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2019年3月11日 今朝の一枚

立川ハーフマラソンは「観るレース」じゃなくて「出るレース」でして、9年ほど連続で走っていたレース。4月にフルマラソンを走ろうとするならば、1月に多摩川の30km、そして2月に神奈川ハーフか青梅30km、3月は立川、4月にフルといれていくと、レースが調整となってちょうどいいのです。今年はなぜかエントリーをしわすれてまして、はじめて立川ハーフを外から観ることになりました。立川ハーフ、箱根駅伝予選会のコースと似てるけど、ちょっと違う。公園外で折り返しが2回。公園内もフラットじゃなく、アップダウンの多いコースをとってるから、後半かなりきつい。そして、ラスト1kmから、「あそこ曲がればゴールかな?」という似たようなコーナーが続き、ラストの下り坂が意外と長い。なかなかゴールにたどり着けなくて、心が折れる。そんなコースなのです。

EKIDEN Maniaさんが名古屋ウィメンズに行くことになり、びわ湖に行く手もあったのですが、立川にしました。理由はただひとつ。東洋大の相澤晃選手がどんな走りをして勝つか。ここに尽きるかと。かねてより仲間内では「馬並みの艶」と評されていた走りを観ておきたいと。立川だとそれなりに頑張れば何度もその姿を観ることができる。東洋大が予選会にまわることはないでしょうから、こんな機会はそうそうない。

まずはスタートラインに向かいます。この立川ハーフはユニバーシアード選考レースでもありますから、選手たちはこの日のためにそれぞれ、それなりに練習を積んできて、身体も絞ってきたはず。背が高いことや地黒であることを差し引いても相澤選手の仕上がり具合がひろきわ目立つ。他選手の脚がぼんやりと見えるほどに、しまった膝上の筋肉。「今日も馬並み」。これはどえらいタイムを叩き出すんじゃないか思いましたが、その予想はある意味、覆されることになるのです。

スタートして2kmで先頭にたった相澤選手。腰の位置がひときわ高い!高すぎる!

周囲をキョロキョロを確認しながら、ひとりジョグのような余裕度のあるフォームで走ってきます。どうやら、ひとりぶっちぎりで独走するのではなく、集団の一番前を余裕のあるペースで走り、ラストスパートで勝負する。つまり、タイムを狙うのではなく、確実にユニバシアード日本代表を獲得する。そういうプランで行くようなのです。

相澤選手ら、数人の東洋大学の選手はシングレットにハーフタイツにヴェイパーというオレゴンプロジェクトスタイル(大迫スタイルかな?)という組み合わせ。これは間違いなくトレンドになりそう。

公園内に入っても、常に時計チェックし、コース脇の観客を確認する余裕をもちながらトップをひきつづけます。圧倒的な余裕度。ここまで来ると相澤選手が立川ハーフのゲストランナーのように見えてくるから不思議です。

次は17km地点までコースを逆走しながらたどり着くと、相澤選手はスタートから表情ひとつかえてませんが、他の選手の表情をみるとかなりきつそう。つまり相澤選手がイーブンで刻んでいるだけで振り落としになってしまってるということ。こりゃ、もうスパート勝負になるぞとフィニッシュラインへ。

人差し指をつきあげてフィニッシュに入ってくる相澤選手。この10m前でも同じポーズをとってます。おそらく「右に曲がったらゴール」と思って、手をあげたら、「あれ、意外とゴール遠いな」とポーズを取り直したのでしょう。それくらいの完勝でした。のちにラスト400mまで駒澤の中村大聖選手と並走している映像が上がってきました。後ろに選手の姿が見えないのでラストスパートも完璧だったのでしょう。いやあ、もう相澤、とんでもないですよ。
それでは今日もよい一日を。

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