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娘の渡米
全然投稿していない間に色々な機能が追加され、とても便利になったnoteに驚くと同時に、自分が投稿していなかった期間の長さに驚いている。
昨日16歳の長女が渡米した。交換留学生として、10か月間ホストファミリー宅に滞在し現地校に通う。
ぎこちない顔をしている娘の顔を見ていると、30年前に自分がデンマークに留学した時の感情を思い出す。不安と期待で、胸の奥が少しツンと痛くなる感じ。
そして、ワタシを見送った時の両親の感情に思いを馳せた。妻も、自分が米国に留学した時のことを思い出していたであろう。
不安そうな娘の中に30年前の自分を見た
出発の日の前日まで、本当は不安なのに強がって「何があってもワタシは留学を楽しめる自信がある」と豪語していた娘。
そんな余裕ぶっていた彼女も、出発当日はすこぶる口数が少ない。軽口もダンス付きのK-POPの鼻歌も出てこない。前日の夜は緊張で眠れなかったらしい。
自分のキャパシティーをオーバーしている娘を見て、本人には申し訳ないが少しホッとする自分がいた。その理由は、彼女の顔が、おそらく30年前の自分と同じ顔をしていたから。
妻は終始ポジティブだったらしいが、ワタシは留学初日から不安で仕方がなかった。
ホストファミリーと馴染めるのか?
友達はできるのか?
ちゃんと意思疎通が図れるのか?
そもそも問題なく入国できるのか?
忘れものはないか?
考え出したらキリがないが、当時のワタシは、留学への期待以上にネガティブな心持ちが勝っていた気がする。原因は、臆病で自分に全く自信がなかったからだと思う。留学での、成功体験があまり想像できなかったのかもしれない。
そんなネガティブでダメなワタシの血を、長女の中に見れたことが少し嬉しかったのかもしれない。
親として見送るということ
今回娘の渡米を見送り、30年前に自分の両親が抱いていた思いに触れることができたことが収穫といえる。
もっと出発前に話しておけばよかった。
もっと自立させておけばよかった。
もっと英語の勉強をさせておけばよかった。
挙げればキリがないが、出発当日に小言を言っても仕方がないので、言いたいことをグッと飲みこむ。
おそらく自分たちの両親も同じ思いだったことだろう。言いたいことが山ほどあったろう。とても心配だったろう。
ただそれを口にすることをグッと我慢してくれていたことを、30年たって初めて知った。
もう1つ。送り出す方の心は「寂しさ」で充満することを知った。それは空港から帰宅し、いるべき一人がいない事実を突きつけられた時に実感する。
自分たちの両親が、自分たちを送り出したときにこんな風に感じていたのかと思うと、本当に感謝しなければと思う。そしてそこまで思いが至らず申し訳なかったなとも。
そして、30年前に妻とワタシの両親が感じ、今回自分たちが感じたこうした感情を、何年後かに娘にも味わってもらえたらよいなと思う。
子どもは親が思うよりも何倍も成長している
出国のゲートに一人で向かう娘の後姿を見て、分かったことが1つある。
それは子供は親が思っている以上に、自分で考え、自分で未来を切り開く努力をしているということ。たくましく育っているということ。
彼女の後姿に、自らの意志と力強さを感じた。
親が手を引いて導いてあげなくてはと思っていたが、それは親のエゴかもしれない。子供の心は親が知らないうちに手の届かないところまで成長し、もはや100%の親の手助けが必要としていないことを、彼女の後姿を見て知った。
突然突き付けられた現実を受け入れるには、時間が必要ではある。ただ「留学する」ということ通じて、育った彼女を尊重しなければ言い聞かせ、その傷を癒していこうと思う。
そんなこんなで、長女がアメリカに旅立った。
最近はSNSなので簡単に繋がることができるが、こちらから連絡することは絶対しないと決めている。
次の彼女に会うのは来年の6月ごろ。
今はまだ、長女がいない生活に慣れることで精いっぱいだが、落ち着いたら、長女がどんな姿で帰ってくるのか、思いを馳せたいと思う。
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