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デッサンの性質を分ける

『魔術師クノンは見えている』にハマって読んでいる。
なろう系のファンタジー小説が原作で、生まれつき目が見えない主人公クノンが「魔術で目を作ろう」という目標が出来てから世界が変わるお話。

描かれる日常描写が、私の中にある「理系大学院生の締め切り直前の生活」の偏ったイメージみたいで楽しい。注意事項としては、個人投稿型の原作が連載中で、まだ着地点も未知数ということ。

クノンがいわゆるチートキャラなのだけど、その根幹を作り上げたのが平凡な家庭教師による徹底した基礎の授業だった。
一番基礎的な「水を宙に生み出す」魔法の性質を 1)水を生み出す 2)水を浮かす 3)水を球状に保つ の3つに分けて、さらに水自体の性質も温度や粘度、色や成分などとどんどん掘り下げて基礎の基礎を徹底的にこいじり倒していた。

その後の展開でも、主人公の技術発展の基盤には常に徹底した基礎がある。
私もやってみたくて、自分にとっての一番の初歩で基礎のことって何だろうと思い返した。


私の基礎はたぶんデッサン。今思うと一番時間をかけたし。
手近なデッサンの性質を分解してみる。


視点① 当時のイメージ

性質と言っても、どういう切り口で分解すればその後に実験や検証ができる形に落とし込めるんだろう。

勉強当時のデッサン中といえば、「見る」「描く」「描く途中にやたらと面倒くさいことがある」という感じだった。

シンプルに分けられたのはいいけど、「面倒くさいこと」にすべてを入れすぎてる気がする。

視点② 絵の要素

もうちょっとあるだろうと思って出来上がる絵の方から考えてみる。

何度か考えていたことなのですんなり出てきた。
でも、前に考えていた時同様、その後にどうすればいいのか分からず手に余る。

「あなたは構図を勉強したら良いよ」と先生からアドバイスしていただいたことがある。なので、掘り下げ方を知っている人には有益に使えるのだと思う。

視点③ 時系列での行動

何をやっていたかを時系列で思い浮かべる。
デッサンは教室で教わっていたため、課題や講評がある。

①課題が出て、モチーフ(描く対象のもの。花とかりんごとか)をよく見てどんなの描こうかな~と考える
②エスキースと呼ばれる下書きのスケッチをして、先生のOKが出たら本番に入る
③本番の紙にモチーフをよく見ながら描く
④途中の絵を遠くから見て、変なところが無いかを探す
⑤分からなかったら参考作品を見たり休憩したりする
⑥修正する
⑦完成のために、周りの汚れをきれいに消したり濃い線を格好つけて入れたりする
⑧講評を受ける

概ねそんな流れだった。
これをマインドマップ的に図にするとこう。

知らぬ間に色んなことを考えながら進めてたんだなぁ。

ここまで来たら、「修正するにしても、" 具体的な案を出して検討する "っていう工程を省いて失敗してたな」とか、「参考作品をただ真似していて、分析内容を無意識のうちにうっちゃってたな」とか、やっていなかったことが見えてきた。

視点②の絵の要素を分けた図は、ここでなら使えるかもしれない。

たとえば、「構図を勉強する」って何をすればいいのか当時は分からなかった。
今案を出すなら、描こうとしている絵の構図案をいくつか出して、そのときに参考にする作品についても簡略化した構図のメモを残す、とかかなぁ。


構図の話だと汎用性が高くない。
クノンが水の温度や味を少しずつ変えたように、段階ごとにメモを取って検証するなら、「クールタイムはどれくらいとるとパフォーマンスが上がるか」とかって考えると他のことにも使えるかな。


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