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第45回 盛り上がるつつき方

刊行開始! 「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル1 時制と助動詞 オープン問題」

 English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト第1巻~第4巻で、英語の時制・助動詞というエンジン部分の解説を終了しましたので、トレーニングドリルを刊行します。

 had + pp,、過去形、have +pp、現在形、be + Ving、will、などの時制や、助動詞をどういう判断基準で使うかは理解した(している)。でも、それを使う機会がない、その判断基準を試したい。
 そんな要望に応える一冊です。
 今回はその内容とちょっとだけお見せします。

ガラケー持ってたな。
スマホ(今)あるよ。

 さて、この二つの日本語の内容をNative English Speakerに伝える際には、時制を変えなければなりません。なにを使えばよいでしょうか? (回答例は末尾に)

 また、「ESM Practice」では、著者徳田がぜひ読んでいただきたい、名作・名著の言葉を取り上げて、英語にしてくトレーニングも行っています。
 今回は、向田邦子の傑作短編集「思い出トランプ」「かわうそ」から。
「宅次が倒れてから、厚子はよく鼻歌を歌うようになった」
 時制や、「~するようになった」「鼻歌を歌う」「『よく』の位置」と気を配らなければならないポイントは多い文です。気になる方はぜひ購入してみてください。

☆「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト」および「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル」で使っている英文はすべて、Native English Speakerと協同で製作したものです。安心して、Native English Speakerの自然な英語を知り、習得してください。

【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2014年9月25日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。Native English Speakerは、自己主張が強いと言われますが、一方で自分の主張に対してのツッコミを待っているところがあります。今回は盛り上がるツッコミかたを扱ってみました。(著者)

【本文】

「価値観の相対化ですね、徳田さんのは」
 ちょっと、ぎょっとしました。
 前回の原稿を見せたときに、編集の方に言われたことでして。
 さすがの慧眼。
「円月殺法、見破ったり!」
と言われて、身動きが取れなくなった丹下左膳、いや、眠狂四郎の気分。ピクリとも動けなくなる。動かば斬る、なんてところでしょうか。

 まあ、悪巫山戯はこれぐらいにしておくとして、たしかに、私のお話のつつき方は「価値観の相対化」が多いかもしれません(いや、ほとんどそう。編集者注)。
 前回44話でご披露した「日本の部屋は狭くて快適じゃない」に対するつつき方は、「理由づけの正当性」に焦点を当てて、「狭いのは息苦しい」という価値観をひっくり返して「狭いから機能的」とするものでしたし、「私は、夏より冬のほうがたくさん服を着られるので好きだ」に対するつつき方は、「理由づけ」に焦点を当てて、「(一度に)たくさん服を着られる」という価値観をひっくり返して、「(毎日)違った服を着られる」とするものでした。

 この手の「価値観の相対化」は明らかに、SFや哲学の手法で子どものころから、たくさんどんでん返しのストーリーを読んでいたせいだと思います。
 悪者だと思っていた相手が実は悪者でなくて、人間こそ悪者だったとか、病的にウソをついてしまう主人公が、実は社会にとって必要不可欠な人間だったとか、そんな話です(ああ、あの話かと思われた方は、なかなかのSF好きです)。

 そういう意味では、ちょっと私のやり方は特殊なやり方なので、もっと正統派のつつき方はないの? と編集者の要望をいただきまして、今回は「正統派のつつき方」をご紹介したいと思います。

 もちろん、つつき方と言っても前回お話しした大前提の部分の「相手の主張を否定しない」は、変わりません。相手の言いたいことは、いったん受け止めてその「理由づけ」と「理由づけの正当性」をつついていくわけです。ということで、早速始めますが、

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