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フルマラソンのエイドはF1のピットイン戦略に似ていることを書こうとしたが、F1ルール変更で様変わり!

先日6日前の日曜、久々のテニスで張り切り過ぎて大転倒、擦り傷6個とあばら骨を痛めた伊達です。

ランニングやマラソンに関する記事を今後連載予定ですが、その記事の中にマラソンの途中で水分や食べ物を補給するエイドの活用について、私はF1のピットインに似ていることを書こうと考えていました

すると、昨日のマインドフルネス・オンラインサロンで、現代の情報過多な中、休まず仕事や家事をするのに対して、タイヤがすり減って制御できなくなる前にピットインするF1に喩えて、マインドフルネスで脳を休めるピットインを、との話が講師からありました

バブル時にJリーグとF1で熱狂した私は、「いやいや、ピットインは燃料入れることも大事で、全体の重量の軽さとピットインの頻度とのバランスも難しい戦略なんです~」と思いつつ、noteにマラソンの時に書こうと思った。

そしたら、ググると今はルール変更でピットインも様変わりして驚いた。

現在のF1のピットインルール

F1全盛期の90年代から2009年まで、F1のピットインではタイヤ交換と燃料補給が行われていた。当時は燃料を入れる時間とタイヤ交換で10秒弱掛かることもあり、少なくとも5~6秒かかるものだった。

F1はトータル走行距離300キロ越えてゴールとなるため、コースにもよるが約60周する。F1では1周ゼロコンマ何秒の違いで勝負がつく。60周すれば何秒、何十秒の差になるのだ。
そんな中、ピットインすることで1回トータル20秒程度ロスすることになってしまう。
ピットイン後、1周あたりこれまたゼロコンマ何秒ずつ取り戻し、それを残り何周するかを考えて、どのタイミングでピットインするかが各チームの戦略となり、天候、温度、他チームとの位置関係、マシンの調子、ドライバーの調子等様々な要素を考慮してタイミングを割り出す。特に雨を予測して溝付きのレインタイヤにするかによって、一周秒単位の違いになることもある。

私が見ていた頃までは燃料補給という要素があった。燃料を1度に満タン入れて、タイヤが持てばピットイン数を減らせる。しかし、重量が重い間はタイムが遅くなるため、どれだけの量をぎりぎり入れて、何回ピットインするかの戦略はF1の見所の一つだった

しかし、しばらく見ないうちにルールが大きく変わっていた。2010年から燃料補給が禁止となり、今はタイヤ交換のみ。タイヤも選択出来る数が決まっているので限られた中で本レースで使うタイヤを決める事になる。

そして、驚くべきはタイヤ交換の速さ。なんと最速記録は現在レッドブルの1.82秒(2019年ブラジルGP)!驚きました。20名でハイテクを使ってやっているとはいえ、1.82秒で4本は凄すぎる。チームワークでタイミングが完璧でないとできない。

ということで、マインドフルネス・サロンでの話は「タイヤ交換のみ」で正しく、私が書こうとした「マラソンのエイドはF1のピットインに似ている」というテーマは、シューズを交換しないマラソンとしては今は全然似ていないという悲しいオチになってしまった。がっくり。でも、書きます!

改めまして、

マラソンのエイドは以前のF1のピットイン戦略に似ている

でいきます。

F1(旧ピットインルール)とマラソンの共通点をあげると、

<F1 / マラソン>
道路を摩擦(タイヤ/シューズのソール)で前に進むこと
長距離レース(約300km/42.194Km)であること
レース途中で燃料補給が必要であること(旧ルール)
ピットイン/エイドをどう活用するか選択できること
タイムの積み重ねが勝負(周当たり何分/1キロ当たり何分)

フルマラソンで消費するカロリーは補給なしには成り立たない。私の体重とタイムの場合では2,800キロカロリーの計算となる。朝食と走る前におにぎりやゼリーを摂っても足りない。従って、ゼリーなど持参して途中で補給する分と、エイドでスポーツドリンクや補給食を摂る必要がある。

ただ、なかなかこの補給を適切に行うのは実際には難しい

F1の重量と同じく、シンプルに体重は軽い方がマラソンのフィニッシュタイムはよくなる。一般に1kg軽くなるとと3分※タイムが縮められると言われている。(※体重、タイムにより変動はします。)

