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■ 其の92■ 10歳までにした方がよいと思う事。

🔣先日塾で行った中三の英語の模擬テストに、「インターネット利用」の話が出ていました。そこで取り上げられていた資料は、
 内閣府「令和4年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」による
 10歳から17歳の青少年の「インターネット平日1日の平均利用時間」です。多い順に、
 ●5時間以上      37.4%
 ●3時間以上4時間未満 15.9%
 ●2時間以上3時間未満 15.1%
 ●4時間以上5時間未満 14.1%
 ●1時間以上2時間未満  9.4%
 ●1時間未満       4.4%
となっていました。
iPhoneの発売は2007年。
ということは、15歳の彼らはスマホ誕生後に生まれた世代です。

🔣そんな彼らは、小学6年で半数以上、中学2年で8割以上がスマホを持っています。また男子のほとんどはゲームに夢中になります。
10代にとって液晶画面を見て過ごすことは、時間的にも、気持ち的にも生活を支配していくことでしょう。当面これは変えようがありません。
そんな彼らがティーンエージャーになる前、つまり10歳までに、親が意識してやった方が良いと思う事があります。  

 それは 液晶画面を見ない「現場体験」をとことんやる事です。


 スポーツ、スポーツ観戦、楽器演奏、音楽鑑賞、買い物、キャンプ、美術館、映画、図書館、散歩、自然散策、自転車、読書、イベント参加、祭り、カードゲーム、プール、海水浴、山歩き、ダンス、公園遊び、ワークショップ、博物館、清掃活動、星空観察会、農業体験、バーベキュー、チャリティーコンサート、DIY、カヌー、工作教室、魚釣り、遊園地、ランニング、フリーマーケット、工場見学、電車旅、お見舞い、地域清掃、料理、凧揚げ、パレード参加、イチゴ狩り等〇〇狩り、どろんこバレー、神社仏閣巡り、ボランティア活動、絵描き、写真、折り紙、茶華道・・・順不同で内容はバラバラですが、思いつくまま片っ端から50個挙げてみました。

とにかくアクティブに活動し、親子で様々な体験をしてみることです。ネットやゲームとは違うリアルな世界を体感しまくっておくことです。リアルな体験が心身の核にある人間に育てることです。それが最重要かつ唯一と言ってもいいくらいの「やっておくべき事」だと思います。



🔣さて、それを踏まえて、親御さんに伝えたいと思うことが5つあります。

 お金は単にモノを買うために使うのではなく、誰に・どこにお金を渡すのかを意識させる。まずは親自身が、社会の良い循環の中に自分のお金を投じていく。親が損得ばかりを口にしていると、目先の小さな計算に目が行く子どもになってしまいます。

② 小手先の早期教育や、親が安心するためにさせる習い事は無駄になる可能性が高い。人より早く英語を習っても、そのアドバンテージがあっと言う間に消えて、あれは何だったんだと思わされるかもしれません。習うのならネイティブの方がいいです。発音の問題ではありません。「英語」を母語として生きている人の頭の使い方、理解や表現の仕方に触れることが英語学習の肝だからです。 ちなみに、わたしが生徒を見ていてダイレクトに効果があると感じるのはそろばんです。

③ 親も子供も活字に触れる
結局のところ、本をたくさん読んだ人の方が、勉強では圧倒的に有利だし、生きる上でも幅が広がると思います。
居間に空の本箱を置き、書店に出掛けて、毎月親子で一冊ずつ本を買い足していきます。月2千円の出費です。
スマホ代は出せるのに、この2千円の出費は厳しい(もったいない)と感じてしまう人のお子さんが、知的で賢くなることはまずないでしょう。

無意識のコントロール癖を見直す
中高生のお母さんからよく聞くのが、「うちの息子は私の言うことを全く聞かないんです」というフレーズです。 以前のわたしは「思春期の息子なんてそんなものですよ」と答えていました。でも最近は少し考えが変わりました。
赤ちゃんの頃から子どもが行動しはじめて以来、子どもは親が望むようには振舞ってくれません。親は自分が思うようにコントロールしたい、だけど子どもはコントロールされたくない。そんなせめぎ合いの末、行動も気持ちも遠心分離機を回転し続けるように遠ざかっていきます。同性である娘には共有できるものがあっても、異性の息子とは乖離するばかりです。 
そう感じてきた時は、コントロールしたいことが5つあったら、まず1つを消してみてはどうでしょう。判断、行動基準、決定権、決定内容等々、徐々に子どもへ移行していきましょう。
ちなみに、母親が息子の服を選んでいいのは小学生までです。

ノブレス・オブリージュの意識
其の86に書いていますが、小学校のクラスで考えた場合、
 難関大に入るのは、29人に1人    ⇒  クラスに1人
 準難関大以上に入るのは、9人に1人     ⇒  クラスに4人
 国公立大以上に入るのは5.5人に1人       ⇒  クラスに6人
もし、あなたのお子さんが勉強のできるタイプだったら、それを自分の都合や利得のためだけに利用するような人にはしないでほしいのです。
「東大すごい」「一流大学に入ればいい思いができる」「自分が努力したんだから当然の権利だ」みたいな意識は貧相で残念だと思いませんか。
「高い学歴、低い志し」ほど社会の害悪になるものはないでしょう。
東京オリンピックの醜態をはじめ、わたしたちが見せられ続けてきた政治家や官僚や成功者のみっともない姿勢を断ち切られなければ、だれにとっても不幸です。なにより、生まれ持った賢さを、真っ当に生かせなかった本人が一番不幸です。 考えてみれば、日本には「才能」の使い方のお手本を見せてくれている大谷選手がいるではないですか。







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