「好きなこと」を仕事にした時の「報酬」がもたらす思わぬデメリット
好きな事を頑張って努力したことが報われると、嬉しいですよね?
次ももっと頑張ろうと思えます
それがもし仕事になって、報酬としてお金が入ってきたりしたら?
もっと頑張って、もっとお金を稼ごうという意欲に繋がるでしょう
しかし注意してください
そこにはある「落とし穴」があります
報酬を得たために、あなたの生産性は下がり、やる気がなくなり、ついには好きな事が好きではなくなってしまうことがあるのです
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報酬が大きいほど成績が下がる!
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「モチベーション3.0」の著者のダニエル・ピンク氏はTEDトークにおいて次のような驚きの調査結果を紹介しています
学生達に様々な種類のゲームを用意してプレイさせます
単純なものから頭を使うもの運動能力を使うもの
成績が良かった人から、大・中・小の報酬を与えると伝えました
結果はどうなったでしょう
単純な作業のゲームにおいては、報酬が大きいほど成績がよくなりました
しかし、クリエイティブな要素を求められるゲームにおいては報酬が大きくなるほど、より低い成績をもたらしたのです
これは仕事においてもまったく同じ結果で、機械的で答えがわかりやすい作業においては確かに報酬は大きいほどその効果を発揮するけれど、もっと複雑で創造性の求められる作業においては、報酬はまったく逆の効果をもたらしました
報酬は大きくなるほど生産性を落とすという事実は一般の常識とは真逆の答えではないでしょうか
しかしそれは、単純作業が人間の仕事の多くをしめていた20世紀に作られた価値観であり、今は機械などのソフトウェアがそれらの仕事を担い始めていますし、圧倒的に機械の方が得意です
人がよりクリエイティブ性を求められるようになった21世紀の社会ではもはやそれは時代遅れの価値観なのです
ぽんちょはサッカーが好きなのでサッカーに例えると、優勝がかかった大一番に、とっくに優勝争いから脱落したチームに首位のチームが勝ちきれなくて優勝を逃すなんてことがよく起こります
実力的には差のあるチームが、大きな「報酬」を前にすると、思い通りに実力を発揮できない
より大きな報酬は人間の能力を制限してしまうということではないでしょうか
では次に「やる気」、「モチベーション」が下がってしまう例を紹介します
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「報酬」で好きな事が嫌いになる!ぽんちょのケース
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「好きだから」「面白いから」という内発的な理由で始めたことが、「報酬」を与えられた事によって「やる気がなくなる」、「嫌いになる」という現象があります
これをアンダーマイニング効果と言います
内発的に動機づけられた行為に対して、報酬を与えるなどの外発的動機づけを行うことによって、モチベーション(やる気)が低減する現象
例えば野球好きの少年が自分で毎日素振りの練習をしているとします
それを見た親がご褒美としておこずかいを1000円あげたとすると、一時的に少年は練習を頑張るようになります
しかし次にその報酬を与えないと、少年は元々好きでやっていたはずの練習のやる気がなくなってやらなくなってしまう、というようなケースです
報酬は一時的なモチベーションのアップをもたらしますが、次にそれと同じかそれ以上の報酬が得られなくなると、元々あった内発的なモチベーションまでなくなってしまうのです
「好き」という内発的動機が「報酬」という外発的動機によって失われてしまうのです
ぽんちょの例
ぽんちょは子供の頃からマンガを描くのが大好きで、一人コツコツと誰にも見せることのないマンガをひたすら描いていました
理由は「好きだから」「面白いから」という内発的理由ですね
そこに外的な報酬は何もありません
そして成長するにしたがって、必然的に「マンガ家」という職業がある事を知って運良くデビューまでこぎつく事が出来ました
マンガ賞を獲って「賞金」を戴いたり、仕事としてマンガを描いて「原稿料」をもらったり
「報酬」が発生するようになったのです
ところが実は、「賞」をとったあたりくらいから「楽しく」マンガを描いた記憶がないんです
プロの漫画家になるために、その報酬は「雑誌掲載」から「短編読み切り」→「連載」へとステップアップしなければなりません
ぽんちょはより大きな報酬へと努力し続けました
しかし、報酬へのハードルは段々と高くなります
そして、努力してもなかなか結果にも繋がらず、報酬が得られない状態が続くようになりました
おまけに、初めは「雑誌に自分の作品が載る」という報酬だけで非常に満足していたものが、そのうちそれでは満足出来なくなりました
いつの間にか「雑誌の連載をとる」という外発的な動機がマンガを描く一番の動機になってしまいました
そして、誰に見せる事もなくても描き続けていたマンガを「遊び」で描く事はなくなり、仕事以外でお金を貰わずにマンガを描くなんて想像もできないほど描くことが楽しめなくなってしまっていたのです
ぽんちょはすっかり、「なぜマンガを描くのか」という根本的な理由
「好きだから」「楽しいから」という内発的動機を忘れてしまいました
この問題の難しいところは、心の中は目に見えないというところで、ここからは内発的、とかここからは外発的、なんてラインがある訳じゃありません
仕事でやる以上、報酬がなければ生活出来ませんしそれを求めていくのは当然です
それは白か黒かの二元論的なものじゃなくて、その二つは同時に自分の中に存在して、その中の無限のグラデーションのような領域を行ったり来たりしているんじゃないでしょうか
ぽんちょはその意味をあまり深く考えた事がありませんでした
「結果」を焦るあまりに極端に外発的動機に振れていってしまったのがマズかったんだと思います
クリエイティブで生産性も高いパフォーマンスを発揮したいなら、内発的な動機を大切にすることが大事ということです
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好きな事を仕事にする時に大切な3つのこと
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好きな事を仕事にする
とても魅力的な響きです
ですが、紹介したように、そこには「報酬を得ること」による落とし穴が潜んでいます
もし好きな事でお金が稼げるようになった時、絶対に忘れてはならない事があります
それは
「報酬」としてお金を稼ぐという外発的動機が、「好き」「楽しい」という内発的動機を大きく上回ってしまった時、パフォーマンスは低下し、生産性は落ち、あげく楽しさもなくなり、好きな仕事もただの苦痛な作業になってしまう、という事です
「好きな事」を「好きなまま」高いモチベーションで続けて行くには3つの要素が大切だとダニエル・ピンクは訴えます
自分はそれが好きだから、面白いからやる、という自主性
それをやる事によって自身が上達出来る、という成長
そして、それが自分よりも大きな何かのためにやる、という目的
一つ目と二つ目に関しては「好き」ならすぐ理解できると思います
三つ目の「目的」という意識はぽんちょ希薄でした
「それ」を達成して何をしたいのか、という目的が
昔、漫画家アシスタントをしていた頃、ある先生に言われた事があります
「日本のロボット技術はダントツの世界一なんです。その研究所に行くと、「鉄腕アトム」の像が飾ってあるんですよ。みなさんのやっているマンガというのはそれだけの影響力を持つ、素晴らしい仕事なんですよ」と
ちゃんと教えてもらっていたのに、ぽんちょは、いつの間にか大切な事が見えなくなってしまっていました
これから好きな事を仕事に頑張ってみようと思っている方がいらっしゃったら
ぜひ、胸に「内発的動機」を大切に守って、いつまでも楽しいまま続けられるようにしてください
そして、楽しんでいられれば、視野は広く、成長も早く、結果として成功もついてくる
そうぽんちょは思います
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