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立春(苺と煎茶)#二十四節気の手紙

一年を春夏秋冬の4つに分け、さらに約15日ごとに分けた二十四節気。農業の目安として季節の変化に対応するために中国より伝来したと言われています。

移ろう季節をより身近に感じることができたらと思い、ミックスドリンクスタイリストのemmyと、いけばな作家のMayu Araiによるモクテルとお花の交換会をはじめました。

二十四節気の時季に合わせ、お手紙のやりとりをしています。
今回は第三回目の『立春』、emmyからのお手紙です。


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Mayuさん

立春の候、いかがお過ごしですか。いよいよ暦のはじまりの春の季節になりましたね。この時期はいつもどこか落ち着かない、そわそわとした心持ちになります。

大寒の折には「チューリップのいけばな」のお返事ありがとうございました。Mayuさんのいけた淡く愛らしいお花が心に残り、お手紙を拝読したあとにすぐお花屋さんに駆け込んでしまいました。

つい目を奪われて購入したのは濃い深緋色のチューリップ。Mayuさんも仰ってましたがチューリップは本当に日々表情が変わるのですね・・・!小首を傾げたりしどけなくもたげたり、花弁が落ちる時も ぱさり と余韻を含ませていて、こちらがどぎまぎしてしまうほどに色気がたっぷりのお花でした、、、


今年の立春は2月3日の23時59分。二十四節気の日は天文台の観測によって決められるのですが、3日に立春を迎えるのはなんと124年ぶりだそうですよ。たった1分で日付けが変わるなんて!あたりまえといえばそうなんですが、わたしたちの営みの中心には太陽と月がいるものなんですね。

『立つ春』とはいいますが、指がかじかむほどの風の冷たさです。冷えた空気とはうらはらに、おだやかな陽と色鮮やかになってきたスーパーの青果売場が確実に春を予感させます。


この時期主役の果実といえばやはり『苺』。

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じっと春を待つ芽のように、つぶした苺にレモン果汁をすこし加え、二晩かけてじっくりとペーパーフィルターで濾しました。

時間がかかりますが、すっきりとクリアな色となった果汁は苺がぎゅきゅっと凝縮されたような味わいです。


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肌の温度にしたまろやかな甘みを感じる煎茶を足し、繊細な味わいを活かすために甘酒の上澄みを使って甘さを調節します。

ヘタを浮かべて、苺の瑞々しい香りをより感じるモクテルができました。


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実はわたし、家事があまり得意ではないのですが、洗濯物を干すのは好きなのです。

朝のツンと肌をさすような冷たい空気とやわらかい陽の光。寒さに肩がすくみますが、タオルやシャツが白い光を浴びるのを目を細めながら見るとなんだか澄んだ気持ちになります。

冬の陽の色が白く見えるのはわたしだけでしょうか。

ですがついつい洗濯物を取り込むのを忘れてしまいがちで、、せっかく乾いた洗濯物がすっかり冷えきって夜露でしっとりしてしまうと「またやってしまった・・・」とひどく心がしぼみます。ただちゃんと気にかけたり、乾燥機を使ったりすれば良いだけなのですが、、、あのしょぼくれたなんとも残念な気持ちに名前をつけたいです。

ついお恥ずかしいお話をしてしまいました。


もうすぐ雪溶けの時期を迎えますね。Mayuさんの春のお花、とても楽しみにしています。

それでは!


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二十四節気に合わせ、季節に寄り添ったドリンクとお花の交換会をしていきます。
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emmy(emiushijima)
MayuArai

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