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この一週間に読んだ料理小説

この一週間で少なくとも6冊読んだのですが、オットが借りてきた「ごく軽い料理小説」はどれも1時間程度で読めてしまうので、作者もストーリーも登場人物も違うのに脳内が混乱(ため息)。

まずは「お弁当屋さんのおもてなし」

北海道に転勤になったばかりのこじらせ女子が、お弁当屋さんの心遣いで少しずつ心を開いていくストーリー。そもそも初期設定に問題があり、それは「運が悪い」ではなく、それは出るとこ出たら勝てるだろうという結構なトラブル。「ま、しかたないよね」的に話が進んでいくのがどうにも納得いかないままどんどん展開してしまいました。

次に読んだのがこの二作目、「海薫るホッケフライと思い出ソース」。

お弁当屋さんの話なので、もちろん出てくる食べ物もお弁当の話がメイン。北海道食材がちょいちょいと挟み込まれていて、本州出身の主人公とともに、読者も少しずつ北海道の食べ物のレクチャーを受けている感じ。相手の心に響くお弁当を作る天才的な料理人の「ユウ君」(しかもイケメンという設定)と、こじらせ主人公の千春ちゃんの距離が微妙に近くなりそうな、ならなさそうな感じでシリーズ化していくんだなあ。

「できたてごはんを君に。」

先日読んだ「本日のメニューは。」の続編です。

ふんわりと前作の設定が引き継がれる作品。短編に見えて少しずつつながっているのがニクイ。家で作るご飯も、料理人として作るご飯も、お店に並べるパンも、タイトルにあるように「君に」が共通したテーマ。受け取る「私」である「読者」はその思いを受け止めているか、それぞれ噛みしめながら読む一冊。

「今宵も喫茶ドードーのキッチンで。」

作者は長い時間をかけて一文字一文字紡いでくれたはずなのですが、45分で読み切ってしまいました。本当に申し訳ない。基本的には喫茶ドードーを中心に、そこに現れるお客さんの物語。みんなそれぞれ何かしらの苦しさやもどかしさを抱えていて、それとどう向き合うかをなぜかマスターが指南してくれる(いくらなんでも都合がよすぎでは・・・)。お客さん同士が出会うことはほとんどないものの、点と点が薄くつながって、それぞれの線が絡んでいくストーリー展開はなかなか読みごたえがありました。

「まいごなぼくらの旅ごはん」

設定や展開や登場人物が突飛に思えても、うーん、まあ、「事実は小説より奇なり」という言葉もありますからね。出会った女の子といきなり旅をすることもあるのかもしれません。しかし盛岡で行ったのがじゃじゃ麺だけかー。もっとたくさん、おいしいもの食べてもらいたかったなー(小岩井農場や花巻にもいくプランだから仕方ないか)。

「放課後の厨房男子」

「居酒屋ぼったくり」シリーズで名をはせた作者さん(と私が勝手に思っている)。私はこの人の作品好きで結構読んでいるのですが、人物描写がちょっと弱いんですよ。登場人物の口調も割と似たり寄ったりで、一つの作品の中ではまあまあキャラ分けされていても、作品を超えると、「この口調は○○の××さんと同じ」という感じがして。あっ、でも、私、ホントにこの方の作品好きなんですからね! ちなみにこの作品は男子校の包丁部こと料理部のお話です(←つけたし感満載)。

あらかた読みつくしたと思ったら、また次のをオットが借りてきてる! キリがないわ(幸せ☆)。

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