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人見知り

私は人見知りだ。いい大人が自分で自分のことを人見知りだと言うのは良くないとよく聞くので、最近は公言していないが、間違いなく人見知りだ。

昨日、職場でのことだ。
職場内で一番美人のHさんが、自作した広報用ポスターを自慢しながら皆に配るというワンシーンがあった。配り始めた所から私は遠い席に座っていたので、当初私は、私のところにまでは持ってこないだろうと思っていた。
しかし、Hさんは徐々に私のところに近づいてくる。私はHさんとは殆ど喋ったことが無い。そんな私の所にわざわざ来てくれるのか、どんな顔をして受け取れば良いのかなどと、私は頭の中は急速にぐるぐると慌てはじめた。
そして、気付くと私は、今急いでかけなくても良い電話をかけ始めていた。忙しいふりをして、Hさんと相対するのを避けようとしたのだ。
結局Hさんは電話をかけている私のもとにやって来て、お辞儀をしながらそっとポスターを私に渡してくれた。素直にポスターを受取り「素敵なポスターですね。」と言えたらどんなに良いだろか。そんな当たり前で、単純なことが今の私には出来ないのがとてももどかしかった。

私はこのような人見知り行動を反射的にしてしまう事が多い。いくつか例を上げてみる。

・歩いていて、知っている人が道の反対側から来るとスマホを見たり、明後日の方向を見てしまう。
・知り合いと目が合っても、一回目を逸らしてしまう。
・人の名前を呼ぶのに勇気がいるので、「すいません」と声を掛ける。
・家電量販店で店員が近づいてきたらすぐ逃げる。  
・美容室で雑誌を熟読するふりをする。

列挙すると、つくづく恥ずかしい。立派な大人とは程遠い人間だと思う。

私の人見知り行動は、きっと自信のない自分を守るために身に付いてしまったものなのだと思う。
だが思い返してみると、この人見知り行動で得をしたことなど一度もない。であれば、私がすべきことはただ一つ。人見知り行動の一切を捨て去るべきなのだ。

目指すべきは人見知り行動の一切を捨て去ることと分かったが、一変に一切を捨て去ることは難しいので、一つ一つ、改善して行きたいと思う。上に列挙したような、私の直すべき人見知り行動は、見方を変えれば伸びしろだ。30代にしてまだ伸びしろがあるのだと思うと、少し人生が明るくなってきた。
いつか「素敵なポスターですね。」が言える人間を目指して、今日から精進してゆこう。

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