エネルギー切れが心配で、スタート前に沢山食べてすぐに重い状態で走るのは、胃腸にとっても辛いし、スピードも出しづらい。

かと言って、軽めにして走りながら補給して最後までちゃんとエネルギーが持つのかどうか?も不安になるところ。

私はどちらでも失敗している。2大会目に出したベストの更新を目指して、軽量化作戦ダイエット含めて何度かトライしたが、燃料満タン作戦も、ダイエット&軽量スタート補給作戦もうまく行かなかった。

エイド戦略考察1:軽量スタート戦略

2つの戦略を考察してみる。サブスリーベテランランナーの方がご覧になれば是非悩める市民ランナーにアドバイス頂きたい。

これはスタミナを落とさない、ぎりぎりまでダイエットして身体を軽くする戦略だ。BMIを箱根駅伝選手に近いぐらいまでダイエットする。
当日朝も、なるべくいつも通りの食事量にする。私は大会当日はついついエネルギー切れを恐れて食べ過ぎてしまう傾向があり(後述)、練習の時30キロ持久走する時もわざわざ多く食べずに走られていることを考えると、普段通りすればいいのだ、と思い始めた。

エイドは5キロ毎にあるので、毎回使うと7回(35キロまで入るとして)使うことになる。走りながら飲み物、食べ物を取ってもスピードが落ちてロスする。10秒も掛からないかも知れないが、減速加速するので影響は少なくないので10秒としておこう。

軽量スタートの場合、エイドでは水よりもスポーツ飲料で少しでも補給した方がよい。塩分摂取にも貢献する。

10キロ毎ぐらいに持参ゼリーで補給をする。エイドでの食べ物はサブ3.5以上を目指すにはバナナとかチョコぐらいとする。

この戦略のポイントは、毎回5キロずつなので、10秒/5キロのロスをその範囲内で取り戻せるだけの軽量化によるスピードメリットが得られるかどうかと、エネルギーが持つかどうかだ。

エイド戦略考察2:蓄えスタート&少エイドストップ戦略

胃に負担にならない程度の量・スタート前の時間にいつもより多めに食事を摂って、スタートし、最小限のエイドによる戦略。

私は1度大失敗をしている。心配になって、朝食でおにぎり2つ食べた上に、スタート前にもう1つ食べ、さらに前日大会前夜イベントでもらったスナックバーを2本も食べてしまった。周りに釣られて(これも行けないパターン)ハイペースでスタート後走り出してこれまでに味わったことがないほど気持ち悪くなり、前半で減速した場面があった。こうなると飲み物も飲めなくなる。後から考えると馬鹿なことをしたなと思うのだけど、大会当日ってどうしてもいつも通りではなく、不安な事に備えようといつもと違う事をしてしまいがちで、平常心がまさに求められる。マインドフルネスで日頃から心を整えておかないと。

また水やスポーツ飲料も心配だからと喉が渇いてないのに無理に多めに飲んでチャポンチャポンになったこともある。一定量越えると吸収できないらしい。

そうならないよう、ぎりぎり走りに影響しない程度に食べ、飲み物はいつも通り走る直前にコップ1杯程度。あとは発汗量や塩分量を推定して量を決めて飲むようにする作戦。

最小限でエイドを利用するため、スタートから1つめ5kmのエイドにはよらない。調子によっては15キロ目、25キロ目もスキップすることで、30秒ロスを抑えられる。しかし、体重が重いスタートとエイドをスキップするために1回あたり多めに水分を摂ることによるタイムへの影響がどうでるかだ。1キロトータル3分違うとなると、コップ1杯200g違うことで、単純計算で補給後の5キロは4~5秒遅くなるかも知れない。トータルとしては5秒程度速くなるなら、3回で15秒速いとも言える。

どちらがいいか?今は少エイドストップ戦略に傾く

こう書いてみると、エイドストップを少なくする方が軽量化よりメリットが多いように思えてきた。エイドに寄ることによるロス時間が大きい。途中補給のために持参する量が変らないのであれば、補給を多めにしてエイドをスキップした方が5秒以上速そうである。

前回の厚底シューズレビューの通り、体重重めのスタートでも反発を利用して楽に進むことで、エイドストップする余裕ができればタイムも付いてきそうに思えてきた。

F1のように2秒でシューズを走りながら変更出来るのであれば、天候と走行距離に応じたシューズに変更っていうのもありかも知れませんが、市民ランナーにそれはないだろうから食べ物・飲み物・エイドの数を考えた戦略で臨みたいと思います。



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