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知財アナリスト講座を振り返って(特許講座編)

こんにちは、EKです。
今回は、私が持っている認定資格「知財アナリスト」について受講した感想を今更ながらご紹介します。

知財アナリストとは?

正式名称は「AIPE認定 知的財産アナリスト」で、特許講座とコンテンツビジネスプロフェッショナル講座(以下、コンテンツ講座)の2つに分かれています。
知的財産管理技能検定で有名な「知的財産教育協会(以下、協会)」が運用している認定資格ですが、知財管理技能士と違って国家資格ではありません

2022年2月現在の最新情報によると、特許が1,092名、コンテンツが241名いるようですね。

協会のHPより

ちなみに、知財管理技能士の人数がおよそ11万人(※1)、弁理士が1.1万人(※2)なので、知財管理技能士の100分の1弁理士の10分の1のスケール感ですね。分かったようでよく分からない(笑)

※1  2021年12月時点の1~3級合計人数(引用元
※2  2021年12月末時点の日本弁理士会会員中の弁理士数(引用元

一言でいうと…

「知財アナリスト」という名の通り、知財の分析を行うような雰囲気を感じると思いますが、協会のHPでは以下のように記載されています。

知的財産アナリストとは、企業経営・ファイナンス・知的財産に関する専門知識を有し、国内外の他社・自社の各種知的財産関連情報の収集・分析・評価・加工、知的財産あるいは企業の価値評価等を通じて、企業の戦略的経営に資する情報を提供できる特殊スキルを持つ職種のことをいいます。

協会HPより http://ip-edu.org/ipa_info

一言でいうと、「知財情報を活用して企業の戦略的経営に資する情報を提供する人」という感じでしょうか。

アナリストというと分析する人なのかな?との印象を受けますが、「経営に資する情報を提供する」という点が個人的にポイントかなと思います。

受講の変遷と動機

私の知財アナリスト講座の受講変遷は以下の通りです。

特許講座を皮切りに、およそ半年後にコンテンツ講座、そのまた半年後にシニア知財アナリスト認定に挑戦し、無事認定を頂くことができました。

ちなみに、シニア知財アナリストとは…

シニア知的財産アナリストとは、知的財産情報解析を自ら行い、企業等の経営に資する優れたレポートを作成し、その内容を経営者に的確に伝える高いスキルを有する者です。企業内であれば担当者として、社外であれば独立コンサルタントとして、経営者(役員)向けの報告レポートや提案書を作成し報告・提案を行うなど経営に資する情報提供を行うことができるレベルです。知的財産シニアアナリスト認定の種別は、シニア知的財産アナリスト(特許)とシニア知的財産アナリスト(コンテンツ)の2種とします。

いわば、知財アナリストの上級職でしょうか。なお、シニア知財アナリスト(特許)は2022年2月現在で29名しかいません
知財アナリスト(特許)の認定者中のおよそ3%ということで結構少数ですね。うん、よく頑張った自分(笑)

ちなみに、知財アナリスト認定者であれば誰でもシニア認定試験を受けられるわけではなく、講座の実技試験で最高のS評価をもらうことが受験資格となっているため、狭き門となっています。

話を戻すと、最初に受けた特許講座が2020年7月開催ということで、ちょうどコロナ第2波真っ只中ということもあり、実は私が受講した26期がオンライン初の講座となりました。

その頃のツイートを見返すと…

ここにも書いてある通り、前々から受けたいとは思っていたんですよね。
以前キャリアについての記事を書きましたが、最初の特許調査会社にいた時から気になってはいました。
ただ、講座受講のための条件(※3)を満たしていなかったのと、会社が受講を認めてくれなかったこともあってなかなか機会に巡り会えませんでした。

※3 知財管理技能士、弁理士、弁護士、技術士など(引用元

今の会社に入り、特許情報解析を専業でやるようになったのと会社からも受講OKをもらったので、受講を決めたという経緯です。(なお、受講料は自費です…)

これまで我流で特許情報解析をやってきたこともあり、しっかり体系的に学んでみたいというのが、一番の受講動機でした。

良かったこと・得たもの

では実際に受講して、良かったことや得たものについてお話したいと思います。
知財アナリストのオンラインガイダンスでよく話している内容ではあるのですが、3つご紹介します。

受講して良かったこと・得たもの

 

無知の知

これを言ってしまうと元も子もないのですが…知財アナリストになれたからと言って経営戦略へ資する情報をすぐに提供できるようになるわけではありません。会社の状況や背景・課題を踏まえて講座で学んだ知識や経験を元に「実践」を地道に行うことが何よりも大切かと思います。

また、知財情報の調査方法や解析のコツを学ぶことはできますが、ビジネス・経営側の知識全てをカバーしているわけではないので、「もっと経営・ビジネス側の知識を学ばないと…」となったことが大きいです。
自分が知らないことを知ることで、学びへのモチベーションが高まった(=無知の知)ということで、非常に良い体験でした。

これがきっかけで、さらにコンテンツ講座、BUILD講座受講へも繋がっていったので、1つのターニングポイントになったとも言えます。

EKのキャリアマップ(詳細はこちらの記事を参照)

あとは、最終日にグループワークを行うのですが、これが非常に良いです。
実戦的なテーマで様々な情報・意見を持ち寄ってディスカッションを行うのですが、自分の視点が狭かったことを思い知らされますし、非常に刺激を受けると思います。

経営・事業ファーストのマインド

そしてもう1つは、経営・事業ファーストのマインドです。
あくまでも「経営・事業戦略への貢献による企業価値の向上」が中心にあり、そこにどう知財が活用できるかという視点が重要だということに気づきました。

知財アナリストのキーワードとして、「知財と経営を架橋する」というものがあります。でも知財部門の中で活動しているだけで経営との架橋ができるのかというと、なかなか難しいのではないでしょうか。

知財部門から飛び出して経営と知財の間に立ちながら両者を繋ぐ、これが私なりの「架橋」の捉え方です。
知財部門という「枠」から離れることによって、知財ありきの思考から抜け出すとともに、経営・事業の目線で知財情報を翻訳して提供することが必要だと思います。
そのためにも、共通言語となる経営の知識やビジネス側のスキル習得が今の私の課題でもあります。


同期・先輩とのネットワーキング

次に横と縦のネットワーキングです。
やっぱり同じ苦労を分かち合った同期とのつながりは、何にも代えがたいものがありますね。

私が受けた期は全講座オンラインだったのでまだリアルでお会いできていない方がほとんどですが、今でも毎月の勉強会・懇親会を通して交流を続けています。

最近の講座だとSlackを最初から導入してネットワーキングをしやすくしているので、オンラインでも交流に関する不安は無いと思います。

また、最近は縦のつながり(先輩・後輩アナリストとの交流)も活発にすべく、有志で同窓会も立ち上げているので、様々なバックグラウンドやスキルを持つアナリスト同士で情報交換を行うことができます。

実は、これが最大のメリットかもしれませんね…。

最後に

ここまで読んで頂きありがとうございました。
私は元々調査・解析経験者なので、経営・事業視点で特に学びになったことを中心にご紹介させてもらいました。少しでも参考になれば幸いです。

Twitter(@EK103)もやっていますので、是非感想やコメントなどお寄せ頂けると嬉しいです。

ではまた!

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