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バッタの運動会

あーあ、何か面白いことないかなー。
私は、公園をトボトボと歩いていた。

今日は、
気分も空も晴れないや
そう思いながら、空を眺めていた。

その時、足に何かが当たった。
痛い…
足元を見ると、
バッタがジャンプしていた。
ん?なんだバッタかぁー。

私は
『バッタさん、どうしたの?』
話しかけてみた。

そしたら、
なっなんと
バッタが話しはじめた。
びっくりしたけれど話を聞いた。

バッタさんは、
『僕うまく飛べないんだ。
前に飛ぼうとしても
斜めに行くし、
右に行こうとしても
右に行けない。
当たるつもりはなかったんだ。
ごめん。
明日、僕、運動会があるんだ。
パン食い競争に出るんだけれど、
その練習をしていたんだ』
と教えてくれた。
そんな輝いた目に惹かれて、
私は、
『じゃ、私と一緒に練習しよう!
頑張ってみよう』と言った。

草むらで真っ直ぐ跳ぶ練習をしたり、
右に左に跳んでみたり、体の傾きや、
力を調整して
何度も何度も頑張った。

バッタさんは、
疲れ果てるまで頑張っていた。
最初は、面白半分の私も
真剣になっていた。

運動会
当時の朝、
バッタは、
『練習したし、もう大丈夫!大丈夫!』
頑張った自分に自信を持って挑んだ。

私も昆虫たちの運動会を応援しに行った。
障害物リレー、球投げ…
ダンゴムシの転がる徒競走の速さに
笑いが止まらなかった。
みんな頑張ってる様子にワクワクした。

いよいよ、バッタくん参加の
パン食い競争の番になった。
よーいどん…
懸命に前に進むバッタくん。
しかし、
パンめがけ思いきり跳んだ瞬間、
少しずれてしまい
隣のパンを
くわえてしまい、失格。
バッタは涙が止まらなかった。
私も駆け寄り、一緒に泣いてしまった。

落ちつきを取り戻したバッタは、
やっぱり、まだ練習が全然
足りなかった。
昨日練習して、
すぐにうまく行くはずがない。
毎日を一つ一つをしっかり積み重ね
努力をすることが大事なんだ。
僕には、まだ足りないことがいっぱいだ。
来年の運動会では、
必ず一位を取ってみせると
誓ったバッタであった。

おしまい


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