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梨の満月とバラの月見酒、ふたつのお月見ドリンク

今夜は中秋の名月。

かつて平安時代の貴族たちは湖に船を浮かべて水面や杯に映る月を眺め、歌を詠み、舞を踊り、杯を酌み交わして月を愛でる宴を催していました。

古くから幾度となく見上げてきた月は今日も変わらずそこにあり、しっとりとした秋の空とわたしたちの営みを美しい輝きで照らしています。

先日、秋分の日に渋谷のBar Bossaで行った「新しいお月見」イベントではワインやモクテル、秋を感じる滋味深いご飯、落語やお月見コンテスト、韓国との中継、帰り際には可愛らしいお月見どろぼうなど、現代を生きるわたしたちに寄り添った新しいお月見のカタチとなりました。

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当日の詳しい様子はまいこさんのnoteをご覧ください。

本当に夢のような時間でした。

来てくださった皆さんが食事やドリンクを楽しみながら会話を弾ませている様子をカウンターのなかから見て、とても幸せな気持ちになりました。

わたしは月見酒にちなんで、今回2種類のノンアルコールカクテルをご用意させていただきました。

どちらもこだわりの詰まったドリンクなのでご紹介させてください。


梨と緑茶のモクテル

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古くから親しまれ、季節を彩るものとしてお月見にも供えられてきた梨の丸い形を満月に見立てたモクテルです。

以前、家庭で簡単に楽しめる梨と緑茶のモクテルのnoteを書きましたが、せっかくですから当日ならではのドリンクを楽しんでいただきたいと思い、レシピをアップデートさせました。

材料はこちら。

梨(あきづき)
緑茶
二淀川山椒
ライム

梨のもつ独特な風味を活かすため、皮ごとコールドプレス機にかけて梨の香りや甘味をそのまま感じられるようにしました。梨はふくよかな甘味のある「あきづき」を使用。

緑茶は一歩堂のくき煎茶をじっくりと水出しました。すっきりとした甘味のある味わいが梨によく合います。(一歩堂の店員さんにお話を聞いたらシャインマスカットにも合うと仰っていました。また今度試してみようと思います。)

香り高い二淀川山椒を蒸留機を使用して水で蒸留させ、クリアで爽やかな山椒の香りをプラス。

スライスし乾燥させた梨をグラスに入れて、水面に映る満月を表現しました。梨のまろやかな味わいと爽やかな余韻を感じられるモクテルです。

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コールドプレスや蒸留機などふだんは中々扱えないので、わたしとしても初めての試みでした。仕込みは 𝗟𝗜𝗤𝗨𝗜𝗗 𝗙𝗔𝗖𝗧𝗢𝗥𝗬 で行わせていただきました。


月見酒スプリッツァー

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今回ご提供いただいた月桂冠様のノンアルコール日本酒、スペシャルフリーを使ったノンアルコールカクテルです。

フルーティーな醸造香が特徴的な月桂冠スペシャルフリーにローズウォーター、レモン、ソーダを加え、華やかな香りのモクテルとなりました。

お月見にバラ??と一見ミスマッチな印象のバラですが、実はバラはお月見文化が伝来された奈良・平安時代の同じ頃に中国より持ち込まれたと言われており、万葉集に記されているのが日本においての最古の記録とされています。

今から千何百年も前から歌に詠まれるほどバラは身近なものであったのでしょう。

秋バラの見頃は9月下旬から10月。ちょうど各所のバラ園も10月1日に開園されます。

このモクテルは、月見酒をしていたらひとひらのバラの花びらがグラスに落ちてきた・・・そんな情景をイメージして作成しました。

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「つき」でおなじみの月桂冠では、この中秋の名月の日を「月見酒の日」として記念日制定されているようです。

わたしも今夜は家で月見酒をするべく飲みものやお団子を用意してわくわくしています。

どれだけ離れていても同じ月を眺めることはできます。月を見て思いを馳せながら、この夜を楽しみましょう。



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