[ドキュメンタリー]ドリスヴァンノッテン ハマルは中毒で好きは気分

ドリスヴァンノッテンのコレクションのようすに密着したドキュメンタリー。ドリスヴァンノッテンは自分が好きなブランドだったからいつか見てみたかった。見てて思ったのは意外と仕事してない…?ってこと。自分のイメージでは毎日遅くまで仕事して帰ったら寝るだけみたいなのを想像してたけど、結構豊かな生活をしていた。IT業界の著名人だと起きている間はずっと仕事しろ!みたいなことも言う人もいるから、これは業界の差なのか、それとも歳だからそうなのかはよく分からない。ただ競争が激しいから一年間休めたら嬉しいだろうなと言ってて好きだからずっとやってられるっていうのは成り立たないのかと思った。何かにハマるというのは世間では好きだからハマると思われがちだけど、中毒だからハマって没頭するのであって好きだからではないということに気づけたから良かった。確かにゲームにハマってるときとかって好きだから(面白いから)ハマってるいうより中毒的に習慣化されていて辞められないという状況の方が正しいよね。自分の身に付けたい物をいかに中毒の状態に持っていけるかは工夫と努力が必要だと思う。結局のところ最初から好きでずっとやってられるというものは存在しない。ただハマれた時のタイミングを逃さずにやれるかどうかの問題。

またドリスの服がなんで好きなのかが分かった気がする。それは派手なデザインではあるけど形はあくまでもクラシックだから。一見、保守的なんだけど、どこか今までと違う。絶妙なバランスの取り方で従来のものと被らないように無意識的にやってるんだと思った。それがわかるのは庭から積んだ花を部屋に飾るシーンで神経質に細かく花瓶の位置を微調整するところをみたとき。美的感覚っていうのは目に見えるパターンの微妙な差異に気づける能力のことを指すのだと思った。家はとても物が多いが綺麗にまとまっているところからもそういった能力の高さが伺える。特に庭は手入れが行き届きすぎてなく、噴水はヒビが入って水は濁ってる。そして不規則に咲き乱れた花が自然の美しさを際立たせていて自分の好みにドンピシャの家に住んでいた。自分も老後はあんな喧騒から離れた家に住みたい。

点数は79点。正直、ドキュメンタリーで映画ではないから点数をつけづらいけど、ハマることと好きなことの違いに気づけるような映像だったので見て良かった。ただ久しぶりにドリスヴァンノッテンの服をみたら昔はグサグサに刺さったのに今はそれほどでもなくて、自分の好みの変化にも気づいた。でも周りのデザイナーさんたちの服の着こなしがとても参考になった。

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