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究極の安心感と満足度の鍵は「大人目線」であること(授乳室セレクション伊勢丹新宿店編)

意外と長い時間過ごすことの多い授乳室、せっかくお出かけしたならば授乳室だって出来るだけ自分自身が心地よく過ごせる空間がいい・・・!と、行く先々で授乳室砂漠な東京で見つけたココロのオアシス的な存在のお気に入りの授乳室をご紹介します。

これまでは個人的にグッときた授乳室を(勝手に)紹介していましたが、素敵な空間には素敵だと思える理由があるはず!と、思いどのように授乳室空間を作ったのかというお話を施設担当者の方に伺っています。

過去の授乳室情報は下記のマガジンに追加しています。
どれも穴場で過ごしやすいおすすめの授乳室です。お出かけ時の参考になれば嬉しいです。

感動した授乳室は?というと真っ先に思い浮かぶのが伊勢丹新宿店の授乳室。

第一子を出産したばかりの頃、どこへ行くのも不安でビクビクしていました。慣れていない抱っこひもで息子を抱え、おむつやら予備の着替えやらでいっぱいになった大きなバッグを持ち、電車でぐずりだしたらどうしよう...カフェで大泣きしたら?タイミング良く授乳に行けるかな...友達に嫌な思いさせたら嫌だな...などなど。たまにする外出でもずっと緊張していたような気がします。

ある日、授乳のために伊勢丹新宿店のベビー休憩室を訪れた時、子どもっぽすぎない色づかいや随所にちりばめられたホスピタリティにすっかり感動し、ガチガチに強張っていた身体のチカラがふぅっと抜けて、リラックスした状態で授乳ができました。


新宿周辺に行くなら授乳は絶対伊勢丹!と授乳期は思っていました。そんな伊勢丹新宿店の授乳室の心地よさの秘訣を三越伊勢丹グループ会社で、百貨店のリニューアルを監修した株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザインの担当者様に伺いました。

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ー2015年に現在の空間デザインへとリニューアルされたかと存じますが、その際授乳室のコンセプトや設計にはどのような思いを込められたのでしょうか

『ベビー休憩室(授乳室を含む)はゾーンのコンセプト「不変性・Constancy」に沿ってデザインを計画しています。

ベビー休憩室に関しては「究極の安心・安全&赤ちゃんにとって心地よく、母や父にとって使いやすく快適な環境」を空間設計の指針としました。』


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(各個室ごとに照明の明るさ、BGMの音量が調節できるようになっている授乳室)

ー実際に使用してみて各個室ごとに照明・音量が変えられるところにホスピタリティを感じたのですが、導入された経緯を教えていただけますか

『ご使用頂いておわかりかと存じますが、ベビー休憩室は調乳コーナー、レストスペース、おむつ替え、授乳コーナーとシーンごとに部屋を明確に分けています。(授乳コーナー以外は男性も使用可能)

特に授乳エリアにおいては、ご使用される方々個別の快適性に、環境空間が少しでも寄り添えるようなアレンジが可能なように設定しています。』

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(おむつ台コーナーはライトブルーの壁紙。おむつ台ごとに形違いの鏡が配置されている)

ー他の施設などで「ママ向け」を意識した場所だと少し子ども目線のデザインだったり、カラフルな色使いの所が多いとも思うのですが、伊勢丹新宿店では、空間デザインがグレーやブルーを基調とされていて、ピンクを使われている部分も、落ち着いた大人な印象を感じました

『空間デザインについてはお子様自身が安心してご使用頂ける前提はもちろん、コンセプトにもあるように、まずご両親を含むご親族の方々にとって使いやすく快適な空間を目指しました。

ご指摘のように他施設とは違いがあるとすると、デザインが「母親目線からだけの発想」ではなく、母親も含む「大人目線全体からの発想」であることも、印象の違いの一因になっているのかもしれません。

自然豊かな環境に囲まれた家をイメージし、マテリアルはライトブルーの塗装、白木や白タイルを使用。安全清潔暖かさを感じる、居心地のよい雰囲気を目指しています。』


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(子供服売り場のある6階お化粧室はデザイン性のあるミラーが特徴的)

ー6階のお化粧室もベビーカーごと入れる個室や通路が広くなっているなど機能面だけでなく遊び心のあるデザインにも目を奪われるのですが、こちらはどのようなイメージとコンセプトで空間設計をされたのでしょうか

『6階を含む、各フロアに設置された洗面化粧室は各フロアやゾーンのデザインコンセプトにリンクした空間デザインになっています。

6階の場合は「ベビー・子供のフロア」ですので(フロア全体のコンセプトは「Dreams」)そのコンセプトに沿ったデザインになっています。

三越伊勢丹基準の機能性や安全性を満たしながら、「子供の頭の中の空想の世界と、洗練された大人のセンスが掛け合わされた」遊び心のある上質な意匠を実現しています。』

▽お話しを伺って

まず、コンセプトの「究極の安心・安全&赤ちゃんにとって心地よく、母や父にとって使いやすく快適な環境」の言葉に胸がぎゅっとなりました。

だって、『究極の安心・安全』ですよ!もしかしたら世の中全体的にもよく言われてる言葉かもしれませんが、妊娠を意識するころから、サプリを始め口にするものから、育児グッズはもちろん洋服に至るまで「安心・安全」という言葉がずっとついてまわってきてるような気がします。

それが必須であり、基準だからこそ「安心・安全」という言葉はもう目にしすぎてしまったのかもしれません。石鹸ひとつ選ぶのでさえ、「安心・安全」と謳っていても口コミを含めあらゆる情報を探して目にしてからじゃないと安心できなかったな・・・と話はそれましたが、「究極の」という言葉がコンセプトに入る圧倒的安心感。だから伊勢丹新宿店の授乳室で過ごした時、ずっと続いていた緊張状態がふっと軽くなったのか、と納得しました。

そして「赤ちゃん」だけではなく、「母や父にとって」と意識されているところです。育児ワードのマーケティングシーンでまだまだ置いてけぼりの状態になってしまう「父」の存在やファンシーな甘いテイストが苦手な女性にも「大人目線」を基準にデザインされた空間はとても嬉しいです。

実は本館地下1階から全ての階の女性用お化粧室を巡りチェックしたのですが...各階によってデザインが全部異なったデザインのお化粧室は本当に素敵です。(個人的には4階の女性用お化粧室のデザインが好きです。)全ての階のお化粧室にベビーキーパーとベビーカーごとに入れる個室があるところにも心遣いを感じます。お化粧室のデザインについて書かれている伊勢丹公式ブログはこちら

お化粧室や授乳室は「必要な場所」ですが、ただあるというだけではなく、安心感や満足感を感じられる空間がもっと増えたら嬉しく思います。そして、顧客の満足度を追求しつづける伊勢丹の素晴らしさにも触れた取材でした。


イラスト:chi-bit(ちびっと)
https://chi-bit.com/



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