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ぼやけて安心? くっきりして安心? 「英語のそこのところ」第97回
【前書き】
今回、投稿するエッセイは7年前の2015年12月10日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
Native English Speakerと話していて相手を怒らせたかな? と思うタイミングがあると思います。でも、実はそうでもないのです。(著者)
拙著「英語の国の兵衛門」のkindle版を出版しました。
2008年に株式会社メディア・ポートより上梓され、その後同社の解散により入手不可能になり、みなさんにはご迷惑をおかけしておりましたが(一時は、古本が2万3万ぐらいで取引されていたようで。いやはや、私には一銭も入りませんが_| ̄|○)、kindle という形で復活させることが出来ました。
これを機にぜひお手に取ってみてください。
【本文】
新しく引っ越したマンションの近くには、セミナーハウスがあって、朝食や昼食を食べに出かけるたびにその前を通るんですが、このあいだ「高校受験模試会場はこちら」という看板を見て、ああ、もうそういう時期なんだなぁっと塾で働いていた昔を思い出してしまいました。12月上旬が過ぎて高校受験まであと1ヶ月ちょっとなんですね。
地域によって差はありますが、私が働いていた西葛西や船堀という東京の東では、千葉の私立高校の受験が1月下旬から始まって、2月中旬に東京の私立、最後に都立というスケジュールでした。12月と言えば直前期も直前期で、最後の仕上げ、第1志望、第2志望も決まり、滑り止め校まで決まって、あとは脇目させずに駆け抜けさせるのみ。徹底して子供たちの弱点補強のことばかり考えて、キリキリする時期です。いまの私みたいに、ああ、もう12月だなぁ、熱燗が上手いから今日はあの店に行こう、なんてのんびりしたことは全然考えられません(笑)
塾の講師をやっているなら、どうして、学校の先生になろうとしないんですか? みたいなことは、塾でマネージメントや講師をやっていた際に親しくなったご父母からしばしば言われたことでしたが、私にとってはとんでもないことでしてね。なんと言ったって、私が一番嫌いなのは学校の先生。やれ、髪の毛が長いだの、制服のズボンが太いだの(今では懐かしい話ですが、私の高校のころはやったんです)、高校生らしく、中学生らしくって五月蠅い。ここは「学校」だろう、まずは教科をきちんと教えてくれ、あんたの英語、なに言ってるか全然わかんなくて、つまんないんだよ! と自分の努力を棚に上げて思っていた口なんです。
そういうわけでなんで、学校の先生なんてとんでもない。子供たちの能力を上げることに特化した「塾」というところが私にとっては一番居心地がいい。どんな格好でも、茶髪にしようが、ルーズソックス(これまた懐かしいですが)を履いてこようが、問題なし。やることやってくれれば、怒ったりもしないで済むわけです。
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こういうことを書いていると、なんだか『能力第一主義』みたいに思われちゃいますが、それはちょっと違っていて、能力を伸ばすという目標に特化している塾という場だからこそ、子供を全体としてスフィアに観なければならなくて、「学校の先生よりうちの子のことをよく見てくれている」なんてお母様からしばしば言われたものでした。学校の先生のほうが「人間教育」をしてるはずなんで、なんだかおかしな話です。
でも、この手の「塾」というのはNative English Speakerの世界にはないもので、英会話スクールの語学カウンセラー時代に受講生から相談を受けたことがあります。
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