見出し画像

# 27 Survey of the FIRE Movementの結果についての考察⑥

はじめに

画像1

前回の記事(# 26 Survey of the FIRE Movementの結果についての考察⑤)に引き続き、米国でのFIRE Movementの調査結果について、考察していきたいと思います。
※調査条件は、#22の記事にてご参照ください。

今回のテーマは、前回同様「お財布事情とお金を得る手段」についてです。

【言葉の定義】
FIRE = Financial Independence and Retire Early(経済的独立を達成し、早期リタイアする)
経済的独立 = 個人もしくは家庭において、働くことで得られる収入がなくても十分豊かに暮らしていける状態

経済的独立のための口座の種類は?

それでは、まずは経済的独立のために使われている口座の種類について見ていきましょう。2018年時点では下図の結果となっています。

画像2

意外な結果になりました。キーとなるポイントは2つあると思います。

①1番目に使われている口座は、Retirement accounts(=退職金口座)であるということ。
②2番目に使われている口座は、こちらは予想どおり、Brokerage accounts(証券口座)であるということ。

この結果は味方次第ですが、経済的独立のためには、Retirement accounts(=退職金口座)を当てにしているということでしょうか。日本でいうiDeCoを使って、こつこつ貯めて最終的に経済的独立が達成できると言うイメージでしょうか。

しかし、その場合、確かに経済的独立は達成できたとしても、早期リタイアできていないので、個人的にはいまいちに思いました・・・

株式投資のスタイルは?

それでは、次に株式投資のスタイルについて見ていきましょう。下図がその調査結果となります。

画像3

興味深いですね。キーとなるポイントは2つあると思います。

①経済的独立した or 目指している人は、ETF(上場投資信託)も個別株も半分ずつ投資していること。
②ただ、右側のコメントのとおり、経済的独立した人とまだしていない人を比べると、経済的独立した人のほうがよりアクティブ投資よりもパッシブ投資を好むということ。

まず、①についてですが、個人投資家はETF(上場投資信託)のほうが長期的には勝ちやすいと言われていますが、三菱サラリーマンさんのように自分で調べて、個別株を購入してポートフォリオを組む人も結構いるということですね。(それだけ株式投資に関して勉強されている方が多いのでしょう)

次に、②についてですが、私見ですが経済的独立したから、よりリスクの少ないパッシブ投資を好むのであって、パッシブ投資をしたから、経済的独立できたという因果関係ではないと思います。

アクティブ投資もパッシブ投資もスタイルの違いですし、好みの違いですから、ここは各々見解が分かれるところですね。

ちなみにアクティブ投資とパッシブ投資には下記の違いがあります。

①株価指数などの対象指標に連動する運用成果を目指す投資スタイル
②株価指数などの対象指標を上回る運用成果を目指す投資スタイル

FIREを達成するために気をつけていること

過去の記事(# 23)でも述べましたが、より詳細にFIREを達成するためにどんなことに気を付けているのかについて見ていきましょう。下図がその調査結果となります。

画像4

この図では、これまでは経済的独立した or 目指している人とそうでない人の2者の比較でしたが、経済的独立をした人、経済的独立を目指している人、そうでない人という3者の比較となっています。

キーとなるポイントは2つあると思います。

①経済的独立した人よりも、節約しようと努力していること。
②経済的独立した or 目指している人は、そうでない人と比較して、株価投資をしている割合が高いこと。

①については、当然と言えば当然ですが、やはり経済的独立のためには支出を最大限減らす取り組みが必要になります。赤枠の3項目では、いずれも経済的独立を目指している人の割合が高く、私もその1人ですので勝手に励まされました(笑)

おわりに

全6回にわたって、Survey of the FIRE Movementの結果についての考察を紹介いたしましたが、いかがだったでしょうか。

皆さんの中には、1回目のFIRE関連のベストセラー「FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド」が英語版のKindleで格安で読めるという情報が一番役に立ったという方もいらっしゃるかもしれません(笑)

個人的にはこれらの考察を通して、FIREをするためには、やはり支出の最適化が大切であり、それで貯めたお金で株式投資をするという王道スタイルが有効であるということを再確認でき、励まされました。(”Fat FIRE”と”Lean FIRE"という概念も知れて、面白かったです)

これらの考察が、FIREに興味がある方、FIREを目指している方、FIREって何っていう方にとって参考になれば幸いです。

【関連記事】