君は地元をわかってない
地域活性化のキーは「よそもの、わかもの、ばかもの」とよく言われますよね。
大学生と話していてよく思うのは、自分の地元を全然わかってないなということ。
私は旅先でその土地の名物料理とか銘菓を探すのが好きなので、大学生にもよく尋ねるのですが、みんな口をそろえて言います。「ウチの地元に銘菓なんてない」。
「どこ出身?」「愛媛です」「いろいろあるじゃない、母恵夢とか坊ちゃん団子とか一六タルトとか」と私が言うと、「えっ、でもそれって全国にありますよね」。
という一連の流れが定番(地名と銘菓の組み合わせはいろいろ)。
学校や地域にもよるのでしょうが、高校生は運転免許を持っていないことがほとんどです。そうなると個人での行動範囲は「自転車で行ける範囲」になります(都心部の高校生は電車があるから範囲が広いですかね)。
行動範囲が限られていて、かつ、周りにいる人たち(クラスメイトでも部活でも塾でも習い事でも)はその「行動範囲内」である場合がほとんどですから、情報源もやはりその範囲内ということになります。そうなると「その中で見えている世界」がまるで「全世界共通」であるように思えてしまいます。
「どこのスーパーにも母恵夢は売っている」から「全国どこでも母恵夢は売っている」という思考になるんでしょうね。
一回外に出て「えっ、これってウチの地元だけだったの?」という気づきがあって初めて「よそもの」の視点が得られます。これって人生ではかなり貴重な体験だと思うのですが、その「気づき」が薄い学生もいます。違っていることに気づかない、違いがあると思っていない、そもそも観察していない、などいろいろなパターン。
私のゼミでは早い段階でその「気づき」が得られるようにいろいろ試行錯誤しています。地元銘菓の話も一つのきっかけですね。
ちなみに話の腰を折るようですが、母恵夢というのは福島の「ままどおる」と似た感じのミルク和菓子です。