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Pardon? 「英語のそこのところ」第92回

【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2015年10月1日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
 Native English Speakerが嫌うことが、嘘を吐くことだというのはよく言われますが、じつはpretend も嘘を吐くことの一種だったりします。それで、Native English Speakerを怒らせてしまった噺です。(著者)

拙著「英語の国の兵衛門」のkindle版を出版しました。

2008年に株式会社メディア・ポートより上梓され、その後同社の解散により入手不可能になり、みなさんにはご迷惑をおかけしておりましたが(一時は、古本が2万3万ぐらいで取引されていたようで。いやはや、私には一銭も入りませんが_| ̄|○)、kindle という形で復活させることが出来ました。
これを機にぜひお手に取ってみてください。

お待たせしました! 最終巻 発刊!  
「英語の国の兵衛門」「英語のそこのところ」の作者 徳田孝一郎の作った英語テキスト「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト10 基準を設定して比べる=比較表現」販売中!

 前巻の「形容詞とその仲間たち2 関係代名詞・関係副詞」で文で名詞を飾る関係代名詞・関係副詞のスキルを身に着けていただきましたが、今回は、「何かと同じぐらい」や、「何かより上」、「一番」ということを伝えたいときに使う比較の表現です。
「その塔は30階建てのビルと同じ高さです」
「フットボールを観ることはフットボールをするのと同じように面白い」
と言った日本語を英語にする手順をすっきり身に着けることができます。

【本文】

 街歩きというとなんだかずいぶん流行ってしまったので、お恥ずかしいですが、なにかの用事で出かけて時間が余るようなことがあれば、その街をぶらぶら歩くことはよくします。

 ああ、あの作家のあの作品の舞台はこのあたりだったなぁ、なんて気が付くとその内容を思い出しながら、当てもなく歩き始めちゃう。
「へぇ、小名木川って思ったより大きいんだ」とか、
「言問橋ってこんなところにあるんだ。この橋を雨の中を歩いて行く話があったなぁ。想像通り、しっとりした雰囲気だなぁ」
 なんて、読んだ時の想像と実際を比べて歩く。

 もちろん、想像と実際がずれることもあってそれはそれで一興なんですが、あまりに違いすぎるとさすがに残念な気持になりますね。今までで一番残念だったのは、浦安。わたしは、山本周五郎の「季節のない街」のファンで中高生の間に10回以上は読んでいて、そのたびに泪してたんです(ご興味ある方はぜひ手に取ってみてください)。

 福岡から大学進学のために上京して、おのぼりさんよろしく早速、東西線に乗って浦安へ。ああ、「季節のない街」の舞台の漁村や貧民街はどんなところなんだろう、本当に周五郎の書いたようにいがみ合いながらもお互いを慮るようなそんな人間臭いところなんだろうか? ってドキドキしながら電車を降りると、
「ミッキマ~~ウス、ミッキマ~~ウス、ミッキ、ミッキマウ~ス」の音楽。
 ありゃ、これは別世界。
 泥臭さも、汗臭さも、いがみ合いの中の優しさも、ありゃしない。明るくて、健康的な陰影のない世界が広がっている。
 まして、押し付けない優しさなんてどこにもありません、押し付けられまくって、あとで請求書が来る(笑)

 そんなわけで、大学のころからぶらぶら当てもなく街を歩くことは多かったんですが、大学生のある時、Native English Speakerを怒らせてしまったことがあります。

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