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「構造化」って何だ?メリットと活用法

こんにちは、EKです。
今回は「構造化」について、自分なりの考え、そして知財アナリストの視点で活用法を書いてみたいと思います。

私が知財部に所属しながら、社内副業で新規事業開発に携われたのもこのスキルのおかげだと思っています。
※私のキャリアについては、以下の記事を参照

構造化は、自分の頭の中のイメージを伝えたり、議論の共通認識を持たせる上でも役立つので、なかなか汎用性のあるスキルだと思います。
また、知財アナリストとしても構造化を意識することで、相手の視点(事業・研究側)に立った情報提供や提案ができるでしょう。

普段何気なくやっているのですが、改めて言語化してみることで新たな気づきがあるかもと思い、チャレンジしてみます!
※ただし、専門家ではないので、あくまで個人の一意見として捉えて頂ければ。

【ちなみに、知財アナリストとは…】

知的財産アナリストとは、企業経営・ファイナンス・知的財産に関する専門知識を有し、国内外の他社・自社の各種知的財産関連情報の収集・分析・評価・加工、知的財産あるいは企業の価値評価等を通じて、企業の戦略的経営に資する情報を提供できる特殊スキルを持つ職種のことをいいます。

知的財産教育協会HPより http://ip-edu.org/ipa_info

つまり、「知財情報を活用して企業経営戦略に資する情報を提供する人」という位置づけですが、私はこれを拡大解釈し、「データドリブンに企業経営戦略へ資する情報提供・提案を行う人」と捉えて活動しています。
このあたり、知財アナリスト講座の受講動機や感想も併せていつかまとめてみたいと思います。

構造化とは

色々と定義があると思いますが、私は、
”要素”間の”関係性”を整理しながら”全体像”を描く』
ぐらいに思っています。

構造化のイメージ

図解とも似ていますが、図解が表現方法に重きを置いている一方で、構造化は要素の分解方法や関係性をどう定義するかというところに重きを置いている感じがします…。
また、『全体像を描く』というのを目的とする点もポイントかと思います。

構造化のメリット

では、構造化を行うことのメリットって何でしょうか?
たくさんあるとは思いますが、以下の3つが特に業務上役立っているなと感じています。

1.文字だけでは伝わらない、概念やイメージを伝えられる=共通認識
2.自分や相手にとって新たな気づきが得られる=リフレーミング
3.重要な部分が浮き彫りになる=本質化

1.共通認識

まずは、共通認識の形成です。
議論をしていてもなかなか言葉では伝わらない時ってありますよね。
また、伝わったと思っていても自分がイメージしていたものと相手がイメージしているものがずれていることもよくあると思います。

「これ、、空中戦になっているな…」

そんな時に効果を発揮するのが「構造化」です。
同じ絵を見ながら議論を行うことで、共通認識を作りながら議論を進めることができます。

また、構造化する上でどのような枠組みで要素を捉えればいいのか、フレームワークや思考の軸を持っておくといいと思います。

共通認識を作る上で私がよく使う軸は、以下の3つです。

・ 5W1H
・ As-isとTo-be(時間軸)
・ プロセス図

詳しくは、別の記事でまとめてみたいと思います。

2.リフレーミング

次にリフレーミングです。元々心理学の用語のようですが、最近はビジネスでも使われていますね。

リフレーミング(reframing)とは、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることを指す。

「リフレーミング」『フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)』

私はこの本で初めてこの言葉を知りました。本筋とは逸れますが、物語調で新価値創造の方法論がまとめられていておすすめです。

なぜ構造化することがリフレーミングにつながるか、私はこんなイメージを持っています。

全体像を掴もうとする中で、今の視点からぐっと引く(ズームアウトする)ことで、これまで見えなかった部分が見えてくるイメージです。

知財アナリストとして事業部・R&D部門に新たな気づきを与えるメリットも、ここから説明できる気がします。
事業部・R&Dの方たちは自分たちの事業・研究に視点が固定されていることが多いので、第3者からの視点で全体像を示し、そこに調査・分析による客観的なデータを乗せることで、気づきを与える。
これが、知財アナリストとしての醍醐味かなと個人的には思っています。

ここでも、リフレーミングするための思考の軸を2つ挙げておきます。
(詳細は別記事にて)

・ 2軸のマトリクス
・ 定説と逆説(ヘーゲルの弁証法)

3.本質化

最後に本質化の効果です。

全体像を描く際に、細かな部分をそのまま詰め込むと見た目もビジーになってしまい、かえって伝わりにくくなってしまいます。
そのため、具体例から共通要素を取り出したり、グルーピングなどをして抽象度を上げる必要があります。

抽象化を行うには、不要な部分を捨てていく必要があるため、最終的に本質的な部分=コンセプトが見えてきます。
つまり、構造化を行う中で「一言でいうと何なのか」が明らかになる、というのが本質化の効果だと捉えています。

もちろん、具体例から一直線にコンセプトに辿り着くのは難しいので、具体⇔抽象を何度も行き来する必要があると思います。

知財の業務においても発明を抽象化しながら(上位概念化とよくいいますね)本質を捉え、特許請求の範囲へと落とし込んでいく作業だったり、調査対象を構成要素分解して検索式を組み立てていく作業があったりします。

これも一種の、具体と抽象を何度も行き来するプロセスなので、知財業務に携わっている方々は構造化が得意なんじゃないか説があると個人的には思っています。

知財アナリストにおける「構造化」スキルの活用

では、知財アナリストの業務=「データドリブンに企業経営戦略に資する情報提供を行う」上で、どのように構造化スキルが活かせるでしょうか?

私は、ビジネスの視点で描いた全体像の上(構造化したフレーム上)に解析した結果を重ね合わせることが重要だと思っています。この中で構造化スキルが活かせるはずです。

単に情報解析した結果を示すだけでは、「この結果はどのように事業や研究に活かせるのだろう?」と相手の頭の中で繋がらなくなってしまい、その先に進むことができなくなってしまうと思うのです。
(特に知財側の専門用語や世界観のまま語ってしまうと、相手は引いてしまいますね。。)

また、「本質化」のパートで示した通り、構造化を行う中で、独自のビジネスコンセプトを描くことができれば、情報提供だけでなくこちらから事業・研究テーマを提案することもできるはずです。

私としては、ビジネスの理論やフレームワークを勉強しながら(引き出しを増やしながら)、このスキルをさらに伸ばし、データドリブンにビジネスコンセプトを生み出せる人になれるといいな、と最近思っています。

最後に

ここまで読んで頂きありがとうございました。
構造化や抽象化に関する書籍は色々あるので、なるべく自分が普段考えている効果・メリットや知財アナリストとしての視点で書いてみました。

Twitter(@EK103)もやっていますので、是非感想やコメントなどお寄せ頂けると嬉しいです。

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