~それぞれの生きる意味~2000字のドラマ
「もう25か…」
25歳になったその日、仕事帰りに街をぶらついていた
ふと、小さなライブ会場の前を通った
聴いた事のない曲が漏れ出している
何故だかとても心地よかった
「ちょっと寄ってみるかな」
いつもなら、そんな事はしないのだが、このまま家には帰りたくなかった
狭い階段を降りていくと受付に華奢な男性がいた
お金を払い小さく重いドアを開けると、脳に一気に音が流れ込んで来た
狭い舞台に二人の男性が、透き通った声で歌っていた
会場には15名位の客がいた
このハコにしては少ない