その囲いは、檻か繭か。あるいは蛹か。
その囲いは、檻か繭か。あるいは蛹か。
籠の中の鳥。
鳥は、羽ばたく力があるにも関わらず、飛び出すことができないでいる。
用意された餌と水と、檻越しに見える景色を見て、それなりにさえずる。
籠に収めた者によって、看取られる。
あるいは何かのきっかけで飛び出し、強者に捕食される。
または、同類と巡り合い、繁殖する。
真っ白な繭。
蚕は、己の吐き出した糸で蛹の姿を守る。
その糸は、希少で優しいものとして取り扱われる。
しかし蚕は健常に生き抜くことができない。
茹でられるか、成虫となっても、飛べない羽を背負って辺りをうろうろするだけだ。
どこかで身を潜める蛹。
それは土の中か、葉の下か。
蛹は、貴重な姿として観察される。
その興味は、その昆虫に由来する(ことも多い)。
私は籠の鳥か、繭か、蛹か。
どれでもないと言いたいし、どれも当てはまっているようだ。
今まで弱さを武器にしてきた醜い自分自身と向き合っている最中であります。
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