファン。だからがゆえに、コメント欄はどんどんコアになっていき、送り手もそこに答えようとするから、コアのスパイラルが起こってしまう。そうするとライトなファンにとっては敷居が高く「お金かけたわりに、そんなに視聴者数伸びなかったね」というところじゃないだろうか。

10年前からiPhoneを片手に日本中でライブ配信をしてたから、そのあたりは肌感覚でわかる。ライブ配信の視聴者数よりも、後からアップされるアーカイブ動画のほうが圧倒的に視聴者数が多い。一桁どころじゃない、二桁は違うくらい視聴者数が違うのだ。しかも、通信速度などによって映像クオリティーも左右されるうえに、つながらなかったりすると怒られてしまったりもする。ライブ配信とはそういうものなのだ。

以前、日本テレビの土屋さんが鎌倉の花火をネットで中継しようと一流の技術スタッフが関わって取り組んだことがある。どんな場所でも回線が途切れないように、複数の携帯キャリアの回線を束ね、一番ベストな回線をその都度選ぶという機材もいれて、万全な対策をとったはずなのに、花火を見た観客が一斉に花火を動画に撮って撮影し、それをSNSにアップするものだから、周辺の全キャリアの回線が激重に。パブリックビューイング会場には映像は全く送らえる土屋さんが針のむしろ状態で司会でつなぐ。そんな笑えない話もある。箱根駅伝の予選会に毎年行く人ならピンとくるだろう。結果発表のタイミングから1時間くらいは立川周辺の通信環境が激重になって、順位がツイートできなくなるあれ。だ。

盛り上がっている場だからこそ、SNSでたくさんのひとたちがさまざまな視点で発信する。そういう時代にひとつだけの中立的な視点をもって中継するというのはテレビの仕事であって、ネットの役割ではないような気がするのです。

前段が長くなったのですが、OTTセンゴでは「ライブ配信よりも、ちゃんとアーカイブが残ること」を重視することにしました。ライブ配信をすると、とたんに通信速度の関係で映像のクオリティーががくんと下がる。自分が参加するランナーであれば、自身が走った映像がちゃんと残っていることのほうがうれしいんじゃないか。そう考えたのです。映像テストも兼ねて先日、行った「もう一つのインカレ」こと、ミドルディスタンスチャレンジでは、カメラもすべて素人の寄せ集めながら、なかなかのクオリティーでアーカイブを残すことができたのです。昨日、ビデオカメラを貸してくれたキャノンのプロサポートにお礼も兼ねてご挨拶にいったのですが、「素人とは思えない、見事!あの映像を他のスポーツ団体にも見せてたところなんですよ」と。うれしいじゃないですか。まだまだ音声などに改善の余地もありますが。このような映像です。

今回、OTTセンゴでは、同じ会場、同じスタッフでアーカイブをしっかり収録します。1500mはスタート地点がちょっと離れていますが、無線で映像や音声を飛ばす仕組みも準備いたしました。まるで日本選手権を走るかのように、みなさんの走りをアーカイブとして残します。

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