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作品紹介 #004~#006


こちらでは、
能「巴」「巻絹」「竹生島」を描いた作品を紹介していきます。
更に詳しく解説が知りたい方は、ぜひ公式HPのほうでご覧になってみて下さい。(ページ下部にLINKあります)

Tomoe/Noh Art #004



能「巴」より、粟津が原で長刀を振るう巴御前

物語の舞台は近江の国・粟津が原(滋賀県)

木曾義仲に仕えた巴御前が主役で、
巴御前と木曽義仲の最期をめぐる物語を描いています。

武士が登場する修羅物の中で唯一の女武者が主人公の演目です。
長刀を奮って獅子奮迅の戦いを繰り広げる姿と、
最後には女の身である事から義仲とともに心中することが許されず、哀愁漂う姿を見せる巴に心動かされる能です。

「嵐も落つるや花乃瀧波 枕をたたんで戦ひければ」
(あらしもおつるや はなのたきなみ まくらをたたんで たたかひければ)

”彼女の長刀は嵐に落ちる花吹雪のように敵を薙ぎ払い、斃していった”
粟津が原での合戦の様子を謡った場面からです


粟津の戦いの巴御前(歌川芳員画)


装束の七宝柄は、鎧を身に着けている事を意味しているそうです。
凛とした美しい表情のなかに、悲しみを表現することが難しい作品でした。


Makiginu/Noh Art #005




能「巻絹(まきぎぬ)」より、
熊野本宮の巫女が神懸り状態となって舞っている場面


和歌山県の熊野本宮大社が舞台の演目

「巻絹」とは巻いた絹の反物のことで、
昔は質のよいものが帝への献上品とされてきました。

「御幣も乱れて空に飛ぶ鳥の翔り翔りて地にまた躍り」
(ごへいもみだれて そらにとぶとりの かけりかけりて ちにまたおどり)

”御幣は乱れて、
彼女は鳥のように飛び返り、
躍り上がって激しく狂い舞う” という神懸かりの場面より

巫女は手に御幣(白い紙の束のようなもの)と呼ばれる神社の祭祀などで使用される道具を持っています。
この能では、熊野の神々が巫女に懸かって、舞い狂う狂女であるという意味があるそうです。


Chikubushima Benzaiten/Noh Art #006

 



能「竹生島」より、右が弁財天、左が龍神です



滋賀県の琵琶湖に浮かぶ島、竹生島が舞台の能。
弁財天は仏教における守護神で、芸能の神様として有名です

「その時虚空に音楽聞こえ花ふり下る春の夜の月にかゝやく乙女の袂」
(そのときこくうにおんがくきこえ はなふりくだる はるのよの つきにかかやく おとめのたもと)

” その時空中に音楽が聞こえ、花が降ってきた。
春の夜の月に輝く天女の舞姿は本当に美しい "


ここまで御覧いただきありがとうございました。

下のリンク先の作品紹介ページにて、

演目の詳しい内容や、登場人物、使用している面や能装束、縁のある史跡等について解説しています。宜しければぜひご覧下さい。

「みずらほ」… https://mizuraho.eisui.space/

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